STAR TREK : DEEP SPACE NINE ─スタートレック ディープ・スペース・ナイン 5th SEASON |
#99 "APOCALYPSE RISING"─可変種の脅威 第二幕(後編)
クリンゴン総裁ガウロンの演説を聞いたオドーは、ガウロンが可変種であるという。
その真偽を確かめ、もし事実ならばその野望を止めるため、シスコらはクリンゴンの本拠地へ赴くが…
第4シーズンファイナルである前回からの「つづき」エピソードです。
アルファ宇宙域の危機を回避するためにクリンゴンの本拠地へ赴く、シスコ、ウォーフ、オブライエンそしてオドーですが、
ウォーフ以外はクリンゴンに変装しています。これがまた妙に似合っていて、特にシスコは似合いすぎなくらいです。
話としては危機とどんでん返しがあって一応まとまっていますが、前回からの続きエピソードとしては
こじんまりまとまりすぎているような気がします。もう少し風呂敷広げてもよかったかと思います。
ガンマ宇宙域の惑星を調査していたシスコらの所に突然宇宙船が墜落してくる。
それはジェムハダーの戦艦であった。シスコは研究のためにその船を回収しようとするが、そこにジェムハダーが現れ戦闘状態となる…
袋小路に追い詰められて閉塞空間の中で緊張感が高まる、というエピソードで戦闘はあるものの、
どちらかというと仲間内での諍いの印象が強い話でした。
もし互いの信頼があれば…ということで双方が失うものの多い事件なわけですが、
あの状況下ではどこをどうしても信頼は出来ないだろうなあ、とは思います。
DS9にクリンゴン女性が現れた。かつて家を守るためにクワークと結婚したグリルカ。
ウォーフは彼女を一目みて心奪われるが、その想いを告げることが出来ない。
一方クワークはグリルカへの求愛のためにダックスとウォーフに協力を求めるが…
一応は休戦したとはいえ戦争中のクリンゴンが連邦側のステーションに来るという情況に違和感を感じないでもないし、
結局一体何しにきたのかよくわからないのはさておいて、クワークとグリルカのロマンスかと思ったら、
それにウォーフとダックスが加わり、それとは別にオブライエン家での微妙な関係など、
全体的にラブコメ騒動となっていて面白かったです。
しかし、ダックスとウォーフは…いつフラグが立ったのでしょうか。
ベシアの記事を書くため、彼に同行していたジェイク。DS9への帰途、救難信号を受けた彼らはその惑星に赴いた。
そこはクリンゴンの襲撃を受けた戦場。絶望的な情況の中で医療の手伝いをしていたジェイクは…
初めて戦場に赴いた青年が雄雄しく戦う、というのはありがちですが、
そうはいかないのがDS9でして、実際民間人であるジェイクは戦場で右往左往します。
現実世界でもそういう状況に陥った場合、私もジェイクのように、あるいはそれ以上にパニックに陥り悲惨な情況になるかもしれません。
いつもはそう勇敢とは思えないベシアは任務を果たすために命を懸けますが、ジェイクは逃げます。
普通なら前者が称揚されるところですが、このエピソードではあくまで後者にスポットライトがあたっており、
それだけに重苦しい話なのですが、勇敢な士官ではなく普通の若者の行動ということでむしろ説得力があります。
最後も安易な救いではなく、勇気のあり方を見つめるということでいい締め方ではなかったかと思います。
ベイジョーの調査から戻ったケイコ。しかし彼女は謎の生命体に体を乗っ取られていた。
ケイコを乗っ取った生命体はケイコを人質としてオブライエンにDS9への改造を命ずるが…
ワームホールの予言者という存在が封じ込めたという生命体が出てきて復讐を挑むというのはいいのですが、
予言者という存在がどのようにベイジョーに関わったかよくわからないので謎の生命体がどういうものだったのか
いまいちよくわかりません。
さらにいくらケイコを救うためとはいえ、ロムをスケープゴートのようにして、最後は昇進させるからいいようなものの、
なにか釈然としないところが残ったりします。オブライエンがロムに謝る描写でもあればまだよかったのですが。
それはそれとして、ケイコ役の人大活躍。無茶苦茶ヤなやつという感じの演技がなかなかよかったです。
シスコは連邦時間調査課の訪問を受ける。彼らはシスコらがディファイアントによるタイムワープの件を調べに来たのだ。
シスコは23世紀に赴き関わった事件について語り始める。それは当時のエンタープライズも関わった事件だった…
スタートレック30周年記念エピソード。TOSの「THE TROUBLE WITH TRIBBLES(邦題:新種クアドロトリティケール)」の
話にDS9の話を上手く融合して非常に楽しめるものに仕上がっています。
TOS時代の面々とDS9のクルーが遭遇した場面が思ったより自然で驚きます。
吹替えの声優さんについても、カーク、チャーリー(スコッティ)そしてウラについてはオリジナルの吹替えの人だったのも
うれしい。特にウラ中尉の松島みのりさんは往時とあまり変わっていないので驚きです。
「THE TROUBLE WITH TRIBBLES」もコミカルで非常に笑える話なのですが、それを見た上でこのエピソードを見ると、
さらに笑えます。事件自体はそう大したものではないのですが、
DS9クルーのTOS時代のコスプレや、過去の人物との遭遇やクリンゴンの容貌の変化についてのウォーフの
「それは外部のものには言わないことになっている」という台詞など爆笑ポイントが揃っていていい感じです。
変に立派な話を作るのではなく、このようなエピソードを30周年エピソードにするとは
スタッフもなかなか分かってますね。
ダックスとウォーフが娯楽の惑星ライサに行くことになった。それを聞きつけたベシア・リータそしてクワークも同行することになる。
ダックスたちはライサを楽しもうとするが、一人ウォーフだけはそれに乗り切れない。
そんな時、彼の前にある男が現れる…
TNG以降、休暇といえばライサに行くという話が出てくることがありますが、
今回は一番似合いそうもないウォーフが行くことで一波乱、ということになりますが、
痴話げんかと連邦の現状の打破を訴える不平分子転じてテロリストの話に終始していて
もう少しなんとかならなかったのかな、という気がします。これはこれでいいとは思いますが、
いっそ遊びなれてないウォーフが思想がかったものではない騒動を起こすコメディとかのほうが
素直に楽しめたような気がします。
ベイジョーでの会議からDS9戻る途中だったシスコ、ダックス、オドーそしてガラック。
彼らは突然意識を失いDS9に収容されるがいかなる刺激に対しても目覚めない。
彼らの精神は過去のDS9…テロック・ノアに移動していたのだ…
暗くて重くてなんとも言い難いエピソードなのですが、
ここまでオドーをいじめなくても、という気がします。
邦題の「秘められた過去」というのは内容をしっかり言い表してはいるものの、
最後の方で皆が揃いも揃ってオドーを責めさいなむ姿、というかオドーが責められる姿が見ていて痛々しかったです。
ノーグが候補生としてDS9へ実習に戻ってくることになった。ジェイクは彼のルームメイトとなることに。
一方、オドーはクワークを連邦大陪審へ護送することになり…
望む望まないの別はありますが、二人の人間が同居あるは同じ苦境に陥り問題が発生というエピソードです。
友人同士でありながら、生活を共にすることで互いの欠点が見えて仲たがいするジェイクとノーグは、
青春ドラマとしてはよくありそうな話で、まあこんなものでしょうが、やはりこのエピソードのメインである、
オドーとクワークの遭難の方に目をやるべきでしょう。
いつもは喧嘩ばかりしていても、いざとなれば互いを思いやる姿はありがちですがなかなか面白かったです。
ただ、「Lクラスの惑星」で「生存には不適」というわりにただの冬の山岳ものになっているのは
いささか気になりました。
失われたベイジョーの古代遺跡探索のための暗号が記された絵画が戻ってきた。
それを元に古代遺跡を探そうとするシスコ。その最中、ホロスイートの事故に会う。
そのことにより彼はあるヴィジョンをみるようになり…
このエピソードからいきなりユニフォームが替わり少し驚きます。一層軍服っぽくなりました。
それはそれとして、ベイジョーが連邦に加盟することが決まる中、
ある種のトランス状態になったシスコが「選ばれし者」として活動を始めるのはいいとして、
あれだけではただ電波をうけただけ、っぽくていささか戸惑います。
結局はそのヴィジョンは失われるわけですが、連邦とベイジョーの間に一石を投じることで
余計に情況をややこしくしただけのような…。
瑣末なことですが、このエピソードでイェイツ船長が復帰しますが、マキの関係者であるにも関わらず、
たった6ヶ月で釈放とは連邦も余程寛大と考えるべきなのでしょうか。
かつてキラのレジスタンス仲間であった男が殺害された。「これで一人」という謎のメッセージが届き、
次には別の女性が殺害される。次々と仲間が殺害される中、キラは真相を探るが…
ベイジョーとカーデシア、二つの星の間には占領という事件で結びついていますが、
決して輝かしい記憶ではありません。ベイジョー側からすると独立を求めるためにあらゆる手段をとりますが、
それはベイジョーにとっては「正義」であっても被害にあったカーデシア側からすれば「悪」でしかない。
戦争というものはそういうものだということは分かりきっているのに傷はなかなか塞がりません。
そういうことを考えさせられるドラマではあるのですが、「なんで今頃?」という気がしないでもありません。
というか、妊婦の身でアクションしなくても…そういう面でもはらはらしました。
「一人また一人…」ということならもう少しサスペンス色を強くしたほうがより楽しめたように思いました。
いよいよキラの臨月が近づいてきた。一方、クワークはオドーにある商品を売りつける。
それは流動体生物の赤ん坊だった。オドーはその流動体生物を育てようとするが…
かつて生物とは認識されずにあらゆる実験の材料とされたオドーと実験をしたモーラ博士。
二人の間には、というよりオドーからモーラ博士への感情はある種のしこりがあり、
それはこれまでいくつかのエピソードで語られています。
今回は同じ…厳密には「固形種」となってしまったので「元は」となりますが、同じ種族の存在とであったオドーが
「親」として接する内に、モーラ博士へのわだかまりが消えていき、最後は和解するわけですが、
そこにいたるまでの経過がなかなか上手く描けていると思います。
日頃は感情を表に出さないようにして冷徹に見えるオドーが「親」として「子供」に語りかけ、その姿に一喜一憂し、
モーラ博士のみならず、クワークとも祝杯を挙げようとする姿には微笑ましいものがありますが、
それによって最後の最後がより切ないものとして仕上がっています。
オブライエン夫妻の子を身ごもったキラが出産し、新たな命が生まれる描写はややコメディ色が強かったりもしますが、
最後にキラが自分の生んだ子を離したくない、という母親のような心情を吐露するあたりと含めて、
「親と子」というものについていい話が出来たと思います。
バッドランドに暗躍するマキ。シスコらはエンディングトンの指揮するその部隊を押さえるために活動するが
全てが後手に回る。苛立つシスコが取った手段とは…
連邦を裏切ったエディングトンが再登場。マキの指揮官としてシスコら翻弄するその手段はなかなかのものですが、
それ以前にシスコや別の指揮官らがどうも間抜けにしか見えません。
演出上わざとやってるのか?と思えなくもないですが、
指揮能力云々はともかく、最後の最後でとったシスコのやり方は立派な「悪役」で、
これまで「テロリスト」として描かれていたマキといきなり立場が入れ替わっていたので戸惑いました。
あの魚雷がダミーで何らかの救いがあるのかと思いきや、本当に居住不能にするとは…エディングトンを軍法会議にかけると
息巻いてたのに、あれじゃあ却ってシスコ自身が軍法会議もののような。
それとも艦隊はそれを許容するような組織になってしまったということなのか。
単純に比べてはいけないとは思いますが、もしピカード艦長だったら…と思ってしまいます。
なにかこうすっきりしないエピソードでした。
ガンマ宇宙域から発せられたカーデシアの信号。
解読を依頼されたガラックはそれを単なる観測報告と言うが、実はその信号はエナブラン・テインの暗号だった。
テインを救う為、ガンマ宇宙域へ向かおうとするガラックにウォーフを同行させるシスコ。
しかしガラックとウォーフはジェムハダーに捕らわれてしまう…
因縁深いガラックとテインの関係が明かされ、少しすっきりする一方、戦争の気配がじわじわと感じられるエピソードです。
娘の心配をするデュカットがただの父親っぽくて少し微笑ましいですが、それはそれとして、
以前のエピソードでクリンゴンのマートク将軍がニセモノだと分かっていたのでドミニオンの捕虜として
彼がいるのはいいのですが、いきなりベシアが出てきたのにはびっくりです。
しかも「RAPTURE(邦題:預言者シスコ)」でユニフォームが変更されてますが、
捕らわれていたベシアはそれ以前のものを着用。ということはここ数話のベシアはニセモノだったということに…
なにがどうなってるのか混乱するエピソードでした。
ワームホールより次々と現れるジェムハダーの艦隊。そして彼らはカーデシアへ向かう。
カーデシアはデュカットの指導の下、ドミニオンと手を結んだのだ。
一方、捕らわれのウォーフ、ベシアそしてガラックはジェムハダーの基地からの脱出を試みるが…
急展開の後編なワケですが、何をおいてもDS9に集結するクリンゴン、連邦そしてロミュランの大艦隊が圧巻。
実際にはこのエピソードで戦闘は起こらないわけですが、それぞれ敵対し合うアルファ宇宙域の代表勢力が
強大な敵を前に力を合わせる、というシチュエーションはなかなか燃えます。
捕らわれメンバーの方の脱出劇も悪くはないですが、ついに勢力の均衡が崩れたアルファ宇宙域の情況などを含めると
ややありきたりに見えます。しかしデュカットがここでこう展開するとは正直驚きます。
ホログラムドクターの開発者、Dr.ジマーマンがDS9へやってきた。
ホログラムドクターの新しい素材としてベシアの情報を使うためだ。
ベシア本人は言うに及ばず、同僚や友人たちへ次々とインタビューするジマーマン。
そして彼が最後に呼び寄せたのはベシアの両親だった…
邦題の「ジュリアンの秘密」というので既にバレバレではありますが、
ジュリアン・ベシアという存在が抱えていた秘密が白日の下に晒されます。
なんというかこう重苦しい話であり、ラストもすっきりしないエピソードでした。
これまでDS9のクルーにはそれぞれ過去の秘密があり、それが暴かれるというパターンがありましたが、
ついにベシアの順番になったということでしょう。
しかし、「過去の罪」というので矢鱈に痛めつけるというものばかりというのはいかがなものか。
しかも、このベシアの設定はどうも後付けっぽい感じがしてなりません。
意欲に燃え、能力はあるが少しぬけている、というドクターでも十分な気がします。
DS9で殺人が起こった。犯人は何者かを捜しているらしい。
一方オドーはクワークのバーで一人の女と出会う。その女性、アリッサとオドーは次第に親しくなっていくが…
題名という展開といい、さらに後のエピソードなどの知識があったりするので
オドーの恋の行方が確実に明るくないと思うと暗澹としなくもないですが、
引き際というかオチがまあ綺麗にしまっていたので悪くなかったと思います。
出来れば途中の展開をもう一捻りしたらもう少しミステリアスな雰囲気が楽しめた気がしますがまあこんなものかも。
オドーのキラに対する想いがどうなったのか?という大きな疑問がありますが、そういうのをいうは野暮なんでしょうかね。
微妙に不機嫌そうなキラの態度をみるとこのあたりにはそろそろオドーを意識していたとみるべきか。
借金で首が回らなくなったクワークの所にやってきた従兄弟のゲイラはクワークを商売に誘う。
それはホロスイートを利用した武器売買だった。
武器売買のパートナー、ハガスは金のために無差別に商売をしようとするが…
フェレンギは金のためならなんでもする。例え親兄弟を売り払っても…というのはTNGのときよりDS9になって顕著になった傾向の
ように思いますが、作中でフェレンギを代表するクワークが2800万人の虐殺を前にして自分の良心と対決するというこの話は、
この時点で5シーズン続いたDS9ならではの「キャラクターの変化」ともうけとれますが、
やや直球過ぎるような気はしました。とはいえ下手に変化球を投げて大外しするよりはいいとは思います。
反政府運動を行っていたカーデシアの評議員ガモールがDS9へやってきた。
彼は親交のあるキラと再会するが、実は病に冒されていた…
「SECOND SKIN(邦題:恐るべき過去)」で登場したガモール。
カーデシアの罠により父娘と思わされたキラとの間に暖かい交流があったものの、
デュカットの登場によりそれが覆される。
キラは相変わらず感情的です。それはいいのですがもう少し葛藤をみせるような演出をしたほうがよかったと思います。
キラは以前自分の父の最期を看取ることができずそれがトラウマになっていた、というのは十分に伝わりますが、
ベシアに後押しされないと動けないというのはいささかいただけない。
最後が少しバタバタした感じで題材はいいのに少し勿体ないですね。
リータと結婚することになったロム。一方、不運続きで落ち込むクワークはフェレンギの母の元に戻る。
しかしそこに居たのは母イシュカだけではなかった。そこに居たのはグランド・ネーガス・ゼクだった。
二人は恋に落ちたといい、クワークを困惑させる…
ロムとリータのマリッジブルー騒動はほんの刺身のつまで、本筋はクワークとその母、そしてゼクを巡る騒動です。
前のエピソードが「親子もの」といえばいえるのですが随分と重い話だったのを考えると随分軽いというか
コメディタッチのエピソードでかなり笑えます。
しかしその騒動の行き着く先はフェレンギ帝国の行く末を左右するというものすごい大きなものというのが
その笑いを倍加させてくれます。フェレンギものはキャラクターが上手く作れているせいかかなり楽しめるものがありますが、
中でもクワークとロムの母イシュカは出てくるたびに笑わせてくれます。
それにしてもクワークは「典型的フェレンギ人」として出てきたにも拘らず、
「典型的でないフェレンギ人」である弟やフェレンギの伝統に外れまくっている母、そして甥は宇宙艦隊への道を歩むなど、
その一家は全然フェレンギ的でないというのが皮肉というかスタッフの狙いなのか悩むところです。
DS9に滞在するマートク将軍に下された命令はカーデシア宙域近郊で消息を絶ったクリンゴン艦の捜索。
将軍はウォーフに同行を望み任務に付くが、その艦はドミニオンとの戦闘に敗け続けクルーは意気消沈していた…
クリンゴンもの。DS9のクリンゴンものといえばどうしても帝国内の陰謀やドミニオンの策謀、そしてウォーフ登場以降は
彼がなんとなくかわいそうな目にあうという印象が強いものが多いのですが、これは比較的ストレートなものでした。
難点を挙げればクリンゴンがこれまでのクリンゴンに比べて「いい人」というかやや軟弱とも思えるような所が散見されるところですが、
疑って疑って最後の最後に悲しい思いに浸るよりストレートな話も悪くありません。
要所要所でジャッジアが出てくるのがいいのか悪いのか微妙ですが、
前エピソードでフェレンギだけの群像劇をやったのだからいっそクリンゴンのみでやっても面白かったかもしれません。
ただ、それだと「人間」には非常に判りにくくて不親切な作りになってしまう可能性も大で…演出というのは難しそうです。
特異な惑星を発見したたシスコらはディファイアントにて調査に赴く。
そこにいた人々は自分達をその惑星で遭難したディファイアントのクルーの子孫だという。
ディファイアントはその惑星から離脱する際に200年前に飛ばされたというのだ…
いきなり出てきた惑星の住民が「私たちはあなた方の子孫です」といわれればなんとなく疑うのでは?
と思いましたが結構あっさり受け入れたあたりは少し気になりましたし、
48人のクルーが200年で8000人に増えるのか?という疑問やそもそもタイムパラドックスはどうなってるのだ?
とかいろいろ細かいツッコミ所はあります。しかし200年の時を越えた想いやそれぞれの葛藤、
そして消え行く事を受け入れつつも苗を植える人々とそれを手伝うシスコらの姿の演出が良くて段々と気にならなくなってきます。
クリンゴンごっこしている連中も含めてその惑星で「戦う」人々の姿と悩むシスコらは久々にいい話を見たと思えます。
最後の場面でオドーがキラに打ち明けた事実は非常に重く、いつも報われないオドーらしいといえばそれまでですが、
本当に辛い道を歩む男です。