

■ 4月を迎えて ■
引っ越しも無事終わり、やっとほっとしています。赤坂の街も、中学時代に通学していた35年前の面影はありませんが、何となく懐かしく感じています。
初めて繁華街にオフィスを設けたせいか何となくウキウキしてしまう毎日です。昼は華やかな装いの若い女性が多く、夜になれば窓いっぱいに赤坂のネオンサインが広がります。(まるで小説の一節のようですね)目の前は駅ですし、ビルの前にはタクシーが列をなしています。夜遅く食事できるところも山のようにありますし、ビルの中にはいくつものクリニックどころかサウナまであります。行動にとまどう点も多々ありますが、とりあえずは都心気分を満喫しています。事務所の内装にもちょっと凝ってみましたので、お近くにお出での節はちょっと覗いてみて下さい。場所柄、ちょっと堅気には見えない人も見かけますが、これもまた刺激の一つです。まだ半径50メートル四方しか見聞していません。面白いスポットが見つかりましたら、グルメを中心に逐次ご案内申し上げます。
弁慶堀のソメイヨシノは終わりましたが、清水谷公園前の八重桜が咲き始めました。
今年もたくさん花見をしました。やはり今年最高の花見日は4月1日の日曜日、前日の雪模様から一転、雲一つない青空に恵まれた一日でした。私は午前8時には砧公園で花見を楽しんでいました。朝方は気温も摂氏5度とかなり肌寒い一日の始まりでしたが、昼近くになって気温もどんどん上がり、桜の開花も一気に進んだようでした。午後からは北の丸公園、神田明神と丸一日花見を楽しみました。その後も連日6時起き、毎朝必ず千鳥ヶ淵と武道館前の桜を楽しみました。同じ東京都でも開花状況には随分差があるもので、上野公園や四谷の土手、特に上智大学前の土手は先月28日頃に満開を迎えましたが、武道館前の桜や新宿御苑の桜は4月4日頃が満開でした。4月の第1週は天気も良く花見日よりの毎日でしたね。やはり花見は太陽の光を後ろから受けて、バックが青空の状態が最高だと思います。JR東海の広告ではありませんが「桜の開花がニュースになる国って、すてきじゃないですか」
桜の時期が終わると「来年はあそこで花見をしよう」と来年の花見の場所を考え始めます。桜はたくさんあれば良いというものではありません。アメリカ大使館の裏に1本それはそれは見事な桜が1本あります。来年の花見はそこに決めています。

■ 絶対お勧めADSL ■
先月のメッセージで、新事務所でのインターネット接続状況について御報告するとお約束しました。「ADSL」は最高です。マニア的な表現を使えば「サクサク動く」という感じです。ほとんどサイトに接続のための待ち時間はありません。専門的に言えば、ADSLの転送速度は1.5Mbbsで64KbbsのISDNの20倍以上の速度です。尤も、実際には800〜900Mbbsの転送速度が計測されているようで、それでもISDNの10倍以上です。
実際に体感してみると、これまでネットサーフィンをしていた時間の大部分が、サイトが開くまでの待ち時間であったことに気がつきます。接続時間が1/3以下になったことは間違いがありません。オーバーに言えば1日が長くなった感じです。この節約できた時間を他の業務に当てるか、またより多くの情報を得るために使うか、各人各様でしょうが、情報化社会の発展に大きく寄与することは間違いありません。次に続く光ファイバーが楽しみです。
これまでCATVで常時接続していた私の自宅も早速ADSLを申し込みましたが、機器の部品不足のために1ヶ月半待たされることになってしまいました。ADSLは転送速度が速いだけでなく、1回線1接続先を前提としていたCATVと異なり、ISDNと同じくルーターという機器を用いて複数のパソコンで利用することを前提としています。私は9年前に自宅を建てた時に、将来のインターネットと言うよりは、当時における最先端の「パソコン通信」のために子供たちの部屋にも電話回線を引いておきましたが、現在においては全く無意味になってしまいました。これからはADSLも光ファイバーも1軒に1本だけ引いて、各部屋には無線LANで引き込むことになるでしょう。
また今後はブルートゥースと呼ばれるデジタル機器を無線でつなぐ近距離ネットワーク技術であらゆる機器がつながってくることと思います。パソコンやテレビだけでなく、冷蔵庫や電子レンジ、ポットやお風呂までネットでつながれて有機的に用いられる時代になっていくことでしょう。

■ 経済の立て直し ■
公定歩合の引き下げによる実質ゼロ金利への回帰ばかりでなく、量的緩和まで打ち出すという迷走状態の金融政策を実行している日銀ですが、どうも景気回復、株価対策のために有効な対策を実行しているかどうか疑問です。そもそも「景気回復のためには消費の増大が不可欠だ」と言われていますが、果たして金利を下げることが消費の拡大につながるでしょうか?もちろん住宅ローンを抱えた多くの世帯にとっては低金利はありがたいことには違いありません。しかし、我が国には1400兆円の金融資産があります。そのうち現預金や債券が700〜800兆円あると言われています。戦後の預金金利を考えてみた場合、平均金利は4〜5%でしょう。もしこれまでと同じような金利水準であるならばこの金融資産に対して年間30〜40兆円の金利がついたはずです。それが実際には数兆円、いや2,3兆円の金利しか受け取っていないかも知れません。それならば逆に高金利政策にしてはどうでしょう?預金金利を8%にすれば国民が受け取る金利は60兆円、しかも金利のうち半分は商品券で配ることにすれば消費に直接結びつきます。公明党的な発想ですが、政治や国の将来に不安を持っている現在の国民の意識の中では、受取金利が増えてもまたそれは預金に回ってしまうでしょう。
また個人にとって、これまでの低金利の弊害は、受け取る金利だけにとどまりません。生命保険契約に対して積み立て、あるいは支払われる契約者配当金も殆ど無配に近い状態ですし、生命保険会社も低金利に併せて予定金利をどんどん引き下げているため、実質的に生命保険料はここ数年で大きく値上がりしています。日産生命から東京生命までの多くの生命保険会社の破綻によって、受取保険金額の削減、保障金額の削減に頭を痛めている方も多いと思いますが、これも不良債権処理を銀行に進めさせるための低金利政策が招いたものです。いわば破綻した生命保険会社は不良債権処理のための犠牲になったとも言えます。こうした低金利政策によって処理ができた不良債権は約70兆円、まだ60兆円近い不良債権が残っていると言われます。これに対してここ数年で国民が失った金利、すなわち金融機関に寄付してきた金利は200兆円にも上ると思われます。不良債権処理を早期に進める必要というよりも早期に進めなければならなかったことはもちろんですが、そのための低金利が消費を抑制し不況を招いたとも言うことが出来ると思います。
また、景気拡大、財政再建にはもっと思い切った対策が必要です。先日の与党緊急経済対策にも掲げられた「長期保有有価証券の相続税軽減」も思い切ったアイデアだと思います。ここまで財政が危機的な状況の中で未だに「金持ち優遇につながる」というような反対意見が出てくることが不思議です。以前から私が申し上げているように、数十兆円といわれているアングラマネーに対する優遇措置を設けて表にあぶり出すことも有効だと思います。「アングラ国債」を発行し、この購入資金の出所は一切追求しないと言う案はどうでしょうか?購入した人間は生涯税務署から疑いの目で見られてしまうことになってしまうでしょうか?また先ほどの緊急経済対策と同じ発想で、相続税軽減国債を発行するという案はどうでしょう?金利は0、その代わり相続税の評価額を半額にすれば、購入者は山のように現れると思うのですが。
多少いい加減なところもありますが、このように思い切った対策を打たないと財政再建も不況対策もままならない状況が続いてしまうのではないでしょうか?

■ いよいよ3月決算 ■
金融商品会計、退職給付会計といった会計ビッグバン第2弾の決算を迎えます。今回の決算によって市場から退場を求められる企業も数多く見られることになるでしょう。これから6月まで監査法人と会社側のせめぎ合いが続きます。昨年も5月に「監査法人から不良債権に対する引き当てを求められた結果債務超過に転落」というコメントが数多く出されました。様々な努力も報われず3月末の株価も低水準に終わりましたので、銀行、生保といった金融機関の中にもリタイア組が出てくるかも知れません。そういった意味で3月決算の確定数値が発表される6月の下旬までは投資は控えるべきだと思います。予想数値と確定数値の開きがある企業があまりにも多すぎます。そのため大きな変化があった場合には、速やかに業績予想数値の修正を公表することになっているのですが、変化をどの時点で把握したのかと言う議論もあって、びっくりするような決算数値の発表が行われることが多いようです。よほどディスクロージャーに定評のある企業以外は中間、確定の決算数値の発表が近い場合には投資を控えるのが賢明でしょう。
上場企業ばかりでなく、未公開企業でも退場組が相次いで来ます。中小企業とは言ってもやはり公開を考えて3月を決算期にした会社が多いので、やはりこの時期には注目です。決算数値を見て公開に向かう会社もあれば、単に今期は見送りどころかキャピタル等の支援もストップし、会社清算に追い込まれる会社も数多いと思います。前にお話ししたように、ネット企業では公開を目指して実力以上に企業規模を拡大してしまったが、市場規模が思ったほど広がらず、売上も伸びず、業績が低迷どころか資金繰りに窮してバンザイするところが続々出てきます。私の感覚ではネット企業の経営者には企業勤務経験が無く、学生時代のパソコンおたくやネットおたくが経営者となりキャピタルから資金を巨額に与えられて事業を拡大した社長が多いだけに、引き際をきれいに出来るのかどうか疑問です。人間としてみっともない引き際にだけはして欲しくないと思っています。

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