![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ■ 何か変だ ■3月から4月にかけての株式相場の暴落は、またも神の手が働いたのでしょうか?前からお話ししているように、今年から来年にかけて120兆円の郵便貯金が満期を迎えます。そのうち40数兆円は再び郵貯に預けられることなく他の金融商品に流出すると言われていました。 しかし4月の郵貯の満期金の流出状況は全く低調で、預け換えを期待した金融機関は当て外れに終わったようです。それもそのはず、大フィーバーとなったネット株は2月の中旬を高値に暴落に転じ、もっともひどかった光通信の場合には2月15日の上場来高値24万1千円に対して4月28日には20分の1以下の1万1千800円(本日5月11日にはなんと1万円割れです)、ソフトバンクにしても6分の1にまで暴落しました。粉飾決算の指摘を受けた光通信はともかくとして、ソフトバンクにそれほどの悪材料がでたわけではありません。他のネット株にしても同様です。 今回の暴落の原因は今ひとつはっきりしません。2月のCSKの第三者割り当てがきっかけになったという説もありますし、私も3月にお話ししたマザーズ銘柄の悪役「スノーヴァ」の上場が引き金になったとの説もあります。どれが本当かわかりませんが、IT株やネット株は投資家の方は1銘柄だけ買っていたわけではなく、ソフトバンクを買っていた人は光通信も買っていたし、インターネット総研も買っていたというような状況だったようで、それに信用取引がからんだものですから、その中の一つでも株価が下がると担保割れとなり、追い証が発生し、やむなく他の銘柄も売却することになり、それがネット株の株価下落に拍車をかけたというわけです。 ご承知のように信用取引の場合には担保に入れた株式の価値以上の取引をすることが出来ます。たとえばソフトバンクの株式の現物を持っている人は、その株式を担保にさらに信用取引でソフトバンク株を買うことが出来ます。株価が上昇しているときは儲けが相乗的に膨らんでいきますからよいのですが、株価が一転下落に転じると大変なことになります。特に今回の光通信のように品薄株を多くの人が買い上がって、悪材料の出現に慌てて売却しようと思っても、買い物が全くない状態で、売ろうにも売れません。ただただ売り気配が切り下がって行くのを見ていることしか出来ません。損失が確定できないまま、底なしに損失が膨らんで行く恐ろしさを体験するわけです。ひと度値が付けば今度は損失が確定し、担保不足が表面化することによって、その株式を売却するだけでは全く足らず、他の株や預金まで解約して担保割れの穴埋めをしなくてはなりません。 話が脇にそれてしまいました。「なぜこの時期に株が暴落するのか?」と言うことです。10年前もそうでしたが、大量の郵便貯金の満期時期が近づくと、必ずと言っていいほど株価が暴落することに疑問を感じます。今回はそれほどでもありませんでしたが、この時期に金利が上昇する現象も指摘されています。国としては何とか定額貯金が継続されなければ困る理由があるのかも知れません。よく週刊誌で指摘されているように郵便貯金から財政投融資に回っている金額にどれほど大穴が空いているのか誰も怖くて追及できません。 確かに景気回復の目安としての株価上昇も必要でしょうが、郵便貯金側から見れば、今年は株価が上昇しては困る年なのです。世界のお金の流れからすれば、今年は日本の株式市場の年であると考えていますが、このような事情があることも忘れてはなりません。なお何人かの識者が指摘しているように、4月以降の日経平均の暴落のうち、約2000円は採用銘柄の変更に伴うもので、実際には株価は下げていませんので、慌てないようにして下さい。 ![]() ■ 平成12年度の税制改正 ■先月号でご説明できなかった平成12年度の税制改正についてお話ししたいと思います。 平成11年度にかなり大幅な改正が行われたこともあり、12年度はそれほど大きな改正点はありません。 首相公約として話題になった相続税の減税も結局見送られました。今回新たに13年度改正の一つとして、現在年間60万円の贈与税の基礎控除の見直しもだんだん尻窄みになっていくような気がします。と言うのも、相続税の納税者は5万人、贈与税の納税者は20万人しかいないそうで、わずか25万人の減税のために、もし増税でもすることになったら強い批判の声が出るのが明らかで、なかなか踏み込めないようです。 ところで平成12年度法人税改正では「有価証券の評価方法の変更」が唯一の目玉で、他の改正の多くは平成11年度改正の期限延長です。パソコン減税も、投資促進税制も1年間延長されました。ただし後者の投資促進税制、すなわち「取得価額の合計額が100万円以上のコンピュータ等の器具備品等について、取得価額の7%の税額控除あるいは30%の特別償却を認める制度」については平成13年5月31日までの延長なのでご注意ください。 他に法人税の大きな改正点として「設立後10年以内の企業に対する留保金課税の2年間課税停止」が話題になっていますが、この恩典を受けられる企業はごく僅かです。それよりもこれまでずっと停止されていた「欠損金の繰戻し還付」制度が、設立5年以内の中小企業欠損金について認められたことの方が影響は大きいと思われます。この制度は前年に利益が出て納税した企業が本年の決算で赤字になってしまった場合、その赤字を前年の利益と相殺することにより、前年納税した税額から還付が行われる制度ですが、ずいぶん前から税収不足もあり、その適用が停止されていました。納税者にとっては数少ない税金を取り戻す制度ですので、その停止については批判が集まっていましたが、今回ようやくその一部について停止が解かれたわけです。 次に、法人税以外では、これも実際に該当する方がどれほどいるかわかりませんが、住宅ローン減税が半年延長されました。また、殆ど皆さんが利用している簡易簿記ではなく、正規の簿記の原則に従って記帳、すなわち複式簿記で帳簿をつけている青色事業者については、これまでの青色申告特別控除額が45万円から55万円に引き上げられました。 こうやって列挙していっても、どうもそれほどインパクトのある改正点はありません。やはり昨年の改正が大きすぎたようです。 ![]() ■ 選挙の話題 ■最近自民党の衆議院議員の方とお会いする機会があったので、近頃の政情について少しばかりお話しましょう。もっぱら話題の中心は選挙の票読みと次の首相の話題でしたが、野中幹事長の言っている自民党230議席は大変難しそうです。現在の状況では小選挙区で150議席は確実としても、現在の170近い議席の確保は困難、特に前回善戦した東京の小選挙区の見通しが暗いようです。もし小選挙区で150議席を切るようなことがあれば、比例区と合わせて200議席という可能性も否定できません。 もっとも戦う相手の民主党についても決して「強い」という感じはありません。週刊誌の当落予想を見ても、まだ候補者が決まっていない地区で民主党候補が有力候補になっています。前の新党さきがけブームのようなものでも起きない限り、大勝は難しいのではないでしょうか。と言っても票はどこかに行くわけですから、連立政権が勝つか負けるしかありません。但し一つだけ言えることは、迷っている票は自民党にはいかないそうです。 また次期首相については「加藤しかいない」と言うのが党内の大方の意見のようです。竹下派にはもう候補者はいません。党内の世渡りの下手さが指摘されている加藤前幹事長ですが、能力的にはずば抜けているようです。全く予想外に首相になってしまった森総理については気配りばかりが話題になり、続投については全く話題になりませんでした。 また投票日については6月25日にほぼ確定したようですが、なんとこの日は小渕前首相の誕生日だそうで、こんなところにも自民党の浪花節的体質を強く感じてしまいます。本来ならば第1四半期のGDPが発表される6月上旬に出来るだけ近い時期に選挙を行った方が自民党には有利なようですが、前総理の誕生日の方が優先されたようです。 もっとも経済あるいは政局の先行指標としての株式市場は、選挙結果について現体制についてはかなり悲観的なようで、当初6月18日に選挙が予想された時点では、その前の6月14日に取引開始を予定していたナスダックジャパン市場が、選挙予定日が6月25日に変更されるとそれに合わせるかのように取引開始日を6月19日に変更しました。本来ならばシステム稼働の準備期間を稼ぐために6月の遅い時期に取引を開始したかったナスダックジャパン市場の「意地でも選挙前に取引を開始する」という執念の裏に「選挙になれば自民党が惨敗し株価が下がる」という読みを感じます。 ![]() ■ 再びインターネット ■たいして目新しいものを感じない当事務所のホームページはともかく、年間1000万台のパソコンが売れている割にはみなさんのインターネット利用割合はそれほど高くないようです。事務所スタッフのメールアドレスをみなさんに公開しましたが、仕事ぶりに変化は見られません。最近はメールでゴマをするのが流行っているそうですが、仕事ばかりでなく、どんな形にしろ個人間でコミュニケーションを図るツールとして、メールの利用をお勧めします。 また当事務所のホームページに「ビジネスガイド秘書」というHP(ホームページ)にリンクを張っています。これはビジネスに関するありとあらゆる情報を入手出来るHPで、一度利用されたらその便利さを実感されると思います。 今後も、皆さんが使われると便利と思われるHPにどんどんリンクを張っていきたいと考えています。インターネットを楽しんでいる方で、「お気に入り」という機能を使っていない方はいないと思います。これこそまさにそれぞれの趣味と人格の象徴です。私の個性を反映したHPもどんどん紹介していきますので、ご自分の世界を作り上げて下さい。 ![]() ![]() ![]() |