インドの『生き物たち』 「山羊特集」 2000-10

マニカム食堂の山羊 1984 Pattamangalam

マトン(羊肉)は、インドでもっともポピュラーな食肉です。菜食主義にこだわらないヒンドゥー教徒やイスラム教徒にとって、宗教的にこれといった規制がなく、一番安心して食べられる安価な肉なのです。最も高価な肉はチキン。ポーク(豚肉)は穢れたものとされているので、一般的にはまず食べません。

左はパッタマンガラム村のマニカム食堂内で飼われていた山羊。ある一定の期間、餌をやって肥えらせてから、調理場で潰してマトンカリーとなってしまう哀しい運命(さだめ)のもとに生まれてきたのです。ちなみにお値段は一頭200ルピー(1983年当時)。新鮮なマトンは本当に美味な食材です。内蔵や血液、脳ミソもカリーも珍重されています。足はスープのダシをとるときに使われたりします。

もうすぐマトンになる山羊 1983  Pattamangalam

山羊 1983  Pattamangalam