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母(人間):「子牛はかわいそうに、病気で死んじまったよ。獣医さんが子牛の張り子があれば、母牛のミルクが枯れないと言ってたから。 勘弁してくれろ。あんたにゃ、たんとミルクを出してもらわなあ、家もこまるんじゃけえ」 母牛:「もう少しの辛抱だよ。あんたにゃあ、あとでたっぷり母ちゃんの乳を飲ませてあげるからねえ」 子牛:「・・・・・・・」 |
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ある日、パッタマンガラム村のメイン・ストリートにあるアンナラニ茶店の裏手で、死んだ子牛の張り子を見た。 子牛の皮を剥がして、中にワラを詰めて生前の姿を模している。 つい先日までつやつやしていた毛並みはカサカサに乾いて、どう見ても屍(しかばね)でしかないが、母牛は、これを子供と思ってミルクを出し続けるという。 |
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左の絵は、子牛の張り子を自転車で運んでいたシーンのスケッチ。 どこへ持ち去ったのか?は定かではない。まさか、別の母牛の所に持っていくのではあるまいか? それとも、張り子作りの業者が納品する途中だったのか? 酪農に詳しい方がいらしたら、是非教えてくださいませんか。牛って、これほど賢くない動物なのでしょうか? 母牛:「おっちゃんよー、あたいの可愛い子をどこへ連れていくんじゃあ!」 子牛:「・・・・・・・」 母牛はどこまでも後をついていった。 (以上、緑色の部分は創作でした) |