

■ 「アイラブユー」メールの残したもの ■
ソニー出井社長の辛口がまた出ました。
「アイラブユーメールの来ない者はデジタルデバイド (パソコン利用による情報格差)にさらされている」
出井社長にはなんとアイラブユーメールが10通も来たそうです。そこで出井社長が前述のコメントを出したわけで、このメールが来ない人はよっぽどウイルスに対して強いガードがかかっているか、それほどメールを利用していない、すなわちデジタルデバイドで大きな格差をつけられているということのようです。
各種の調査でもデジタルデバイドによって収入格差が生まれていることが指摘されています。ネットが単なる便利な道具とは言えない時代に入ってきたのかも知れません。
ところでいまだに真犯人がはっきりしない今回のウイルス騒ぎですが、フィリピン国内では、案外自国の技術の高さを見直す気運も出てきているようです。私自身も情報後進国と考えられていたフィリピンが今回の発信元と聞いて、驚きとともにインターネットの世界における無限の可能性を感じました。これまでバンガロールに代表されるインド人の優秀さがよく言われていましたが、それ以外の国にも注目する必要がありそうです。
次に世の中を騒がせるソフトは、おそらく悪魔のソフトと呼ばれる「グヌーテラ」。詳細は今週号の「AERA」をご覧下さい。(立ち読みで十分です)

■ いくら何でもひどすぎる 光通信とソフトバンクバッシング ■
なんと高値の60分の1に下落した光通信ですが、その叩かれ方は異常としか言いようがありません。これまで、わずか3ヶ月半でこれほど暴落した例はありません。その意味で私たちに大変大きな教訓を与えてくれたわけですが、それにしてもバッシングのひどさには驚かされます。毎週経済雑誌のどれか、あるいは夕刊紙で非難されっぱなしです。
確かに、今回明らかになった光通信の商法は決して褒められるべきではありません。また情報開示についても不手際が目立ちます。また子会社群を強引に公開させてキャピタルゲインを得ようとした行為も感心できません。しかし、だからと言って2月まで光通信を絶賛していた経済誌が、手のひらを返したようにバッシングに走っていいものでしょうか。自分たちの記事に基づいて光通信の株を買って大損した投資家に対し、どのように責任をとるのでしょうか?いくら光通信叩きの記事を書けば雑誌が売れるとはいえ、あまりの行為ではないでしょうか?
またソフトバンクについて言えば、全くのとばっちりです。ここ数ヶ月でソフトバンクの動きに何の変化もありません。あえて言えば、米国NASDAQ市場の暴落で、含み益がかなり減少したことぐらいでしょうか。それ以外は全くの連れ安です。または光通信を信用で買っていた投資家の損失の穴埋めとして売られたか、光通信を積極的に組み入れていた投資信託の換金のための売りにさらされたということでしょうか。本来ならば、連れ安した銘柄は株価がいつか戻るはずですが、今回はショックがあまりに大きかったせいかしばらく時間がかかりそうです。
しかし孫さんを目指している若手ベンチャー経営者の勢いは止まるところを知りません。帝国データバンクの調査では、現在、今年から再来年にかけて1224社が公開を予定しているそうです。しかし今年の公開予定会社は162社、来年は208社と予想されています。再来年はもっと増えるとは言ってもせいぜい300社でしょうから、公開を予定していても半分の会社は予定通りの公開は出来ないということになります。

■ 銀行につぶされた第百生命 次は? ■
とうとう第百生命も逝ってしまいました。マニュライフと提携して生き残るかと思いましたが、東邦生命と同様にやはり駄目でした。救済策として外資との提携を促した金融当局の政策の完全な失敗といえるでしょう。しかし、自分たちの経営責任に触れずに平気な顔をして債権放棄を求めるハザマに比べれば、第百生命は遙かに気の毒な会社かも知れません。第百生命は乱脈経営の東邦生命や、高金利の積み立て商品に偏った販売によって経営を悪化させた日産生命と違って、それほど乱脈経営を行っていたわけではありません。この後破綻が予想されるT生命も同様です。
生命保険会社の経営悪化の大きな原因は、利回りの逆ざやです。生命保険会社は契約者から支払われる保険料を一定の利率(予定利率)で運用することになっていますが、これより実際の運用利率が下回ると、利回りが逆ざやになります。6%以上の高い予定利率の商品は現在ほとんど残っていませんが、それでも生命保険各社における利回りの逆ざやは年間1兆数千億円にもなります。この逆ざやを生む主たる原因は銀行救済のための異常低金利です。もちろん1200兆円と言われる個人金融資産も本来ならば得られるであろう数十兆円の金利を銀行に寄付しているわけですが、生命保険会社も同様に本来ならば受け取れる運用収入が受け取れず、その結果、膨大な逆ざやを抱え込む羽目となってしまいました。銀行の抱えた膨大な不良債権を一気に償却できなかったために、低金利政策によって銀行の業務純益を増大させ、段階的に不良債権の処理を進めさせてきた金融当局の政策が、皮肉にも身内の生命保険会社の破綻を招く結果にもなってしまったということです。
心配なのは千代田生命です。いくら東海銀行が支援すると言っても業務自体が立ちゆかなくなれば支えきれません。毎年の逆ざやは400億円、含みが0となる日経平均は22000円と、安心できる状況ではありません。新規契約高を解約・失効高が2兆円も上回る状況でも、まだ新規に加入する人がいることが信じられません。私ならば積立性の保険は一刻も早く解約しますが。やはりこの辺は情報不足というよりも、自己責任でしょう。3月に新規上場したスノーヴァについては公開前から、投資を見合わせるようみなさんにアドバイスしました。ある程度の情報があれば、決して購入申し込みをするような銘柄ではありませんでしたが、千人以上の人が買い注文を出し1200円で購入した結果、現在の株価はなんと300円です。
ますます自己責任が強く求められる時代になってきました。「知らなかったの?」と後で言われないような努力が必要だと思います。

■ 選挙も面白くなってきました ■
選挙まで2週間、比例区での自民党の大敗は予想できますが、750万票と言われる公明票が小選挙区でどのように動くか、反公明陣営には一切投票されないとすると、結果的に自民党候補に票が流れて、思わぬ結果となることも予想されます。支持率は低くとも、予想外の結果に終わることが多いのも選挙です。
小渕さんの娘もとうとう出馬が決まりました。確かに海の向こうでもブッシュジュニアが共和党候補として頑張っていますが、全体の3割を占める日本の二世議員の現状は異常としか言いようがありません。「政治家の資質」は全く問題にされません。そういう意味で市川房枝さんに師事した紀平悌子さんや菅さんといった人たちに、もっと活躍して欲しいと思います。菅さんの女性スキャンダルも白川勝彦議員の秘書の違反もみ消し事件も何となく裏の意図を感じてしまいます。
いつになったら「出たい人より出したい人を」の選挙になるのでしょうか?と言ってもこの「出したい」が地元の利権のボスである後援会幹部が「出したい」では何の意味もありません。多くの有権者が「出てもらいたい人」に投票したいものですが、利権選挙中心の世の中では選挙活動一つとってみても難しそうです。
ネット社会になれば思わぬ活動が身を結ぶかも知れません。ネット上で、かって北海道で勇名を馳せた「勝手連」みたいなものが出てくれば、選挙カーや詰め所など必要のない選挙が展開できるかも知れません。ホームページはチラシやネオンサインと同じと見なされますが、絵や文字を出さずに音だけなら問題ないという選挙管理委員会の見解が出ているようです。そこで真っ白なホームページで音声だけを流そうと考えた議員も現れたそうです。

■ 今月のおすすめサイト ■
●日替わり税ニュース(税務会計情報ネット「TabisLand」より)
日付順・カテゴリ別に税務関係のニュースが検索できるページです。
カテゴリは、下記の通り多岐に渡っていますので、欲しい情報を探すのに便利でしょう。
企業の税務会計担当者の方は週に1回は覗いてみてはいかがでしょう。
裁決・判例 法人税 / 所得税 / 消費税 / 資産税 / 相続・贈与税 / 地方税 / 国際税務 / 国税通則法 / 企業財務 / 金融 / 大蔵省関係 / 国税庁関係 / 会計士・税理士業界 / 各省庁関係 / 税制改正 / その他
●でりなび
宅配店専門検索Webサイト「でりなび」は、アクセスして宅配を希望する地域の郵便番号を入力するだけで、その時間帯に宅配可能な店舗やサービスを居ながらにして瞬時に検索することができます。使い方はとっても簡単。是非試してみて下さい。
●首都圏移動便利サイト
最近都内を移動する上で大変便利なサイトが続々と出てきました。
車で移動する人にとって欠かせないのは駐車場。 「東京ドライバーズマップ・駐車場情報」では、東京23区内の駐車場情報が地図つきで調べられ、営業時間や料金、駐車可能台数などもチェックできます。
また、電車をよく利用する方には、その名も「Pinpoint!で階段」 これは何号車の何番目のドアに乗ったら出口や階段に一番近いかを調べられるサイトです。特に私のように気が短く時間厳守を心がけている方には絶対お勧めです。地下鉄をよく利用する方は、「H"」ならば地下鉄に乗っているときでも使えますから、より便利だと思います。

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