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ここ数年「さわったものがくれるもの」と題して展覧会を行っている。
仕上がった作品は抽象的な形態をしているが、制作を始めるにあたりモデルが必要である。 それはたとえば、花であったり、食べ物であったり、人体であったりする。 それらを見て感じる感動。 また、見るだけではもの足りず、触ってみたり、食べてみたりすると、さらに与えられる発見・喜び・感動。 絵画というのは「色とかたち」である。 この二つを使って、自由をキャンバスに表現することができる。 モデルはそのための手がかりとなる。モデルをたよりに制作し、新しい世界を「色とかたち」でつくるのだ。 制作するという作業のなかで、モデルは私にとって必要なものであるが、出来上がった作品の画面 にそれを探すのは意味のないことだ。 私は私の作品の中に「ゆるんだ状態」を表現したいと思っている。 うれしい、美しい、おいしいなどの感動を感じると、体全体が解放されゆるむ。その瞬間・状態を大切にしたい。 (立石有美) [会場コメントより引用] |
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