インドの『男性』スケッチ 99-11

Monoranjan 1983 Calcutta GPO

ムルガン行者の少年 1983 Kunnakudi

 モノランジャン(20)は、カルカッタでいろいろ世話になった恩人です。中央郵便局前で諸々の郵便業務を請け負う仕事をしています。

 カルカッタ郊外にある彼の住む村にも数日滞在したことがあります。拙著「インドを食べる」の表紙イラストは、彼の奥さんです。

 はじめ彼を見た時はギョットした。舌に三又鉾を突き刺す苦行をして施しを乞う。名前を尋ねると「ムルガン」と名乗った

 彼は、南インド・タミル地方の少年神ムルガンと自分を同一視しているのだ。方々の祭を巡行しているらしく、その後、会う度に表情は和らいでいったが、この絵の顔は苦痛に歪んでいる。

Rickshaw Wara 1983 Calcutta

 カルカッタの安宿街サダル・ストリートの裏にある安食堂でパロータと野菜カリーを食べる人力車夫イハールさん。

 普段は、チャパティをチャイに浸して食べている姿をよく見かけましたが、この日は、よほど身入りが良かったのでしょうか。

 インド人の食事風景を描くのはこれが初めてだったので緊張しました。

 この絵は、拙著「インドを食べる」第2章扉絵として掲載。