1999年6月
所長からのメッセージ



■ 6月の給与減税 ■


 今月6月の給与計算は例年と異なり、かなり面倒な作業となりそうです。今年は1月にさかの ぼって所得税減税を精算しなければならないからです。本年の所得税減税は最高所得税率の引き 下げとともに25万円を限度とする20%の定率減税と組み合わせて実施されます。本来ならば 今年の1月から定率減税は実施されるべきでしたが、法案が通過したのが3月であったため、実 際は4月から減税が実施されています。問題は1月から3月分の減税です。これを6月分の給与 の源泉徴収税額から減額することになります。なお、これについては、6月1日以降、最初に支 給される給与または賞与の税金から控除されることになりますので、毎月の給与より前に賞与が 支払われる場合には、ご注意下さい。
それにしても今一番儲かるのは給与ソフトのメーカーですね。ここ数年、毎年のように異なっ た形での所得税減税が行われたために、給与計算をコンピューターで行っている会社はその都度 ソフトの改訂を強いられました。最近では給与ソフトも安いものも多くなって、3万円台のソフ トも見かけるようになりました。しかしソフト自体は安くても、毎年の改正の度に数万円の改訂 費用を請求されます。ここ1,2年は従業員の数が少ない会社はあまりの馬鹿馬鹿しさに、バー ジョンアップせずに手作業で給与計算を行ったくらいです。税制調査会や国会では事務上の手間 をまったく無視して税制改正論議が進められるので本当に困ります。



■ とうとう手に入れましたcdmaOne ■


 やっと手に入れましたIDOのcdmaOne、それもEメールがやり取りできるC201Hです。
 まず使用報告から。
 音質は素晴らしいです,と言いたいところですが、コマーシャルのように「携帯電話とは気が つかなかった」と言うほどの音質ではありません。その点は少々期待外れでしたが、つながりや すさは抜群です。ドコモではつながりにくい場所でも必ずつながります。途中で切れることもな いので安心して会話出来ます。
  次にEメールや情報の収集ですが、これは難しく、なおかつ手間もかかります。cdmaOne特 有の情報ページへのアクセスのしやすさはまあまあです。但し、売り物の一つである株価情報を 得るにはやはり手間がかかります。ニュースや天気予報にはすぐつながります。
 重さは82グラムですから、これまでの携帯電話と殆ど変わりません。但し待ち受け時間が1 50時間と多少短めのせいか、1,2日でバッテリーの残量が無くなってしまいます。また照明 も暗くて夜間の使いにくさには泣かされます。
 最大の欠点は、コネクタのインターフェースがこれまでの携帯電話と異なるため、携帯電話の メモリ編集ソフトが使えません。機種を入れかえる方はメモリしてある電話番号を総て登録し直 さなくてはなりません。これは大変な手間です。メモリ編集ソフトのメーカーでは一応対応を考 えているようですが、ドコモの携帯電話と違ってマイナーなために、対応は今一つです。そう言っ ていたら、やっとcdmaOne 用のソフトを一つ見つけました。これがあればパソコン経由でドコ モの携帯電話のメモリーをcdmaOneに移すことが出来ます。必要な方はおっしゃって下さい。
 こんな話を書いていたら、グッドタイミングで携帯電話、PHS特集の「日経トレンディ」7 月号が発売されました。各携帯電話のつながり具合を中心に詳細な比較報告が行われています。 購入、変更を考えられている方は是非御参考にして下さい。
 但し、これからの携帯電話の機能を「情報入手」と考えた場合にはやはり「ドコモ」だと思い ます。提供される情報についても、今後はまずiモード中心になっていくでしょう。提供各社も まずiモードに対する情報提供を考えているようです。情報量の差はますます開いていくと思わ れます。何度も申し上げますが、ビデオのβ方式とVHS方式のように内容(コンテンツ)の差が 機器の販売量を左右するのです。
 と言っているうちに、iモードを衝動買いしてしまいました。cdmaOneのEメールがあまりに 使いにくいため思わず買ってしまいました。こちらの方は使い勝手は予想通りでした。cdmaOne では回線を接続しないと作業が進みませんが、iモードではオフラインで作業を進めることが出 来ますので非常に効率的です。操作もわかり易く、とまどうことはありません。欠点は二つだけ、 一つはEメールアドレスが自分の携帯電話の番号になってしまいますので、メールを送信すると 自分の携帯電話の番号が相手にわかってしまいます。もう一つの欠点は、送受信出来る文字数が 250文字までだということです。250文字というと案外たくさんの文字数に思えますが、ビ ジネスメールのように最初の挨拶文から始まるメールでは、挨拶だけで数十文字を使ってしまい ます。携帯電話で250文字以上送信することは考えられませんが、自分のメインのメールアド レスに送られた文章を携帯電話に転送するケースでは、文字数が不足してしまうことも考えられ ます。
 ということで私は通話専用にcdmaOne、 情報入手用にiモードということにしています。立 ち止まっている時及び地下鉄の駅専用のPHSも相変わらず使い続けていますので、合計3台を 持ち歩いていることになります。背広の内ポケットに携帯電話を2台入れて歩くのは難儀ですが、 効率的に仕事をすすめるためには止むを得ません。おかげで最近肩凝りもひどくなりました。将 来私が心臓疾患になったとしたら、携帯電話の電磁波のせいかも知れません。




■ 東邦生命破綻 ■


 とうとう東邦生命が破綻しました。散々申し上げていたように、ここまで破綻しなかった方が 不思議なくらいです。東京相和銀行も風前の灯火と言うよりもこのメッセージが皆さんのお手元 に届く頃には確実に破綻していると思います。今から2001年までの2年間は何が起きても不 思議ではありません。水面下ではとてつもない動きが数えきれないほどあると考えるべきです。 悪い噂は殆ど真実と考えておいた方がよいでしょう。7日の月曜日から経営不安の噂のある生保、 すなわち千代田生命、第百生命、日本団体生命等の解約が急増しているはずです。東邦生命と分 離したエジソン生命にしても販売しているのは実質的に元東邦生命の社員ですし、契約額の多く は東邦生命の既存客ですから、今後の販売の落ち込みは必至でしょう。9日、10日発表の生命 保険各社の決算発表に御注意下さい。
経営が安定している生保の動きも活発化してきました。日本生命が同和火災を傘下に入れよう としています。中堅有力生保の大同生命と太陽生命も2001年3月をめどに統合しようとして います。今後も統合、合併の動きは強まるばかりです。皆さんも自分の契約している保険会社を 改めて見直してみる必要があると思います。そして、ついでに保険種類、保険金額、保険料等も チェックして、くれぐれも保障不足や保険料の払い過ぎに御注意下さい。日本人は保険に入り過 ぎです。日本人の95%が生命保険に加入していると言われますが、そんなに保障の必要な人が いるわけがありません。少なくとも独身サラリーマンに保険は不要でしょう。幼い子がいなけれ ば、せいぜい保険金は5000万円もあれば足りるのではないでしょうか。
今一度ご自分の保険を見直されてはいかがでしょう。




■ パソコン減税 ■


これまで何度かパソコン減税についてお話してきましたが、わかり易い表が日経ビジネスに掲 載されていました。
 本年4月1日から適用されるのが表の左の「パソコン税制」です。これと中央の「中小企業投 資促進減税」とが似ているため混乱される方が多いようです。パソコンに限定して説明すると「パ ソコン減税」については本体又は本体及び付属設備で1セットで100万円未満ならば10万円 未満の消耗品と同様に一括で損金算入出来る制度です。この制度に関して注意して頂くのは、パ ソコンの稼動に必要不可欠な周辺機器、たとえばキーボードやディスプレイを除外して100万 円未満にしてもこの制度の適用は認められないという点です。また、たとえ100万円未満でも 本体と同時に購入したものでなければこの制度の適用は認められません。
「中小企業投資促進税制」については要件が「1台又は同一種類の合計額が100万円以上」 なので該当期間の累積購入額を常に意識している必要があります。100万円を超えれば7%、 すなわち最低でも7万円の税金が軽減されますが、100万円未満ならば「パソコン減税」の対 象となりその期に計上できる経費が多くなるだけです。この制度で注意すべきは本体と同時に購 入した周辺機器のみしか購入額の対象とならないことです。プリンタ等の購入本体と別個に利用 可能な周辺機器でも同時に購入すれば本体と一体のものとして税額控除の対象となります。
せっかくわかり易いシンプルな表を私の説明でまた複雑にしてしまったような気がしますが、 期間限定のお得な制度ですのでぜひ積極的な活用を御検討下さい。
また「パソコン減税」 「中小企業投資促進減税」で購入した物品についてはどちらも償却資産税 の対象となりますので、償却システムを利用している会社は注意が必要です。特に前者について は資産として計上されていない物品についての申告ということで納得されない方も多いようです。 なおこれらの制度の適用に当たっては業種、資本金、申告の種類(青色、白色)等による制限 がありますのでその点にも御注意下さい。



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