

■ 一変した株式市場 ■
先月のメッセージで は暗い話ばかりでしたが、悲惨な状態の新規公開市場が息を吹き返しました。きっかけとなったのはスターバックスコーヒーの上場です。10月10日に公募価額 6万4千円に対して8万円で寄りつきました。公開株数も28万株もあったのでその影響が大きく一気に新規公開市場に火がつきました。10月31日公開のイーシステムに至っては初日どころか2日目もストップ高で値が付かず、ようやく3日目に公募価額18万6千円に対して 111万円で値が付きました。しかも当日もストップ高の131万円買い気配で終了という最高のスタートを切りました。顧客管理システムに特化した会社で売上も14億円(前期)、経常利益も1億数千万円とそれほどの高成長企業とも思われませんが、公開のタイミングが最高でした。この会社の非常勤取締役である大前研一さんも940株所有しており、一気に資産家です。なおこの会社の株価は1週間経っても123万円と、公開株価としては理想的な状況となっています。証券会社も発行会社も公開時には公募株を買った人ばかりでなく、寄り付きの初値で買った人も儲かる相場が形成されることを望んでいます。初値が公募価額より高くなる会社は幾らでもありますが、初値から更に買い進まれる会社は滅多にありません。初値で買った人が「高値掴み」にならない公開株相場が理想的な公開です。
9月の14銘柄公募価額割れに対して10月は14銘柄全銘柄が公募価額を初値が上回りました。しかも公募価額をちょっと上回るような上回りかたではなく、先ほどのイーシステムを筆頭に軒並み何割アップという上回りかたで投資家の懐を潤わしました。最近あまり儲ける チャンスがなかった株式市場ですが、これで新規公開市場はフィーバー状態に一変し、現在は公募株を手にするのが極めて困難な状況になっています。
この状態が今月末の大物上場の電通まで続けば、相場全体に与える影響は極めて大きくなります。10月の新規銘柄が好調だったからと言って、スターバックスを除けばはっきり言って「小物」ばかりです。機関投資家が組み入れてくるような銘柄は殆どありませんでした。ですから幾ら儲かったからと言っても殆どは個人投資家です。やはり機関投資家が参加するような大型ファイナンスが成功しないと相場反転のきっかけにはなりません。そのよい例が98年 10月のNTTドコモの上場です。98年も夏以降公募割れが続出していましたが10月中旬のドコモが公募価額390万円に対して460万円に寄り付くという好相場を示現したために一気に相場のムードが変わり、これが99年のネットバブルのきっかけとなっていきます。
今年も電通の公開が成功すれば 12月18日のパソナ、12月20日の大和証券系のベンチャーキャピタルNIF、そして再申請予定の野村総研の公開へとつながっていきます。持ち合い解消売りの大型株や不良債権処理が進まないために売られている銀行株と違って別の好相場が形成されることになるかも知れません。とりあえず電通公開までの新規公開株には全部参加しても大丈夫でしょう。電通までは絶対火は消せません。

■ ますます緊迫化する日本経済 ■
11月に入ってから金融市場が俄に緊迫してきました。これまでも何回もお話してきましたが、とうとう朝日生命が東京海上あんしん生命に営業を譲渡することが決まりました。大手生保の破綻が近づいてきました。大和銀行もあさひ銀行も株価が100円割れです。来年3月のペイオフを控え、定期預金の解約も本格化します。冷たい言い方をすれば、株価100円割れの銀行に未来はありません。存続に対する信頼性は失われています。
ただでさえ行き詰まっていた日本経済に与えたテロ事件の影響は深刻です。米国内の消費の冷え込みは尋常ではありません。巨大な赤字を計上した日本の半導体産業の将来がまだまだ不透明な中で、発生したテロのため、IT産業の業績回復の見通しが立たなくなってきました。
先日終了したGEのジャック・ウェルチ前会長の日本経済新聞の「私の履歴書」を読まれて、「経営者の資質」というものについて考えられた方も多かったと思います。ウェルチ会長は現在来日されて各所で講演をされていますが、やはり今までの経営者とはだいぶ異なる感じですね。「卓越した」という表現が正しいかどうか分かりませんが、ただ者ではありません。社交辞令かどうか分かりませんが、ウェルチ氏は日本企業の未来についてはかなり明るい見通しを語ったようです。日本においてもソニーの出井会長、トヨタの奥田会長等の優れた経営者がいますが殆どの経営者は製造業の経営者です。我が国にとって不幸だったのは金融界特に銀行業界に傑出した経営者が出なかったことです。他社の動きと社内の調整にだけエネルギーを費やし、挙げ句の果ては総会屋に利益供与を行い捕まったり、惰性で貸し付けを続け不良債権の山を築いたりと、ろくな経営者がいません。一人でもあのバブルの真っ最中に先を見通した毅然とした態度の経営者がいれば、日本の金融界もここまで総崩れにはならなかったでしょう。どうも日本の銀行はもう駄目なようです。色々な話を聞いてみても不良債権の額はますますふくらみ到底処理できるような金額ではなさそうです。

■ テロ事件について ■
先月号ではテロ事件の本質についてお話ししましたが、先日読んだ雑誌の中で8月末に 「フィナンシャルタイムズ」のジム・ダンカン氏が「この24時間以内で、何が起こっても不思議はないくらい世界は緊張している。アメリカという国は15年に1度、戦争を起こさないと国が回らない軍産複合体になっている。湾岸戦争から12年目、ちょっと早めの2002年に戦争が起きる可能性は高い。次の戦争も原因は宗教か石油」と述べていました。米国が次の戦争を待っていたことは事実のようです。

■ 携帯電話のお話 ■
携帯電話もまた次の世代に移行しようとしています。 私もそろそろ現在の機種にしてから10ヶ月(ドコモでは10ヶ月継続して使用すると機種変更料金が安くなります)経過しますのでそろそろ新しい機種に変更しようと考えています。データ通信速度と通話品質からすればドコモの最新機種「FOMA」と言うことになりますが、待ち受け時間が僅か50時間ほどしかありませんし、サービス圏内も狭く話になりません。来年の春には現行サービスとFOMAを同じ番号で切り替えて使えるデュアルネットワークサービスが始まるのでそれまで待とうと思います。なお現行のFOMAは来春のデュアルネットワークサービスには対応していないので注意が必要です。と言うことでiモードが必須の私にとってはドコモのiSシリーズと言うことになってしまいます。
電車の中で他人の使っている携帯電話を見るとストレート型の携帯電話を使っているのはメールと関係のなさそうな小父さんばかりで、若い子やヘビーユーザーと思われる人は皆フリップ型の機種を使っています。現在最も人気があるのはNECの機種ですが、これまでNECの機種は充電器のインターフェースが他の機種と異なっているため、汎用性が低く嫌われる面もありましたが、最近にわかにユーザーが増えてきたため、出先で充電させてもらえる機会も増えてきたようです。「そんなにすぐバッテリが切れるのか?」とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、10ヶ月も使って、iモードの使用が多いとバッテリは1日持ちません。夕方には充電が必要になります。以前お知らせしたパソコンのUSBから充電できるケーブルを持ち歩いていますが、いつもパソコンのある場所にいるとは限りません。先日とうとうコンビニで緊急充電池を購入する羽目になってしまいました。580円でしたが殆どフル充電出来たようです。バッテリだけ替えれば良いようなものですが、バッテリを新規に購入すると5000円もするものですから、つい新機種に買い替えてしまいます。また最近ますますメールのやり取りやiモードの使用時間も多くなっているので、携帯電話が1台では足りなくなって来ました。iモードの画面やメールを見ながら電話をかけることも多くなってきましたのでこれからはまた電話を2台持つことになりそうです。iモードとメール用にはやはり最新機種のN503iSでしょうか?私は電話番号のメモリが500件を超えるため、PかNしか使えません。しかし最近のiモードの便利さは大変なものです。株価や銀行取引は言うに及ばず、近くの空いているコインパーキングの情報から最寄りのスタバまで検索できます。(スタバはご存じですよね?)
しかし電話2台で207グラム、最近は「最軽量のデジカメ64グラム」も常時持ち歩いていますので、「軽量」を色々持ち歩いてその重量に参っています。

■ バウリンガル(動物語翻訳機)発売 ■
犬好きな方に耳寄りなお話です。来年2月にタカラから「バウリンガル」という動物語翻訳機が発売されます。これは犬専用で、犬の首輪に装着し、犬の鳴き声を本体に送信し、声紋分析して本体の液晶画面に200語の登録してある言語として表示すると言う物です。
言語は大きく「フラストレーション」「威嚇」「自己表現」「楽しい」「悲しい」「欲求」の6つに分かれており、「楽しいな」とか「悲しいな」と言う言葉が画面に表示されるそうです。
将来この技術が進歩して、犬に話しかけた人間の言葉が犬語に変換されるかと思うとぞっとしますが、とりあえず犬に気を遣いながら飼う人が出て来るという面白い現象が見られることになりそうです。興味のある方は是非どうぞ。

|