インドの『女性たち』 99-11

Paiyan(10) 1983-8-21 Madras

お婆ちゃん 1983 Calcutta Howrah STN.
 マドラスのパリス地区の海風が吹き抜ける道端でひと休みしていた時、ふと視線を感じて振り返ると、そこに少女パイヤンがいました。彼女の刺すような野生の瞳に惚れ込んで、一気に描く。絵を見せて返ってきた笑顔は、10歳の子供そのものでした。あの鋭い視線はどこから沸き上がってきたのでしょうか。  旅のはじめ、カルカッタのハウラ駅のホームでマドラス行きの列車を待っているときに、バクシーシを請求されたお婆ちゃんです。40パイサを喜捨。はじめは物乞いかなと思っていましたが、褪せた黄色のマントに身を包み、額に3本の縦縞模様。おそらくヴィシュヌ信仰の巡礼行者でしょう。なんとなく、品があるので、もしかしたら実は大金持ちかも。

Savitha(6) 1990 Madras

 サヴィタちゃんは、インド料理店「アジャンタ」の親友マニさんの友人サンパット氏の娘さんです。

 わずか6歳なのに、そのほとばしる「女性」は、日本の17歳くらいかな?可愛らしさを越えて妖艶な美しさがある、とびきりの美少女です。

 1999年の正月に再会したらすっかり成長して、本物の「女」になっていました。

 父親のサンパット氏は、マドラスで貿易商を営むブラーミン階級で、結構なお金持ち。家では純菜食主義ですが、僕の泊まる宿にくると、酒をあおぎ、マトン・ビリヤニを食べる、ケッタイな非常識ブラーミンに変身してしまうのでした。