Hand Book of India

【Indian Cigarette Collection 1978】

学校で使用される環境教育用のイラスト

 僕の経験では、インドでは一般的に「タバコを吸う人は悪い人」というイメージが濃厚です。シーク教徒やジャイナ教徒をはじめ、菜食主義者などは宗教的に禁煙です。

 酒と並んでタバコの課税率はめちゃくちゃ高く、紙まきタバコは高級品。一箱買いできるのは中産階級くらいで、庶民は一本ずつバラで買っていろんな銘柄の味を楽しみます。さらに安いビディ(葉まきタバコ)も人気があります。左図のように、狭い室内やレストラン内での喫煙は注意が必要です。庶民はもっぱら野外で一服。一箱買いができる外国人は「金持ち」とみなされて、よく「もらいタバコ」の標的にされましたが、これもひとつのコミュニケーションなんですね。ここで紹介する1970年代の紙まきタバコのパッケージは、現在40歳以上のインド愛煙家にとって、たまらないなつかしをそそるコレクションかもしれません。

ここで紹介するタバコのパッケージ全52銘柄は、

初インド行(1977年10月〜1978年4月)で全国主要観光地を旅したときに集めたものです。

近年では経済自由化政策によって世界的にメジャーな外国たばこ席巻されつつありますが、

当時のタバコのパッケージにはユニークなデザインが多く、味わいがありました。

ただこれらの多くは、カルカッタを本拠とするW.D.&H.O.WILLなど、

都市の大企業による生産が大半で、往年の社会主義経済の影響が垣間見えるようです。

名称やデザインも大英帝国時代のなごりを感じさせるものが多く、

イギリスでおなじみの銘柄のコピーかもしれません。

イギリスのたばこ事情に詳しい方がいらしたら、是非いろいろ教えてくださいね。

インドの紙まきタバコのパッケージには、左の注意書が必ず印刷されています。「百害あって一利なし」のタバコにたいして、宗教的な伝統に根ざした大麻の喫煙は多くの州で「非合法」とはいえ、聖地バナーラスやオリッサでは、州政府公認の販売店があったりします。