

新年明けましておめでとうございます。
私も4回目の年男を迎えました。いつの間にか「若手」と呼ばれなくなってしまいましたが、テレビのニュースで自分と同い年の犯人の写真が写ると「自分はこんなオジさんではない」と思うのは皆さんも同じでしょうか?
前回の年男の時は昭和63年、日本全体が不動産バブルの真っ最中でした。そして今はネットバブルすなわち情報通信関連株が大フィーバーしています。
ソフトバンクは昨年の年初から10倍に、光通信は20倍になりました。そしてインターネット関連企業を中心に大公開ブームが巻き起こっています。個人資産50億、100億といった事業家が次々生まれています。第二の孫正義を目指して多くの若者がビジネスを立ち上げています。私も株式公開コンサルタントとして毎日のように飛び回っています。
不動産バブルの時には譲渡や相続のコンサルティング、あるいは申告といった部外者の立場での参加でしたが、今回のネットバブルおよび公開フィーバーについてはバブルの内側で参加していますので充実感もひとしおです。ビジネスの世界に生きる者として、不動産バブルとネットバブルの両バブルに関われた幸せを感じています。

■ 今年の株式市場 ■
12月のメッセージでお知らせした東証新市場「マザース」2銘柄は予想通り明暗を分けました。IRI(インターネット総研)は買い気配を切り上げ、1170万円の公募価額に対して5300万円で寄り付きました。その後は何度か寄り付く度にすぐ買い気配を切り上げ、7000万円近くまで来ています。一方LA(リキッドオーディオ)は公募価額300万円に対して600万円で寄り付き、その後、一転売り気配となり一時は400万円台半ばまで下落した後にまた寄り付き価額近くまで戻しています。しかし毎日売り気配か買い気配かの一方通行の相場が続いています。
東京市場も大発会の4日には日経平均が1万9千円をつけたかと思えば、NY市場とNASDAQの暴落につられて3日連続の暴落を演じた後、米国市場の反転を見てこちらも大反発しました。
まさに年初から大波乱の展開ですが、今年の株式市場を占う上で、留意すべき項目を幾つかリストアップしてみましょう。
1 郵貯の定額貯金の大量解約
本年は過去の利率の高かった時代の定額貯金の満期が相次ぎ、現在の低利率では再預け入れは大きく期待できず、結果として40兆円から70兆円が流出すると言われています。全部とはいきませんが、かなりの金額が投資信託あるいは直接株式市場に流入すると思われます。
2 来年3月末に控えた株式売却益課税の変更
何回もお話ししているように、来年3月末で株式譲渡益に対する課税方式が全て申告分離課税に変わります。これまで売却価額の1.05%の課税で済んでいたものが、全て売却益の26%の課税に変わります。最も大きく影響を受けるのは、購入価額のわからない株式を所有している方です。せめて購入時期でもわかればある程度の価額は認められますが、全くわからないと言うことになると、来年の4月以降売却分については売却価額の95%(最低の取得価額として5%は認められます)に対して所得税、住民税合計で26%の課税が行われます。もちろん損失の場合には課税はありませんが、その場合にも申告は必要なので、面倒くさいとかお金の動きを税務署に知られたくないと思う人は株の売買に二の足を踏むかも知れません。これはかなりの売り圧力と考える必要があります。
3 今年は米国大統領選挙
NY市場の暴落についてはこれまでさんざん言われてきましたが、これまでの米国株式市場に対する最も古典的な考え方は「大統領選挙の年は株は高い」と言うことです。選挙の年は現職あるいは与党は決して経済に対してネガティブな経済政策を打ちません。いかに現政権によって好況となったかを強くアピールしてきます。従って、今年の11月までは大きな経済変動は考えられず、従ってNY市場の暴落もない。と言う古典的な意見にも耳を傾けておく必要があると思います。同様に、衆議院選挙を控えた日本にもある「選挙の年は高い」というジンクスも忘れてはなりません。
4 回転が利いてきた個人投資資金
一昨年のNTTドコモ以来、個人の投資資金の回転が利いてきています。昔から「利食い千人力」とよく言われますが、利食いが続くことによって投資資金はよりアグレッシブになってきます。前述したソフトバンクや光通信のように昨年の年初から年末にかけて10倍から20倍になった銘柄が続出している相場環境の中で、行き場を探している莫大な投資資金があることを忘れてはなりません。兜町では「5000万円の投資資金を70億円にした投資家がいる」という噂が飛び交っているそうです。
5 法人の相互持ち合い解消による売り圧力
これまで我が国の株式市場は法人間の株式の持ち合いによって支えられてきました。個人の株の所有比率も下がる一方でした。しかし長引く低金利と一昨年秋のNTTドコモの売り出し成功によって個人資金が株式市場に戻ってきました。しかしお尻に火がついている大企業はなりふり構わぬ資産売却に走るでしょう。社宅や保養所といった不要不急資産ばかりでなくビジネス上関係のある会社の株式でさえ売却する傾向も強まると考えられます。
以上を総合してみると今年の株式市場は・・・・・・ご自分でご判断下さい。

■ 事務所のネットワーク構築 ■
当事務所では今月中に事務所のネットワーク体制を確立し、事務所内での総てのファイルを共有できるようにします。また、近々皆さんに各人のメールアドレスを公表いたしますので、今後は私どもに対する問い合わせについては極力Eメールを併用いただくようお願い致します。
もちろん皆さんから電話を頂いたときに、私たちが事務所にいてすぐお話しできれば一番いいのですが、不在かも知れませんし、電話中かも知れません。そのたびに折り返しの電話をしていては効率が悪過ぎます。皆さんも電話中に別の電話が入って、「もう少ししたらかけ直します」と言われたために、出かけることも出来ず、他の電話も出来ずいらいらした経験をお持ちだと思います。このような場合にも「メールを送りますので、すぐ見て下さい」と言って頂ければ用件はすぐ伝わります。電話では即時性が期待できますが、逆に相手がいなければいつになっても用が足りません。
またEメールは次の大きな利点があります。 まず第一に、同時に複数の人間にアクセスできます。よく皆さんから担当者を介しての質問をよくお受けしますが、メールならば二人に同時に問い合わせが可能です。また誰がどのように回答したかについても全てコンピューター上に記録されます。
第二にコンピューター上に残された記録についてはいつでも追加、修正、転送等の加工が可能です。過去の数値ばかりでなくありとあらゆるデータの永久保存が可能となります。たとえば皆さんとやりとりしたFAX文書を考えてみましょう。FAXも電話と異なり、Eメールと同じような使い方が可能です。しかしFAXのデーターは、一度打ち出されてしまえば、中身は文字でも形態は絵と同じです。データとしての使い道は殆どなくなってしまいます。それに対して数値を含む文字データはいくらでも追加、転送、修正、保存が可能です。
具体的に考えてみましょう。
まず私がAさんからある質問を受けたとしましょう。私は自分の意見を述べつつ、さらにBさんにも相談しようと思います。そしてこの経緯について、Aさんばかりでなく、担当者であるC君にも知らせておこうと思います。Eメールの世界ではこれらの作業は総てパソコン上のメール操作だけで可能です。私はAさんから受けたメールに自分の意見を追加してBさんに転送します。そして同じ物をC君にCC(カーボンコピー)という形で送付しておけば済みます。そしてこの作業は画面上のボタンを幾つかクリックするだけで済んでしまうのです。これを電話とFAXで全て行おうとした場合の時間のロス、手間を考えるとぞっとします。
第三に、これは誰にでも行えることではないですが、上記の一連の作業が必ずしもオフィスに在室していなくとも、モバイル機器をつなげば、いつどこでも可能になるということです。
私は自分宛のメールを携帯電話に転送させていますが、電話と全く同じ感覚で情報が入ります。ですから、私に出来るだけ早く連絡を取られたい場合には、メールで連絡を頂くのが最も早い方法です。私がもし駅のホームで手持ちぶさたでしたら、1分以内には連絡を差し上げられると思います。
我が国はインターネット環境においてはアメリカに大きく遅れをとりましたが、携帯電話で世界のトップを走っています。この環境をインターネットに利用すれば、誰も思いつかなかったライフスタイルがおくれるかも知れません。
私は電話番号も携帯電話のホームページで調べますし、英単語の訳も携帯電話で調べます。天気予報も株価も全て携帯電話の画面上に表示されます。電車待ちの暇な時間には、駅のホームで携帯電話の画面上のニュースを読んでいます。その合間にも続々とメールが入ってきます。
そうそう、大切なことを忘れていました。Eメールでは電話のようにお話中ということがありません。大量のメールも僅か数秒で受信可能です。また夜中でもメールを送ることは可能ですから、いつでも思い立った時に送信下さい。私がそのときパソコンの前に偶然居れば、夜中の1時でも質問にお答え出来るかも知れません。夜中のメールに対する即座の反応は心が通いあって嬉しいものです。一度Eメールを使ったら、皆さんも二度と手放せなくなります。
確かにパソコンのみを利用した現在のインターネット環境においては誰もがすぐEメールを始められるわけではありません。簡単になったとは言え、まだまだパソコンは家庭内の機器としてはあまりに難解でありその動作状況も不安定です。また、現在苦労してパソコンによるインターネット環境を作り上げても、数年後にはその経験は全く無駄になることは明らかです。しかし時間が経ってから皆と同じことをやっていては永久に差別化は図れません。しかも今は近い将来の社会の大変化が起きることが予めわかっているのですから。
これは昭和30年代の「うちはまだ白黒テレビでいいや」と言ってカラーテレビになかなか買い換えなかったこととは全く違う次元の問題です。まさに現在は情報革命のまっただ中です。是非皆さんの積極的な行動を期待します。

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