映像作品感想記録(1999-12)


07-Dec-1999

【DVDソフト】「星界の紋章」VOLUME1 バンダイビジュアル
 他星との交渉を持たずひっそりと存在したハイド星系マーティンに突如出現した大艦隊は、 人類の半数を支配下に置く種族の侵略艦隊であった。 その種族、アーヴの降伏要求の前に星系主席ロック・リンの下した決断は彼の息子ジントの運命を大きく変えた。
 それから7年、運命の悪戯で強大な星間帝国「アーヴによる人類帝国」の貴族となったジントは 帝都に赴くべくアーヴ巡察艦を待つが、そこに現れた出迎えのアーヴ少女は…

 第1話「侵略」、第2話「星たちの眷族」を収録。
 1999年1月からWOWOWで放映された、森川浩之原作「星界の紋章」のアニメ版。 第1巻はジントの故郷の喪失とラフィールとの出会いまで。 1話の主題の「ジントの故郷喪失」はなかなか「痛い」けれどなかなかよろしい。 ただ2話のラフィールとの出会い部分がやや冗長で、まだ演出がこなれてない、という印象をうけた。 このアニメ自体、原作を全く知らないといささか理解に困る作品なので、 半端に説明的演出をいれる必要はないと思うのだが…。
 この巻の見所はやはり、1話冒頭の巡察艦ゴースロスと<人類統合体>の突撃艦の戦闘だろう。 ゴースロス艦橋要員のアーヴ語によるやりとりが緊迫感を醸し出して非常によろしい。 出だしとしては上々といったところだろう。


08-Dec-1999

【DVDソフト】「星界の紋章」VOLUME2 バンダイビジュアル
 第3話「愛の娘」、第4話「奇襲」を収録。
 冒頭でいきなり「教えて…私は『愛の娘』…」という幼ラフィールに、 「王女様がこんな庶民みたいな言い方するかい」と引いてしまったけれど、 ゴースロス乗艦以降はそこそこ安定してきて、ちょっと詰め込みすぎな気がしないではないのも、 まあこんなもんかという3話と平面宇宙を航行するゴースロスが感知した正体不明の時空泡群が 敵対する「人類統合体」の部隊で、ジントとラフィールを退艦させて、いよいよ緊迫する第4話。 なんといってもレクシュ百翔長の声がいい。高島雅羅の冷静で知的な声ガピッタリだ。 クリューグ王の声が鈴置洋孝というのが意外であって、 大塚明夫じゃないかと期待してしまったのはTNG日本語版に見過ぎか?


11-Dec-1999

【DVDソフト】「星界の紋章」VOLUME3 バンダイビジュアル
 第5話「ゴースロスの戦い」、第6話「不可解な陰謀」を収録。
 「星界の紋章」TVシリーズ前半…というか個人的にはシリーズ最大の見せ場、 「アーヴによる人類帝国」巡察艦ゴースロス対「人類統合体」突撃艦10隻との艦隊戦の5話は、 何度見てもすばらしい。主役のジントとラフィールはほとんど出てこないけれど、 圧倒的不利な状況でも文字どおり命を賭して戦うレクシュ艦長以下のクルーが凛々しい。 次々と敵艦を沈めるものの、ゴースロス自体も傷つき、「あと1隻っ」というところで訪れる破局。 やはりスペースオペラの艦隊戦はかく有るべきだと思われる良作であった。
 6話はそれとは打って変わって、緊張感はあるけれど、出てきたのは「アンミラ軍団」(笑)。 原作を読んだイメージでは全然こういう感じじゃなかったのだが、 最近こそコンボイ司令官@ゴリラ役などが多いけれど、ちょっと前までは 「いやみったらしい優男」の第一人者、子安武人のフェブダーシュ男爵の 「ネチネチとした陰険野郎」という演技とあいまって、怪しさ大爆発で結構いいかも…


12-Dec-1999

【LD】「スタートレック(STAR TREK THE MOTION PICTURE))」 パイオニアLDC
 1979年パラマウント。
 言わずと知れた「スタートレック」…「宇宙大作戦」(TOS)の劇場版第1作。 クリンゴン艦隊を圧倒した謎の存在が太陽系を目指して近づいてくる。 これを迎え撃てる船はエンタープライズのみ。かつての艦長であるカーク提督が再び指揮をとる…という筋。 幻の「STAR TREK PHASE II」のプロットを映画化したので、 「スターウォーズ」などでSF映画が金になる、という思想のもと、 少々無理して作った感じがなくもない。 やたらと宇宙船やステーションなどの特撮部分をじっくりみせたり、 カークとカークが指揮権を奪取した形となったデッカー(そういえばこいつの親父もカークに指揮権奪われたな…) との確執をややしつこいくらいに描いたりして、 TV版のパイロット版としてならいいけれど、本来一発勝負であるはずの映画としては いささか間延びしていて面白味にかけたのが残念。 プロット自体もTOS時代に似たような話もあったのだが、 解決方法もTOS時代のほうが頓智がきいてて面白かったと思う。
 ただ、TOSレギュラーはほぼ全員出演しているので 「あの人はいま」的な楽しみはあるから、ファンはおさえておくべきだろう。

【LD】「スタートレックII カーンの逆襲(STAR TREK II THE WRATH OF KHAN)」 パイオニアLDC
 1982年パラマウント。
 前作の反省を踏まえてか、この作品ではTOSのゲストキャラクター、カーン・ヌニアン・シンが、 カークに対する復讐のためにエンタープライズを襲う、という筋で、 宇宙船同士の戦闘とその緊迫感で楽しませてくれる作品に仕上がっている。 TVのカーンは比較的爽やかにエンタープライズを去っていったような記憶があって、 さらにどこか魅力ある人物であったはずなのに、 映画では変質狂的にカークを狙う年寄りになっているのに違和感がないでもないが、 ラストのカークとスポックの別れが涙を誘う。
 人間関係と娯楽部分をうまく融合させた良作。

【LD】「スタートレックIII ミスター・スポックを探せ!(STAR TREK III SEARCH FOR SPOCK)」 パイオニアLDC
 1984年パラマウント。
 前作ラストでエンタープライズを救うため犠牲になったスポックの精神と記憶は マッコイに託されていた。彼らを救うためにはジェネシス計画で生まれた惑星にいくしかない。 カークらクルーは司令部の命令に背いてエンタープライズを奪取するが…というストーリーの この映画の監督はMr.スポックことレナード・ニモイ。 正直なところ、「カーンの逆襲」よりは派手さに欠ける…とはいいつつエンタープライズが沈んだりはするが…のだが、 仲間を救うためにあえて命令違反を犯して船を奪取…という日本人としては妙に馴染み深い 浪花節的展開が案外心地よかったりする。 サーヴィックが別人になっていたりして妙な違和感があるけれど、 あの結末のために第2作と続けてみたほうがスポックファンにはいいかも。


15-Dec-1999

【DVDソフト】「ベターマン」Vol.5 ビクターエンタテインメント
 第九夜「海−aqua−」
 第十夜「蟲−musi−」を収録。
 第八夜の病院編の続きかと思ったら一転して、海難事故の調査となったり、 アカマツ工業が謎の蟲に襲われたりと場面がコロコロかわる印象。 「サクラちゃんヘッドダイバーモード」にツボを付かれる人もいるのだろうけど、 個人的には妙な機械に繋がれてるほうがそれらしいという感じがして、 まあこんなのもありかな、という程度の感じであった。 それよりも覚醒人搭乗時の「だって覚醒人は…」ってセリフは何やー、というのが正直なところ。 謎を多数散りばめて、その答えを出し惜しみするのはいけれど、 うまくまとめないと、最後で大コケする可能性があるので少々不安もある。 第九夜ではベターマンの新形態「アクア」が登場するけれど、 海中を進むシーンでのCGが妙に浮き上がって見えたので、 「ガガガ」よりCG処理がよくないなぁ、という気がした。 第十夜にでてきてリっちゃんに謎の鈴を渡した爺さんは、 今後何かかかわってくるのだろうか?
 今回は特に「映像特典」というのはなくて、 隠しコマンド(といってもジャケットに書いてるんだけど)で 「ガイガイガーFinal」の特報がついていた。


17-Dec-1999

【DVDソフト】「DVDウルトラマン」VOL.1 ビームエンタテインメント
 「ウルトラセブン」に続く「デジタルウルトラシリーズ」の第2弾。
 第1話「ウルトラ作戦第一号」
 第2話「侵略者を撃て」
 第3話「科特隊出撃せよ」
 第4話「大爆発五秒前」を収録
 正直なところ、特撮はチャチだし、演出も小慣れてないところが見受けられるが、 「セブン」とは違っていささかコミカルな感じと懐かしさもあって 非常に面白い。値段も4話収録で3800円(税別)と良心的なのがよい。
 VOL.1には記念すべき第1話からの収録で、 ウルトラマンの地上での姿となるハヤタ隊員はもともと「怪獣やっつけ隊」こと 「科学特捜隊」のエリート隊員であって、そのあたりが、後のウルトラシリーズとは大きく違う、 いうなれば「最初にして異色」なのに改めて驚く。 ウルトラマンがハヤタに乗り移った原因も、「犯人護送中の警官が犯人に逃げられて、 追っかけてる途中で人身事故起して、それをごまかすために」ともとれることであったりするので、 知ってはいるけれど、なんとなく新鮮。
 「ウルトラ怪獣第1号」のベムラーはいささか影が薄いのは、 後々までウルトラマンのライバルとして存在する第2話から出演の バルタン星人のせいかもしれない。 それにしてもなんの躊躇もなく20億のバルタン星人を絶滅させちゃいかんよな、やっぱり。
 それから日本国内で堂々と「核ミサイル」つかってんじゃない>防衛隊


18-Dec-1999

【DVDソフト】「DVDウルトラマン」VOL.2 ビームエンタテインメント
 第5話「ミロガンダの秘密」
 第6話「沿岸警備命令」
 第7話「バラージの青い石」
 第8話「怪獣無法地帯」を収録
 ウルトラシリーズは何度と無くみているのだが、 「バラージの青い石」「怪獣無法地帯」の2話はもっと後のほうだと思っていた。 どちらもなかなか印象深い話なので、ある程度「ウルトラマン」のストーリーラインが固まった中盤以降の話、 という感覚がおこったのかもしれない。 ただ、アントラーがなんであんなにつよくて、「青い石」が何故有効なのか、 もうちょっと解明されてもよかったのではないかと思った。 「ノアの神」とウルトラマンの関係など、ぼかすところはぼかしてもいいけれど、 それらしい理論武装してくれると「もっともらしく」感じるのだから。

【DVDソフト】「トライガン」D-3 ビクターエンタテインメント
 第9話「MURDER MACHINE」
 第10話「QUICK DRAW」
 第11話「ESCAPE FROM PAIN」
 第12話「DIABLO」を収録
 ニコラス・D・ウルフウッド登場。速水奨の関西弁があってるんだかあってないんだか良く分からないけれど、 すぐに慣れたのはやはりネイティブな関西人のせいか。 ウルフウッドの出てる9話以降の3話はいささかツッコミが浅くて、 もうちょっと…と思うけれど、ウルフウッドはそこで退場。 コミック版では立派な主要人物なのでまた出てくるとは思うけど、このまま退場だったらいやだな、っと。
 12話からはついにヴァッシュの敵、ナイブズの部下レガート・ブルーサマーズと、 GANG-HO-GUNS一番手、モネヴ・ザ・ゲイルが登場。 いよいよ話が中盤で、本筋に乗ってきたのを感じさせる。 レガートの声が関俊彦でこの妙に「キレた」ような、 冷酷なような声がまたよい。声優がキャラにあってるのはすばらしいことであるなぁ、と思った。


19-Dec-1999

【DVDソフト】「星界の紋章」VOLUME4 バンダイビジュアル
 第7話「幸せな叛逆」、第8話「アーヴの流儀」を収録。
 原作では2巻の1/3ほどまでの「フェブダーシュ男爵」領での事件がここで完了。 前男爵の声のイメージは阪脩氏であったのだが、麦人@ピカード艦長(二代目)もなかなか良い。 放送時にはいささか冗長に感じたのだが、男爵領での事件はなかなかうまくまとまってるなぁ、と 自分の感想を修正する。アンミラ軍団(笑)はいささか行き過ぎな気もしないではないけれど、 話的にはまあまあ面白かった。 男爵を殺したラフィールとそれに違和感を感じるジントとの感覚の齟齬が 原作ではちょっと深刻だったのだが、アニメではかなりあっさり片付いたので、 いささか肩透かしくらった気がして、 前男爵の出番など含めて、このあたりをもう少しじっくり描いてほしい、 と思うのは無い物ねだりなのだろうか。

【DVDソフト】「星界の紋章」VOLUME5 バンダイビジュアル
 第9話「戦場へ」、第10話「二人だけの逃亡」を収録。
 補給をすませ、スファグノーフ侯国に赴いたジントとラフィールを待っていたのは、 既に人類統合体に制圧された侯国であった…という感じで始まる、 地上世界に降りた二人の「守るもの」「守られるもの」という立場が逆転したいわば地上編。 ラフィールの祖母にして皇帝たるラマージュと交渉する四ヶ国連合の大使の女性の比率が妙に増えていて、 かなりはしょられているために、妙に無能なだけにみえる大使たちが「なんだかなぁ」という感じ。 原作ではここで皇太子バルケー王ドゥサーニュがでてくるのだが、 そこもカットされたのは残念。 ラフィールとジントに話が絞られている関係で、 このあたりのアーヴの面白さが犠牲になっているのが残念なところ。 代りというわけでもないが、スファグノーグフ侯国奪還軍のトライフ提督とその参謀長カフィール千翔長の ボケとツッコミはなかなかおもしろくてよかった。 妙に真面目なボケをかます小杉十郎太がよい。 「情報局の連中はまさに猫の餌係にうってつけである!」というあたりが特に。

【DVDソフト】「星界の紋章」VOLUME6 バンダイビジュアル
 第11話「スファグノーフ門沖会戦」、第12話「惑乱の淑女」を収録。
 スポール・アロン=セパクト・レトパーニュ大公爵・ペネージュ準提督登場。 全3巻の原作を13話に押し込めるというこのシリーズの中でも、 これだけの出番を与えられるスポール準提督の影響力とインパクトはやはりすごい。 ほとんど「趣味」で戦争をやったり、意識はしてないのだろうが、 ネチネチとクファディス参謀長をイビったり、時折見事なボケをかますあたり只者ではない。 作画も彼女の出るあたりは妙に気合入っていてスタッフの「やる気」が感じられる。 一説にはラフィールより人気があるそうだが、さもあらん。 深見梨加氏の驕慢ながらどこか少女じみた演技もよい。

【DVDソフト】「星界の紋章」VOLUME7 バンダイビジュアル
 第13話「天翔る迷惑」、放送前の特番を収録。
 いよいよ最終話。時間的には2話分弱のあるが、 やはり「駆け足」という印象がぬぐえない。 12話まではそれなりに収まっているのだが、 やはり標準サイズ全3巻の原作を30分13話に収めるのはかなり無理があったと見える。 決して悪くはないのだが、「3年後」のフォローがしっかりなされた割りには、 スポール準提督率いる艦隊に救われたジントとラフィールとスポール準提督のとのやりとりが、 かなり端折られていたり、帝宮で行われた皇帝およびクリューグ王との謁見、 ラフィールが翔士になるための「上皇会議」がすっぽりぬけているあたり、 「一番大事なところカットしてどうする」という気がしてならない。 DVD収録時に、せめて時間を増やしてそのあたりを補完してほしかったのだが…。 やはり無理だったのか。 これでは原作知らない人にはアーヴの面白さが半減するのではないかと思う。
 続編「星界の戦旗」が春からアニメ化らしいが、 このあたりはちゃんとふまえて作品作りをしてほしいものだ。


21-Dec-1999

【DVDソフト】「デュアル!ぱられルンルン物語」Vision007 パイオニアLDC
 第13話「ザ・ワールド」
 スペシャル版の第14話「ファイナル・フロンティア」を収録。
 TV放送時は13話で完結しており、 これはこれでいいと思っているのだが、統合された2つの世界の「その後」を見せてくれるというのは結構なことだ。 まあ、もともとそういう意図があったのではあろうが。 スペシャル版は完全に13話ラストの後日談であって、それ以上の何物でもない。 13話まで観た人へのいわば「おまけ」で、所々に笑える要素を詰め込んで、 おっさん・おばさん連中は面白かった…特に鮎子…のだが、 一樹らの若い連中はいまいちだったかと思う。 それと13話ラストで「統合した2つの世界」の無理がいささかあるなぁ、とも感じる部分が見受けられ、 そこには少し興ざめしてしまった。 続編が作られるとしても、この「無理」をねじ伏せるほどの面白さがなければ、多分ダメだろうなぁと思う。 「天地無用!」も大概無理なところがあるのだが、あれはキャラがしっかりしていたからいいのであって、 「デュアル!」はそのあたりの弱さに問題があって、少なくともスペシャル版ではそれが解消されていなかったのが残念である。


22-Dec-1999

【LD】スタートレックIV 故郷への長い道(STAR TREK IV THE VOYAGE HOME) パイオニアLDC
 1986年パラマウント。
 前作に引き続き、Mr.Spockことレナード・ニモイの監督作。 地球を破滅から救うため、21世紀に絶滅したザトウクジラを求めて20世紀の地球にタイムトラベルした カーク以下エンタープライズクルー。TVシリーズでも「危険な過去への旅」などタイムトラベルものはあるが、 これはクルーの文化的ギャップによる騒動で笑えるため、かのエピソードほどの重みはないが、 なんといっても巻き起こす騒動の数々が楽しい。 好き好きはあろうけれど、やたらと壮大になって肩肘張った印象のあった前3作より楽しめる作品である、 個人的にはスタートレックシリーズの劇場版では一番好きだ。 前作との関連性もあるけれど、単体でも十分に楽しめる良作。
 吹替版は前3作までと異なり、オリジナルの声優とは一新されており、 少々違和感がぬけなかったのが残念ではある。

【LD】スタートレックV 新たなる未知へ(STAR TREK V THE FINAL FRONTIER) パイオニアLDC
 1989年パラマウント。
 カーク船長ことウィリアム・シャトナーの監督作品。 中立地帯の惑星ニムバスIIIで起こった反乱によって、連邦・クリンゴン・ロミュランの領事たちが反乱者たちの 人質になってしまった。休暇中のクルーたちが急遽呼び戻され、整備途中のエンタープライズでニムバスに赴くが、 反乱の首謀者サイボックはスポックの兄であった…という展開の話で、 最終的には「神」を求めるという大層壮大なストーリーである。 STの劇場版には「奇数はハズレ。偶数は当たり」ともいわれているが、 この作品は必ずしも「ハズレ」であるとは思わない。 シャトナーの初監督作品でいささか「やりすぎ」な展開と演出が目につくけれど、そう悪くもない。 ただ、大層なストーリーとそのオチはいいとして、大仰なわりにメリハリに欠ける流れのため、 どこで盛り上がっていいのかが分かり難かった。
 「IV」の吹替版とはまた異なる声優陣による吹替えで、今度のは「IV」よりも違和感バリバリ。 普通の映画なら然程気にならないことなのかもしれないが、 やはりSTはTV版のイメージが強く、それと声が異なると無茶苦茶「変に感じる」のであるなぁ、と再認識した。


26-Dec-1999

【LD】スタートレックVI 未知の世界(STAR TREK VI THE UNDISCOVERED COUNTRY) パイオニアLDC
 1991年パラマウント。
 クリンゴンの資源衛星プラクシスの突然の崩壊によってクリンゴンの経済は極度に悪化した。 この危機に宰相ガウロンは連邦に対して経済援助を申し込む。 これに対する見返りとして連邦との和平条約を締結するという。 かつてクリンゴン人によって息子を殺されたカークは 心ならずもガウロンをエスコートすることになるが、 その途上、ガウロンが暗殺され、その容疑がカーク、マッコイに掛けられた。 スポック以下のクルー、今やエクセルシオール艦長となったスールーらは彼らを助けるべく活動を開始する… という粗筋。
 オルガニア条約により中立地帯が設定されていたとはいえ、 敵対していた連邦とクリンゴンが和平を結ぶという歴史的な事件によって TOSメンバーによる劇場版は最終作となる。 事件の大きさの割に大規模な艦隊戦があるわけでもなく、 むしろミステリ的な要素の強い作品。 TVシリーズの2時間スペシャルのような色合いがあって、劇場版にしては派手さは抑え目だが、 各キャラクターがそれぞれ活躍していて、悪くない仕上がり。 ラストで主要キャストのサインが出てくるあたりが「カーテンコール」みたいでよい。


Author : suita@terra.dti.ne.jp