■ 日本は危機を克服できるのか ■


 新年あけましておめでとうございます。

 本年もソルトレークオリンピックやサッカーワールドカップといったスポーツイベントが目白押しですが、その前に1〜3月に訪れるであろう経済危機に対する対応をまず考えなくてはいけません。12月の青木建設の倒産以来、年末には幾つかの企業で倒産の噂で持ちきりでしたが、たいした大型倒産も無く年を越しました。しかしそれは単なる延命ではなく、大型倒産に対する対応姿勢が取れていなかったために先送りされたに過ぎません。周囲の準備が出来次第、順次破綻させていくことになるでしょう。建設の数社は間違いありませんが、商社については単独の倒産となるのか、合併等の手が打たれるのかはっきりしません。問題は流通大手ですが、これに対しては金融機関に対する影響が大きく、金融機関自身の問題をはっきりさせてからでないと倒産させることが出来ません。と言っていたらD社について大規模な債権放棄計画と債務の株式化の話が飛び込んできました。ここ数日間が山場です。

 年初の大発会の株式相場は久しぶりに大幅高しましたが、為替差益を当てにした情報輸出産業の高騰に引っ張られたに過ぎません。主要な国内産業で見るべき業績を上げているのは自動車産業ぐらいです。さらに自動車産業は年末からの円安も追い風になってさらに利益が増額されるでしょうが、単に円安を喜んでいるわけにも行きません。世界のマスコミが日本の経済状況をアルゼンチンと同様に捉えるようになってきました。「そんなバカな!」と私たちも政治家も笑っていますが、そう見られていることにもっと強い関心を寄せる必要があります。世界からそう見られていることに寄るための円安であるのか、あるいは何らかの政治、金融的な判断からの円安なのか、その差は大変大きなものがあります。

 年末にかけて多くのエコノミストや評論家が日本経済の現状や先行きについて著書を著しましたが、特に目を引くのは「日本からの資本の逃避」について触れた書籍が幾つか見られるようになったことです。特に浅井 隆氏やKPMGフィナンシャルの木村 剛氏等が資本の日本からの逃避について警鐘を鳴らしています。年初の円安を見ると既に資本は日本からの逃避を始めているようにも見えます。外貨預金高も急増しています。

 これまで私も日本は「世界最大の債権国」であり「世界の個人金融資産の半分以上を保有する国」であるため、「円高」は必至、と考えてきました。しかし資本が海外に逃避し円安に歯止めがかからず、国内では国債が暴落し金利が高騰すれば前記の二つの要素も吹っ飛んでしまいます。9日には長期プライムレートが2%台に乗りました。不気味な動きです。

 またこうしている間にも、日本に対する世界の信用は低下の一途を辿っています。国債価格暴落の危険性はますます高くなってきます。そうなると大量の国債を保有している日本の生命保険や銀行は立ち直れないほどの傷を負うことになります。日銀の積極的な量的緩和が逆目に出ることにもなりかねません。これまでなら不良債権処理のための国債増発が行われても金融の量的緩和が行われているために、資金の行き場がない銀行が国債を購入し、資金は日銀に環流することによって国債価格は暴落しないできました。しかし資金が海外に逃避を始めると国債価格は一気に暴落し金利も高騰することになります。銀行も生保も実は国債の購入が大きなリスクであることは分かっているのかも知れません。しかし誰かが自分だけのリスク回避を図って国債の購入を止めて資金を海外に逃避させれば信用崩壊は一気に進みかねません。

 新年の皆さんの談話を聞いていても、日本経済に対する危機感をいっそう強める経営者に対して、政治家の金融危機に対する緊迫感の無さが目に付きます。「金融が危機的状況にあるとは思えない」と発言する人間に金融庁長官を任せておいてもいいものでしょうか。 何より残念なことは、政治や官僚がコントロールできる数少ない手段である税制が景気浮揚に水を差すような改正ばかり続けていることです。設備投資優遇税制についても「優遇税制廃止論」に押されて縮小の一途ですが、例えばパソコン減税の継続等をかんがえるべきでないでしょうか。せっかく1点20万円未満まで経費としての処理が認められていたのに、消費を抑制するかのごとく限度額を10万円まで引き下げるセンスの無さ。不動産バブルはとっくに崩壊しているのに未だに解除されないマンション投資抑制税制。もし、不動産投資に対する優遇税制、特に不動産投資による損失と他の所得との通算を禁止している現行税制を廃止すれば一気にマンション投資が盛り上がり大幅な景気浮揚効果が期待できます。

 また何度も繰り返しますが、建前論を振り回し、源泉分離課税の廃止時期を繰り上げるといった愚行。今、個人資金が一斉に株式投資に向かうような税制改正が行われれば経済の状況は一転します。個人消費は増大し企業の含み損は解消します。以前から言っているように、相続税のかからない国債を発行するとか、株式売却損と他の所得との通算を認めるとか、積極的な政策が必要だと思います。本当に急がないと取り返しがつかなくなります。裏金まで合計すれば日本の経済力はまだまだ一流です。

 車のアクセルを踏みながらブレーキも踏み続けるような愚考を止めるだけでずいぶんと状況は変わると思いますが、このようなことがまだ行われているうちは、政治家や官僚に本当の危機感は無いのではないかと思ってしまいます。




■ 買い物を考えている方へ ■


雑誌の新年号を見ていると購買意欲をそそる記事ばかりです。特にAV、ブロードバンド等のIT機器に関しては新製品が続々登場しており目を引かれます。私は自他共に認めるOA機器を中心とした小物のカタログマニアですので、皆さんの参考になるかどうか分かりませんが、思いつく限りの商品について思いつくままにコメントしてみたいと思います。

 ● ビデオデッキ
 D−VHS、DVD−RW、DVD−RAM、HDDと色々の媒体が あって迷うところですが、S−VHSデッキとHDDレコーダーを搭載したビクターの機種か、HDDとDVDを搭載したパナソニックや東芝のハイブリッド機がお勧めです。 *ビデオデッキばかりでなく加湿器や自動車まで「ハイブリッド」が注目されています。「ハイブリッド」が今年のキーワードかも知れません。

 ● ビデオカメラ
 超小型として有名になったソニーのDCR−IP7ですがこれまでのデジタルビデオテープが使えないので互換性の面から見て×

 ● デジタルカメラ
 画素戦争も一段落ですが、画素数が高くても印刷テクニックやプリンタの質が低くては何の意味もなく、200万画素もあれば十分。問題は重さ。200グラム以下でないとよほどのマニアでないとすぐ嫌になってしまうでしょう。9日に発表されたミノルタの新機種に注目です。

 ● カーナビゲーション
 昨年初めて発売されたHDD機が今年の主流になるでしょう。都市部に住む私達にとっては渋滞回避機能に優れたパナソニックかアルパインが適当かと思いますが、地図及び誘導に関しては圧倒的にカロッツェリア(パイオニア)でしょう。タッチパネルの機種が使い勝手としてはお勧めですが、アホな機種ばかりです。但しトヨタの高級車用の純正ナビは大変優秀です。

 ● 携帯電話
 次世代携帯電話「FOMA」は待ち受け時間が50時間ほどしかなく、機能以前の問題で実用的には使い物になりません。また前にもお話ししたように夏からのデュアルネットワークサービスに現行機種は対応していないので、今は待ちです。

 ● パソコン
 携帯ノートの場合には公共の場や喫茶店等にこれからどんどん設けられるであろう無線LAN基地との接続を絶対考えておくべきだと思います16:57 2002/01/11。今年のキーワードは「街角インターネット」。またパソコン全般では規格等の問題もあり、本格的に購入できるのは年末でしょう。それまでに購入する方は「つなぎ」と考えるべき。またウインドウズCE機及びPDAはホームページによっては見ることが出来ないページがあるのでサイト閲覧用としては期待しないこと。

 ● インクジェットプリンタ
 世間の評判通りインクジェットプリンタは「エプソンのカラリオ」で決まり、と思っていましたが、昨年購入したキャノンのピクサスはエプソンよりも高速、静粛で使い勝手は抜群です。A4サイズの写真ばかり印刷する人でもない限り、キャノンの方がお奨めです。また、最近流行の複合機ですが、あまりたくさんの機能を持ったものよりも、せいぜい二つか三つの機能に絞った方が良いと思います。私の使っている複合機はFAX機能が邪魔でトラブルの元になっています。

 ● インターネット
 今年の本命はインターネット電話です。世界中どこでも3分10円ほどの料金でかけることが可能になりました。マイラインは「イーアクセス」に注目です。

 ● テレビ
 これもプラズマディスプレイが今年の中心商品でしょうが、2月の冬季オリンピック、5月のサッカーワールドカップまでに1インチ1万円までのレベルまでの価格ダウンは無理でしょう。それに近くなるのは年末でしょうか?軽い、薄い、きれいといいことずくめのように言われているプラズマディスプレイですが雑音と画面の劣化という問題を抱えています。これまでのブラウン管のように10年間も同じ画質で見ることが出来ると思っていると大間違いですからお気をつけ下さい。

 ● 自動車(番外編です) 
 ・外車部門

 昨年のインポートカー・オブ・ザ・イヤーに輝いたアルファ147ですが自動車誌のレポートではトラブル続きで散々です。対抗馬のプジョー307は全高153センチと立体駐車場では断られることもあり得る高さですから気をつけましょう。新しくなったBMWの3シリーズではATの変速が今までと逆になり手前でシフトアップ、前方でシフトダウンとなりました。絶対止めた方がいいと思います。やはり車は手前がシフトダウンであるべきです。またBMWの営業マンの尊大さも我慢できません。「ベンツなんかと比べないで下さい」といった言い方は本当に気に障ります。新アウディA4については「足回りが固すぎる」と言う評判が多いので購入なさる場合には事前に試乗をお勧めします
 ・国産車部門
 あまり多岐に渡るのでコメントを差し控えますが、エスティマハイブリッドだけはお奨めです。



 今年もモットーは「何事も経験」色々試して皆さんに役に立つ情報を提供します。





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