1998年9月
所長からのメッセージ



■ インターネット ■


  インターネットをまだ有効に活用されていない方も多いと思います。インターネットにつないでも何をしたら良いのかわからないという話をよく聞きます。何の目的もなくホームページを巡回してしてみてもそれほど面白いものではありません。何か興味がなければ利用価値はありません。とは言ってもどんなものがインターネット上に情報として流れているかわからなければ利用しようという気も起きないでしょう。
 私たちのように業務上必要なデータの収集のためにはインターネットは非常に便利です。官公庁の公表データや新製品のデータ、法令条文等についてはリアルタイムに情報を入手できます。また情報を発信する側でも消費者や関係者の反応を即座に入手することが出来ます。新幹線や特急の空席状況がわかるばかりでなく、チケットやホテルの予約等も可能です。そればかりでなく、インターネットで予約すると料金が割引されるケースも多くなっています。マクドナルドのようにインターネット上で割り引き券を配る企業も現れました。またまだ一般的ではありませんが、インターネット電話も普及が進むでしょう。現在では日本全国どこでも23円/分で電話がかけられます。
またインターネット上ではものすごいスピードで情報のやり取りが行われています。夜7時のニュースや夕刊で今日の出来事を振り返る感覚では世の中からとり残されてしまうかも知れません。特に現在のように常にNY市場の暴落や北朝鮮のミサイル発射を気にかけていなければならない時期は、常時ニュースが入手できる状態にしておく必要があります。
 ご参考までに、特に便利だあるいは得だと思われるホームページを掲げておきました。もしもっと知りたい方は「netn@vi]の10月号をお買い求めください。実用的なホームページが満載です。
Mapion 〜全国カバーの広域性と多様な検索方法が便利な地図
Map Fan Web 〜カラフルな地図と付加価値サービスが充実
ヤン坊マー坊天気予報 〜シンプルでわかりやすく普段使いに最適
インターネットTVガイド 〜テレビの番組表がすぐに見られる

□インターネット上の文書データは非課税□

 もう一つインターネット関連で面白い話があります。インターネット上にも様々な文書が流れています。最近国税庁は、インターネット画面上の取引文書については印紙税を非課税とすることを確認しました。画面上の取引文書にどれだけ法的な有効性があるのかわかりませんが、もし当事者同士が合意すれば、何億円もの土地取引文書も画面上だけであれば印紙不要となります。印紙税はあくまで「文書」に対してかかるものですが、画面上の文字は物体として認識されず、従って文書そのものが存在しないと解釈したようです。画面上の文書を印刷したらどうかという疑問がわきますが、これも非課税です。というのはこれは単なるコピー文書に過ぎないからです。今後インターネット上の電子商取引は増加の一途でしょうが、これらが総て非課税となるわけです。国税庁の英断というべきかどうかわかりませんが、電子商取引を促進することは間違いありません。




■ 98年度法人所得5000社ランキング ■


 98年度の法人所得上位5000社が発表になりました。トヨタ自動車、日本銀行、東京電力等のおなじみの企業に加えて、今年は消費者金融の台頭が顕著です。トヨタの所得が5830億円に対して武富士の所得が何と1600億円で全国第9位です。この他にもアコムが986億円で28位、プロミスが755億円で39位です。アイフル605億円、三洋信販312億円と続きます。消費者金融ばかりでなく、日栄や商工ファンド等の手形金融会社も上位に顔を出しています。
 もちろんこれだけの低金利にも関わらず消費者金融の金利は利息制限法の25%から出資法ぎりぎりの40%の間の金利で貸し出しているのですから、利鞘は膨大です。しかし単なる利幅だけの問題ではありません。明らかに利用者も増えているのです。「むじんくん」に代表される自動貸出機、特にまったく人と顔を合わせないで利用できる気安さが、利用者の増加に結び付いているものと思われます。それにしてもトヨタの1/4以上の利益を上げるのですから驚きです。もちろんこの裏には信用情報のノウハウと回収力があってこれだけの利益を上げているわけです。
そう言っていたら、三洋信販が銀行の不良債権の回収代行業務に進出するとのニュースが飛び込んできました。サラ金回収ノウハウが居座りヤクザに対抗できるとは思えませんが、頑張って欲しいものです。




■ 平成10年度路線価公表 ■


8月19日今年の路線価、すなわち相続税評価額が公表されました。概ね予想通りの全国的な下落でしたが、都心の一部に上昇に転じた地点があり、公示価額発表時から予想されていたとは言え、ちょっとびっくりさせられました。
 下落率の大きかったのは東京周辺、あるいは長野県の軽井沢等、以前バブルの影響を受けた地点です。全国平均では5%の下落、東京都区部では4.4%の下落でした。本来の土地取引価額からすればもっと路線価も下落してもよさそうなものですが、土地取引が極端に減少しているために、下落を示す資料が多く集まらなかったためかそれほどでもありません。
 もっとも先日もお話したように都心部では確実に土地需要が増加しているように感じます。ビル工事も増えてきました。不況不況といっても2割の企業は好況です。ただし、とりあえず土地購入を考えている方は様子見でしょう。まだ恐慌の恐れがなくなったわけではありません。一時の円高で浮かれるわけにもいきません。今日も東京の中堅マンション分譲業者丸善建設が自己破産を申請しました。まだまだ不動産業者の倒産は続きます。




■ 世界金融市場大混乱 ■


 金融恐慌というよりも相場の大変動が始まりました。株価は1万4千円を割りましたが、円は1ドル130円を切る勢いです。あっという間の17円の円高です。NY株式市場もわずか1ヶ月で20%近い下げとなりました。とりあえず8000ドル台までは戻しましたが、天井は打ったと考えてよさそうです。これまで最も恐れられていたのは日本の金融不安をきっかけとした世界大恐慌でしたがちょっと違った流れになってきました。今回の大変動のきっかけはロシアルーブルの切り下げでした。これが日本の大金融機関の破綻であるとか、中国の人民元の切り下げといったアジア発の恐慌ということになれば、円や東京株式市場総売りということになったのでしょうが、きっかけがロシアという、どちらかというとヨーロッパ圏で起こったので、影響の大きさからドイツを初めとしたヨーロッパ諸国や米国に対する警戒が強く、相対的に日本が買われる結果となったように感じます。またロシアの破綻は中南米諸国に与える影響も大きく、これも米国に大きな打撃となります。円が買われているのではなく、ドルが売られているようです。本当に手前味噌な考え方ですが、やっぱり信じられるのは日本だけではないでしょうか。なんだかんだ言っても「外人の考えていることはよう分からん」ということになるのではないでしょうか。こういっている時期に北朝鮮がアホなミサイル発射実験をやるものだから、ますますそのような感じになってしまうのではないでしょうか。
 もっとも「日本人は勤勉だ」と昔からよく言われて来ましたが、最近の若人にもこれが当てはまるかどうかは疑問です。これまで日本の経済社会は終身雇用制に裏付けられた企業に対する忠誠心によって支えられていました。しかし今の日本は大企業の倒産、大規模のリストラによってサラリーマンの企業に対する忠誠心は極端に低下しています。これからは「個」の時代といわれています。上司の言うことに黙々と従う真面目な日本人像は崩壊しつつあります。最近のトレンディーな若者を見ていると「勤勉」さは感じません。安心して働ける環境にあるから真面目に働くのであって、いつ首を切られるかわからないのに真面目に働く人はいないでしょう。日本版ビッグバンを始めとするグローバル化が我が国に与える悪影響についても考える必要があるのではないでしょうか。もし世界における競争力が維持できるのであればこれまでの日本的経営を変える必要はないと思うのですが。国際基準が何でも正しいと思うのは間違いでしょう。しかも現在の国際基準は必ずしも本当の国際基準ではなく「アメリカ基準」である可能性もあるからです。
 最後に冗談のような本当の話を一つ。私の娘が友達と原宿に遊びに行く約束をして、原宿の駅に行ったら友達がなんと聖書を読みながら待っていたそうです。真面目な子供もいるようです。




■ 携帯電話用便利ソフト ■


 来年の1月1日から携帯電話やPHSの電話番号が現在の10桁から11桁に変わります。国内の4000万台ともいわれる移動通信の番号がいっせいに変わるわけです。現在発売されている携帯電話でこの11桁化に対応していない機種も少なくありません。対応していないといっても11桁の登録が出来ないということではなく、現在メモリー登録している電話番号を改めて登録し直さなくてはならないという意味です。NTTドコモに問いあわせたところ、メモリー番号の11桁に転換するサービスを行う予定はないそうです。現在最も人気のあるパナソニックのP206も実は11桁化には対応していません。東芝や三菱は対応していますが、ソニーや富士通の機種は対応していません。(ドコモの機種の場合)
 対応していない機種をお使いの方によいソフトをご紹介しましょう。「ケータイエディ」と「モバイル・エディタ」です。主な機能は携帯電話のメモリーの管理です。最近の携帯電話のメモリダイヤル番号は多いものでは500件です。私の携帯電話もメモリされている電話番号は280件を超えています。これが使えなくなったら大変です。私自身も過去に充電部分から水が入ってメモリダイヤルが読めなくなった経験があるので早速使っています。そしてこのソフトは10桁から11桁への変換機能をもっていますので11桁対策にも使えます。それに加えてパソコンでメモリダイヤルを編集する機能があるので、携帯電話のディスプレーでは到底やる気にならない「並べ替え」や「グルーピング」特に氏名の漢字入力をパソコンで行い、そのデータを携帯電話に送ることが可能です。また「アウトルックエクスプレス」のようなソフトのデータを流用することも出来ます。「ケータイエディ」の場合一つのソフトで5台の携帯電話まで管理できますので、是非お使い下さい。





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