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1993.7.1 マツハヤ・リアル・リゾート

 曲:

大滝詠一/ペパーミント・ブルー

売野: えー、こんにちは、売野雅勇です。今月は、かくようにすばらしいゲストの方をお迎えしました。この方です。

大滝: どうも、みなさん、あけましておめでとうございます。大滝詠一と申すものでございます。

売野: (笑)。

大滝: がなー。

売野: えぇ。えーっと、この方はですね、本物の大滝詠一さんですけどね(笑)。

大滝: (笑)、ねぇ、そういわないと。

売野: (笑)。

大滝: えー、実はいろんな人格があるんでして、どの人格で出ようかなと思ったんですけども、失礼いたしました。

売野: あの、「ロング・バケーション」の大滝詠一さんです。

大滝: そうですね、そういう「ふり」を入れないとね、ほとんどわかっていただけないという(笑)。もう、いまや、ポップス界の化石となってしまいましたところの男でございますけども。

売野: あの、福岡は?

大滝: えっと、福岡はですね、

売野: はい。

大滝: 前に行ったのは、81年の「ロング・バケーション」出たときに、

売野: (笑)、はい。

大滝: えー、プロモーションで、ラジオの出演をかなりやりました。

売野: あー、そうですか?

大滝: もう、6〜7本くらい出たんじゃないですかね。

売野: はぁー。

大滝: で、コンサートをやったことありますよ。

売野: あー、そうですか。

大滝: えーっとね、やっぱりこれも76年くらいですね。1976年ですから、

売野: えー、はい。

大滝: 今をさかのぼると、15,6,7,8年前に、

売野: 17年前ですね。

大滝: 福岡電気ホールとかいうところあります?あぁ、うなずいていますね、ディレクターの方も。

売野: えぇ。

大滝: あのー、そこでやってね、ミルク飲みながらやって、ミルクこぼしたのもその人だったかな?

売野: (笑)。

大滝: 待てよ。電気ホールでやってたら、停電したんだったかな?いや、そんなことはないですけどね(笑)。それ嘘ですけども。あのー、やりました。あのー、お定まりのパターンとして、アンコールがあったときに、

売野: えぇ、えぇ。

大滝: 「この歌、歌いたいやつ誰かいるか?」っていうふうに、普通、みんないうじゃないですか。

売野: えぇ。

大滝: まぁ、それでスタートしたりする。で、アンコールを用意してなかったんで、「もう一度、今までやった曲の中から一番聴きたいものを」ということで、リクエストとってね、「誰か歌いたいやつがいるか?」っていったら、上がってきたやつがいる。

売野: (笑)。

大滝: で、それ、3ヵ所か4ヵ所でコンサートやったのね。東京、大阪、名古屋、福岡。

売野: えぇ。

大滝: 福岡だけだった、上がってきたのはね(笑)。

売野: (笑)。

大滝: やっぱり、その、土地柄というか、こういう。でもね、すっごい楽しかった。「楽しい夜更かし」っていう歌をね、いっしょに歌ったんだけど。

売野: ははぁー。

大滝: 10何年か経ってね、なんかやってるはずだな、仕事。業界に入ってるような噂を聞いたんだけど。

売野: あー、そうですか。

大滝: その歌った人がね(笑)。なんか、そういう間接的に聞いたんですけどね。

売野: えぇ。

大滝: 楽しかったなー。ファンといっしょに歌、歌いましたよ。18年ぐらい前ですけどね。そういう思い出が福岡にあって、非常に好きな街ですけども。

売野: あー、そうですか?

大滝: えぇ。

売野: 何か関係あるんですか?

大滝: なんにもないんですけどね。

売野: 何もないです?

大滝: うーん。なんか、こう、肌合いが合うというのか、

売野: えぇ。

大滝: なんか好きですね。

売野: はぁーん。

大滝: うん。

売野: 女の子はきれいだし。

大滝: 女の子はきれい、うーん。これはもうね、売野さんもそう思うでしょ?

売野: 僕も思いますね。はい。

大滝: 全国津々浦々歩いても、

売野: 歩いてみても。

大滝: やっぱり福岡ほど、こう、きれいな人がいる場所ってないですよね。

売野: そうですね。アベレージが高いですね。

大滝: 高い。アベレージね。北海道に番組持ってません(笑)?

売野: (笑)。

大滝: 持ってないか(笑)。なーんか、北海道でもそういうこといってないかなと思って、一瞬ちょっと聞いてみようかなと思ったですけどね。

売野: (笑)、札幌もかわいいですよね。

大滝: やっぱりねー。これねぇ、土地シリーズでずっとやんの?30分もつよ、このネタ(笑)。

売野: (笑)。

大滝: ストリート・アベレージってもんですかね(笑)。

売野: (笑)。

大滝: いいんですか、この番組は?こんなこといっといて。

売野: えぇ。

大滝: いや、ほんとに、だから、あのー、ここ10年ぐらいですかね、

売野: えぇ。

大滝: あのー、全く活動してませんけども。

売野: えぇ。あのー、毎日何をなさってるんですか?

大滝: なんにもしてませんけどね(笑)。1年に1度、山下達郎の番組に出るというのを、まぁ、このー、日課じゃないですね。年に、年課でしょうか。

売野: 年課。

大滝: えぇ。あのー、それをずーっと10年ぐらいやってますけども。

売野: えぇ。

大滝: だからラジオ番組で、

売野: はい。

大滝: あのー、山下達郎の番組以外に出るというのは、非常に珍しいケースというか、

売野: あー、そうですか?

大滝: うん。だから売野さんに、呼んでいただいて、

売野: 光栄ですね。

大滝: 呼んでいただいたんでね。初めてですからね、声かけていただいたの、えぇ。いつも理髪店でよく会うんですよ。

売野: そうですね。

大滝: 二人同じ場所でね(笑)。

売野: えぇ。

大滝: 同じとこ行ってるもんで。

売野: えぇ。

大滝: なんですけど、なんか、こういう仕事は一度もしたことがないんです。

売野: そうですね。

大滝: これが不思議に。

売野: えぇ。

大滝: いや、何度かはね、あのー、大ヒット作詞家ですから、何度かは依頼したことがあるんですけど、「忙しい」と断られたことが、

売野: また(笑)!

大滝: ないですけどもね(笑)。それもないんだけど。

売野: (笑)。

 曲:

大滝詠一/君は天然色

売野: 昔、あの、僕が編集やってましたころ、大滝さんの福生のお宅に伺いまして、

大滝: この、だから、ラジオ番組、もう何ヶ月間かあるでしょうけど、

売野: はい。

大滝: 売り野さんが、例えば、作詞をなさる前に、

売野: えぇ。

大滝: えー、編集者をしていたっていう話は、したことあります?ないでしょう?

売野: ないですね。

大滝: ほらっ。初めて明かされる衝撃の事実ですよ。

売野: (笑)、そんなことはいいんですけど。

大滝: 隠してたね。

売野: (笑)。

大滝: 隠すような過去なんて、過去じゃない。

売野: えぇ。

大滝: で、あれはいつでしたかね?79年ですよね。

売野: そうですね。

大滝: だから、編集者で、わざわざ自宅に来ていただいて。

売野: えぇ。

大滝: で、写真を撮ったりとかね、あのころは、お互いに全く、その、「将来はどういうふうになるのか」とかいうようなことはわからない時期だったんじゃないでしょうか?

売野: そうですね。大滝さんはそのころはもう、大スターでいらっしゃったから。

大滝: (笑)、よくいう!よくいうよ。切り返そうとしたところだった、これで。

売野: (笑)、僕は一介の編集者ですから。

大滝: 私はね、そのころ、全く仕事がなくなってね。あのー、なんにもしてない状態で、インタビューを受けたのは珍しいあれでしたよ。

売野: あー、そうですか。

大滝: うんうん。あのころ来てくれた人って、ほとんどいないんじゃないかな。

売野: あー。でも、大滝さん、あのころからあれですか?あのー、あんときはなんか、寡黙な方だった印象があるんですけど。

大滝: でしょう。

売野: えぇ。

大滝: うーんとですね、

売野: 機嫌悪かったんですかね?

大滝: いや、そんなことないでしょう。

売野: あー、そうですか。

大滝: うーん。いや、なんていいますかね、だいたい、あのー、僕は一番最初は噺家になろうと思ってた。

売野: はい。

大滝: あのー、10歳ぐらいのときに、

売野: えぇ。

大滝: あのー、学校でね、

売野: はい。

大滝: あのー、教壇の上に座布団ひいて、落語やったことあんですよ。

売野: (笑)。

大滝: で、一番最初になりたかったのは落語家なんです。

売野: あー、そうですか。

大滝: えぇ。それで、まぁ、その10歳のときは野球をやり、相撲をやり、音楽を聴き。

売野: えぇ。

大滝: で、次になりたかったのはディスク・ジョッキーだったですけどね。

売野: あー、そうですか。

大滝: だからどっちかというと、そういう、話す方が好きだったんですけど。

売野: えぇ。

大滝: あのー、業界入りしたのが、はっぴいえんどというね、

売野: えぇ。

大滝: あのー、変なバンドだったもんで、

売野: うん。

大滝: あのー、暗いバンドだったんですよ。

売野: そうですか。

大滝: ほんとにひどい、陰々滅々としたね。

売野: えぇ。

大滝: 他のメンバーが悪い。

売野: (笑)。

大滝: (笑)、どうしようもないくらいに、暗い人たちで。だから、その影響を受けて、そのー、寡黙を強いられたんですね。

売野: はぁー。

大滝: だからあの時期に、例えば、はっぴいえんどとか、バンドでですね、

売野: えぇ。

大滝: そのー、多弁だったり、雄弁だったりすることは禁じられていたんですよ。

売野: はーん。カッコ悪いことだったんですか?

大滝: うん、そうでしょうね。今でもあんまり、こういうふうに、あの、ヘラヘラしゃべる方はあまり得ではありません。

売野: (笑)。

大滝: 日本文化においては、えぇ。じっくり聞いているっていうタイプの方がもてるんですよ。

売野: うーん。

大滝: だいたいヘラヘラしゃべるのはね、だめです。

売野: うーん。

大滝: パターンとしてはね(笑)。

売野: あの、はっぴいえんど始めたのはいつなんですか?何歳ですか?

大滝: えーっと、1970年ですから、22のときですね。

売野: 22歳。

大滝: 22歳。まぁ、正確には21歳と半分ぐらいのときですけどね。

売野: えぇ。

大滝: うーん。

売野: それまで何なさってました?

大滝: それまではね、学校行ってましたね。一浪して。

売野: えぇ。

大滝: ウロウロと。それで、友達がやっぱりバンドをやっていたんで。

売野: えぇ。

大滝: で、その友達のバンドについて歩いてたんですよ。暇だったから。

売野: (笑)。

大滝: 暇でしょ?学生とはいいながらも。

売野: えぇ。

大滝: だから、そこのマネージャーのように思われた時期があるんですよ。

売野: (笑)。

大滝: だから、まぁ、頻繁について歩いてましたね。

売野: えぇ。

大滝: 特に、まぁ、売野さんもご存知のように、70年前後っていうのは、あのー、学校がよくストをやりましたから。

売野: うん。

大滝: 学生が。バリケードつくったりとか。

売野: うん、うん。

大滝: で、すぐに休講になったりとか、半年間休んだりとかね。2〜3ヵ月休講があったりとかいうようなことは、よく、頻繁に起きましたんで、

売野: はい、はい。

大滝: 格別暇でしたね、当時の大学生というのは。

売野: 1948年生まれでしたよね?

大滝: 8年生まれです。えぇ。えー、ですから、もはや、45ですから。

売野: 今月お誕生日で。

大滝: えぇ。「ハッピーバースデー・トー・ヨー(to you)」という感じですけどもね。

売野: (笑)。

大滝: (笑)、ほとんど、

売野: えぇ。

大滝: ほとんど時代はいっしょですよね?

売野: そうですね。僕の方が、あのー、3つぐらい若い気がします。

大滝: 気分的にはね。

売野: (笑)。

大滝: 全然違ってませんよ、いっときますけど。

売野: (笑)。

大滝: ラジオでは、でも、やっぱり、落ち着いた感じは、売野さんの方が落ち着いてますからね。

売野: いや、僕、しゃべんないだけですから。

大滝: いえいえ(笑)。まぁ、寡黙な方だから。

売野: (笑)。

大滝: 当時から寡黙でしたから。

売野: えぇ。

大滝: 機嫌悪い訳じゃないでしょ(笑)?

売野: (笑)。

 曲:

大滝詠一/恋するカレン(「BEACH TIME LONG」より)

売野: いや、でも、当時、あのー、福生のときはほんとに、

大滝: うん。

売野: 大滝さん、寡黙だったですよね。

大滝: ほんとに?

売野: えぇ。

大滝: いやー。

売野: ぜんぜんしゃべってくれなかったですね。

大滝: あっ、そう?

売野: えぇ。あの、僕としましては、あのー、一介の編集者としては、

大滝: うん。

売野: カメラもやってましたからね。

大滝: えぇ、カメラ兼ね。

売野: えぇ。ですから、あれですね、

大滝: あ、そう?

売野: あのー、なんていいますか、

大滝: 写真は撮ったりね、

売野: えぇ。

大滝: その印象、はっきり覚えてるんだけど。

売野: えぇ。

大滝: 「寡黙な人」だったなんて印象があるんだけど(笑)。

売野: (笑)。

大滝: お互いに「寡黙」だったんだ。あー、ほんとに?

売野: そうですね。

大滝: へぇー。

売野: あんとき、だから、ほとんど打ち合わせらしいっていいますか、そういうことしなかったですね。

大滝: うーん。

売野: えぇ。僕があのー、「こういうふうにお願いします」っていうようなこといって、

大滝: うん。

売野: 大滝さんが「うん」(笑)、

大滝: っていう感じで。

売野: えぇ。

大滝: あらっ、まぁー。

売野: ですから、あのー、あれですね、

大滝: そんときの印象が悪かったんだな、かなり。

売野: いやいやいや。あのー、小津安二郎の、

大滝: うん。

売野: 映画をね、

大滝: うん。

売野: 二人でやってるような感じですよね。

大滝: やってるような。「間」ばっかりの。

売野: 「間」ばっかりで(笑)。

大滝: あっ、そう。

売野: えぇ。ですから、そのとき、あのー、強迫観念かられますよね。「しゃべんなくちゃいけないだろう」っていう。

大滝: 「間」があくとね。

売野: 「間」があくとね。

大滝: 放送やってる訳でもないのにね。

売野: (笑)。

大滝: 別にね、うちに来てさ。なーんか、でも、あれですよね、そういうのってね。

売野: ですから、そんとき、あのー、印象に残ってます、電気あんま、

大滝: うん。

売野: がありましてね(笑)。

大滝: (笑)、いいな、これ。

売野: イスの。

大滝: マッサージ器ね。

売野: マッサージ器ですよ。

大滝: はぁー。

売野: あれは、ありましたよね?今、急に思い出したんですけど。

大滝: マッサージ器は、あのころあった?

売野: ありました。

大滝: じゃぁ、俺、2度買ってんだなー。

売野: 忘れて。

大滝: あの当時あった?

売野: ありました。

大滝: そう、凝ってたんですよ。その、肩が凝ったとかいうんじゃなくてね、ああいう種類のものに、

売野: えぇ。

大滝: あのー、イスとかね、ああいうものにちょっと凝る性質(たち)なんですよ、僕は。

売野: は、はー。

大滝: うん。

売野: 玄関入ってすぐありましたよ。

大滝: すぐに、左側に。

売野: えぇ。

大滝: あー、ほんとに?

売野: 右じゃなかったですかね。

大滝: 右にあったの?

売野: えぇ、右に。

大滝: あれー、どっちのだったかな?あっ、そう?

売野: 右にありまして、あのー、奥にテレビがありまして。

大滝: うん。結構大きい、当時としては大きいテレビで、

売野: 大きい。えぇ、かなり画期的な、

大滝: 印象的だったでしょ?

売野: えぇ。

大滝: あれはね、自慢のひとつだったんですよ。

売野: そうですよね。当時50万ぐらいするっていう、

大滝: 当時高かったです。

売野: 高いですよね。ありました。で、あのー、僕、お伺いしましたときにね、大滝さんがテレビ見てたんですよ。

大滝: うん。何を見てました?

売野: あのー、野球じゃなかったかなー。

大滝: え、そんな時間に来たの?

売野: えぇ。

大滝: 夜でした?

売野: いや、昼間なんですよ。

大滝: デー・ゲーム?

売野: えぇ。

大滝: ということは、土曜とか、そういうこと?

売野: ビデオじゃないしね。

大滝: あー、ビデオ持ってましたよ。

売野: じゃ、ビデオで見てたのかなー。

大滝: (笑)、ビデオで野球見てた?

売野: (笑)。

大滝: そういうこともしないこともないですけど、結構変ですからね。

売野: えぇ。それで、大滝さんがあんまイスに座ったか、

大滝: マッサージ器のイスに。

売野: 僕が座らせられたか、ちょっと忘れましたが。

大滝: そのイスに?

売野: えぇ。

大滝: 「ちょっといいから、ちょっと座ってみろよ」っつって?

売野: (笑)。

大滝: するかもしれないね、僕の性格からするとね。

売野: それで、あのー、マッサージの隣にもう1個イスがありました。

大滝: ふん。

売野: ふたつありました。

大滝: それは、あんま器じゃないんですね?

売野: じゃないイスがありまして、そこ二人で並んで、それで、僕、テレビ見る気はなかったですけどね、

大滝: うん。

売野: なんか、でも、大滝さん見てらっしゃるから。

大滝: (笑)、ずっと見てたの、二人で並んで?

売野: (笑)、えぇ。

大滝: なんにもしゃべんないで?

売野: で、「なんかしゃべんないといけないな」と思ったんですけど、あんまり大滝さんしゃべってくれなかったですね。

大滝: あー、ほんとに。

売野: えぇ。それで二人でテレビ見て、

大滝: うん。

売野: それで、そのとき原稿お願いしたんですね、見ながら。

大滝: あー。他に誰か、誰もいなかったの?ひとりで来たの?

売野: いえ、ひとりで。ひとりで行きました。

大滝: そうなの?単身赴任的なね。

売野: 遠かったですよ。

大滝: 遠いんだよね。今も遠いけどねー。

売野: えぇ。

大滝: よく来てくれたよねー。よくわかったよね、でもね、その場所がね。

売野: そうですね。あのころはFAXもなかったですしね。

大滝: うん。

売野: どうやって行ったかも忘れましたけど。

大滝: なんか、写真を、とにかくなんか、人形の写真があってね。

売野: えぇ。

大滝: 僕の人形の写真があって、

売野: えぇ。

大滝: それを写していかれたのをね、それを覚えてますけどね。

売野: えぇ。

大滝: うーん。

売野: なんでそんな人形撮ったのか、ちょっとわかんないですけどね。

大滝: なんかね。あのー、

売野: やっぱ、何かしなくちゃいけないと思ったんでしょうね。

大滝: 思ったんですかね。

売野: えぇ。

大滝: うーん。この当時は、だって、こういう原稿とか、まぁ、2〜3書いてますけど、それ以外まったく仕事してませんでしたから。79年は。

売野: あー、そうですか?

大滝: えぇ。もう、皆無で。だから、来ていただいたりしたことは、うれしかったはずですけどね。

売野: あー。不機嫌そうに見えましたね。

大滝: やっぱりね。

売野: (笑)、やっぱり。

大滝: どうしたんですかねぇ。

売野: (笑)。

大滝: ずっと寡黙が続いたんですわな、そんときにね。

売野: そうですね。寡黙ながら1時間ぐらいいたような気がします。

大滝: あー。全然そういう覚えはないんですけどね。

売野: 怒ってたって?

大滝: えぇ。僕はなんか、意図的にそういうようにすることは滅多にないですよ。

売野: あー。

大滝: うーん。それ、全く忘れましたね。

売野: でも、あのー、今イスの話出ましたけど。あのー、凝るわけですね?

大滝: 凝ります。

売野: 一気に?

大滝: そうですね。なんでも。

売野: 当時イスで、

大滝: 当時イス。まぁ、いろんなもん凝りましたけども。

売野: どんなもん凝ってたんですか?

大滝: イスも凝りますけども、まぁ、いろいろ凝りますけどね。ほとんどのものに凝るから、なんか「どれが?」っていわれてもね。あんまり具体的に、あのー、あれですけど。

売野: へぇー。

 曲:

大滝詠一/カナリア諸島にて

売野: なんか大滝さんが昔ラジオでお話になったんですけども、

大滝: えぇ。

売野: なんだったか、「いい言葉だなー」と思ったんですよね。「感性は知性だ」っていったんですよね。

大滝: あー、本に。

売野: 本でしたですかね?

大滝: 本に書きましたね。

売野: えぇ。

大滝: えっと、サンレコの平山雄一が、やっぱりうちに来て、

売野: えぇ。

大滝: あのー、書いた原稿、言った原稿ですけどね。

売野: あー、そうですか?

大滝: えぇ。ちょうどだから、その、YMO全盛だったんですよね。79年から80年って、休んでる間でしたけども。

売野: えぇ、えぇ。

大滝: で、なんか、そのー、感性とか、

売野: えぇ。

大滝: そういう、なんか、あのー、言葉が、あのー、ずいぶん流行っていた時代でしたね。

売野: えぇ、えぇ。

大滝: 例えば、その、「機械対情緒感」とか、

売野: うん。

大滝: なんかそういう、あのー、「野球対Jリーグ」とか、なんかそういう、こう、対立図式で、

売野: うんうん。

大滝: 別に、その、対立で捉える必要もないにもかかわらず、

売野: (笑)。

大滝: にもかかわらず、なんか、そのー、あえて対立させて捉えるって時代とか、そういう空気とかあるじゃないですか。

売野: あー、そうですね。えぇ、えぇ。

大滝: なんか、そういうようなことで、知性とか、そういう感性とか、そういう言葉が確か、平山君の方がなんか聞いてきて、

売野: えぇ。

大滝: それに対して答えた言葉だというように思いましたけどね。

売野: ほー。感性にしたがって、えーっと、やっていくと、知識欲も出てくるし、

大滝: うーん。

売野: 知性につながるっていう、

大滝: あーん。

売野: 意味なんですか?

大滝: よくね、あのー、例えば、よくいわれたのはね、

売野: はい。

大滝: うーん、まっ、僕はポップスについて、まぁ、あのー、好きですからね。

売野: えぇ。

大滝: まぁ、仕事になってますけど、まぁ、とにかくいろんなものを、まぁ、知ってるわけですね。当然ですよね、普通ね。

売野: うん、うん。

大滝: その職業についての、そのー、関する事柄をどれくらい知っているかというところが、

売野: えぇ、えぇ。

大滝: そういうことを例えば知識というふうに捉えてね、

売野: えぇ。

大滝: 「知識が多すぎるから、例えば逆にヒットが出ないんだ」とか、

売野: ふんふん。

大滝: その、「知りすぎているから、だから逆にできないんだ」とかいうようなことをいわれていたんですよ、実は。

売野: はー、そうですか。

大滝: あのころ、だから、売野さんとお会いしたときには、もうすでに10年、いちおう業界ではね、

売野: えぇ。

大滝: デビューしてから10年ぐらい経ってましたからね。

売野: えぇ。

大滝: そすと、その間に、そのー、はっぴいえんどで、まぁ、3枚ないし5〜6枚。ナイアガラでも、もう8枚から9枚、11枚アルバム出してるでしょ。

売野: えぇ。

大滝: すると、ある程度評価って出てるじゃないですか。

売野: ふんふん。

大滝: その評価のなかで、

売野: えぇ。

大滝: そういう種類のことをよくいわれたんですよ。

売野: あー、そうですか。

大滝: うーん。だから、そのー、「知っているからどうだ」とか、

売野: ふんふん。

大滝: その、知識というのを、なんか堅く考えるっていうんですかね、

売野: えぇ。

大滝: そういうような聞かれ方をよくしたんですよね。

売野: ほー、ほー。

大滝: 決して、そのー、なんていうの?そのー、知識とか、そういうのが別にあって、

売野: えぇ。

大滝: その、「行動がまた別にある」っていうんじゃなくて、

売野: えぇ。

大滝: 行動とか知識とか、そういうのは、いちいちわけたりして、やってるようなものではないということをいいたかった。

売野: ふーん。

大滝: もうひとつ、もっと有り体にいえば、考えてないと(笑)。

売野: (笑)。

大滝: その、あのー、「心のおもむくままに、ただやっているんだ」と。

売野: えぇ。

大滝: 「なにも、そう深く考えてない」というようなことを、なんかちょっと、こう、小難しげにいったんだと思いますけどね。

売野: いや、かっこよかったですけどね。

大滝: そうですか?

売野: えぇ。「ハッ」としましたね。

大滝: 「グー」とはしませんでした、そのあとで?

売野: (笑)。

大滝: (笑)、古いか、これ。

 曲:

大滝詠一/1969年のドラッグレース

売野: えー、そろそろお別れの時間が近づいてまいりましたが、毎週、あのー、ゲストの方にですね、

大滝: はい。

売野: 週末の過ごし方をお伺いしてるんですけども。

大滝: 週末はね、

売野: はい。

大滝: やはり、そのー、マツハヤ・リゾートでですね、

売野: (笑)。

大滝: ゆったりと暮らすと。もう、これ以外ありませんよ。

売野: ないです?

大滝: えぇ。ハヤ次郎さんもそうおっしゃってました。

売野: (笑)。では、また来週。

 この「マツハヤ・リアル・リゾート」はここ福岡と長崎のみのFM局でのみ放送された番組です。大滝さんもおっしゃっているとおり、この当時(93年)、「新春放談」以外の番組に大滝さんが連続して出演したのはとても珍しいことだったと記憶しています。しかし、私はこの1回目の放送は車の中で聴いていました。福岡市内を走っていたのですが、いきなり大滝さんの声がきこえてきたときはビックリしました。マンスリー・ゲストということでしたので、翌週からはちゃんとエア・チェックしたのですが、この放送だけは知人にダビングしてもらったのです。
 この番組、以後4年続きます。とてもおもしろかったのと、地域限定だったということで、お聴きになれなかった方々も多いと思いまして、私のライフ・ワークとなっているところの「活字起こし」で内容をお知らせしようと思います。
 それから、この放送で特筆すべきなのは、福岡には大滝さんとデュエットをしたことがある人がいらっしゃるということです。約1年ぐらい前になりますが、私のインデックス・ページに「94.7.2放送のマツハヤ・リアル・リゾートお持ちの方連絡ください」と書いているのをみて、「ひょっとしたら持っているかもしれない」とメールをくれた方がいるのです。その方のメールには、「どうも『大滝さんがラジオで私の話しをしていたらしい』というのを聞いて、その放送のテープを入手したら、確かに私のことだった」とあるのです。それで慌てて「おっしゃられている内容は93年の放送と思われますが、ひょっとして、大滝さんが『デュエットしたことがある』といわれていたのは○○さんのことなんですか!」と返信をしたところ、「そうです」との返事。このときの興奮は未だに忘れられませんね。それまで、インターネットを通じていろいろな方と知り合えてましたが、まさか、大滝さんとデュエットした方とこうして知り合えるとは、ほんとに驚きました。別のメールでは、「福岡に住んでいるので、お会いできたら」ともいっていただき、「ぜひ、お願いします」と返信したものの、さすがの私もちょっと恐れ多くて、メールを出せずじまいで、時間だけが経過してしまいました。今回の活字起こしに際して、「何かコメントなりをいただけないでしょうか?」とあつかましくもお願いしたところ、快く引き受けてくださり、お返事をいただきました。さぁ、みなさん覚悟はいいですか?ノージさんよりも早く師匠とデュエットを果たした方ご本人による驚愕のコンサート・レポートはこちらからどうぞーっ!

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