Maria Callas "Carmen"
で、とりあえず最初にマリア・カラスの「カルメン」を紹介しましょうか。管弦楽組曲でおなじみだし、いろいろ聞き所があるのも確かです。なんのかんのといってもカラスのドラマチックな表現が聞きもの。でも個人的にはミカエラを歌っているギオーにも魅力を感じています。第一幕のホセとミカエラの2重唱において、幼なじみのミカエラがホセに「あなたのお母さんから、あなたへのキスを私が代わりにしてあげるように言われたの」と伝えるわけですが、ここでのギオーの声の可愛さはなかなかのものです。この可愛いミカエラを放ってホセはカルメンになびくものの、結局はカルメンから袖にされ、激情にかられてカルメンを殺害してしまうという物語です。カルメンは、このほか多くの録音がありますから聴き比べも楽しいですね。
イタリアの2番手はプッチーニ。世界中のオペラ劇場のドル箱の一つ、プッチーニの旋律の美しさは特筆もの。専門家に言わせると、ドビュッシー風の新しい和声の技巧や、エキゾチックな音階の使用などを大胆に取り入れる器用な人だそうです。この人も作品が多い。日本でも、蝶々夫人ですっかり有名ですが。プッチーニは、「ラ・ボエーム」「蝶々夫人」「トスカ」あたりにしておきましょう。最後の LA RONDINE は、あまり有名とはいえない「燕」。アンナ・モッフォの妖艶さに惹かれて、つい手が出てしまった。
(1)ラ・ボエーム(2)蝶々夫人(3)トスカ(4)燕