■ 今年の花見 ■


 史上最悪とも思える東京の花見の季節が終わりました。今年の桜は「桜フリーク」の私には到底許すことが出来ません。開花時期が早まったことに文句を言っているわけではありません。問題だったのは気温と天候です。3月15日過ぎに東京の気温は一気に上がり、あっという間の開花宣言となりましたが、開花宣言以降一挙に冷え込み、夜桜見物どころではありませんでした。と言って、花見の季節が長くなったかと言えば、21日の春分の日の突風で、咲き始めた桜の花びらどころか、つぼみまで根こそぎ持っていかれた木が続出しました。それに加えて23日の土曜日は冷たく強い雨が降り、これも花びらを散らしたばかりか、色合いを一挙に悪くしました。その後も不順な天候が続き、週末には再び強い雨が降り、散り始めた桜に拍車をかけました。天候が回復し、気温も一気に上がった月末の週末には、殆どの桜が葉桜となり、結局見頃の桜をまともに見られた人は殆どいないという結果となりました。

 私もこのままでは今年中欲求不満になってしまうと思い、京都にまで出張りましたが、あちらもソメイヨシノはすべて盛りを過ぎていて、まともな木は一本もありませんでした。尤も、各地の枝垂れ桜や八重桜はほぼ満開、また「遅咲きの桜」として有名な仁和寺の「御室桜」も7分咲きと最高の花見となりました。

 しかし、桜と言えばなんと言っても「ソメイヨシノ」、見事なソメイヨシノの咲き様を見なければ、寝ても覚めてもいられません。今月中旬には東北出張の必要がありそうです。角館の桜や弘前城の桜見物は引退後の楽しみに取っておこうと思いましたが、そんなことは言っていられない状況になってきました。
 ということで、現在東北花見旅行の企画を練っています。と言っていたら、福島の「三春の桜、満開近<し」の報が入ってきました。岩手の「遠野の桜」の見頃ももうすぐです。
 日本はいい国ですね。

      私の最も好きなもの・・・・八分咲きのソメイヨシノ
      私の最も嫌いなもの・・・・散り始めたソメイヨシノ
      私の嬉しいこと・・・・・・・・予定より前の電車や飛行機にぎりぎりで飛び乗
                     れたこと
      私のイヤなこと・・・・・・・・予定の電車や飛行機にぎりぎりで乗り遅れること
                     登りのエレベーターで、私より上の階で乗ってき
                     た人が私の行く階より下の階のボタンを押すこと




■ 議員辞職 ■


 一般大衆の期待を裏切って、一気に辞任に追い込まれてしまった辻元清美議員ですが、その後も議員秘書給与の不正詐取疑惑が続々出てきます。先日もある元国会議員の方の話を伺いましたが、民主党の山本譲治議員の「秘書給与詐欺事件」以降、同じことをやっている議員はいないけれど、それまでは多くの議員が似たようなことをやっていたようで、今でも家族を秘書にしている例は多いようです。

 ですから辻元議員も「私、議員に成り立てで何にもわかりませんでした。ごめんなさい。」と言っておけば辞めるところまで行かなかったものを、よく調べもせず「週刊新潮の記事は事実と違います。」とやったものですから一挙に傷を大きくし、結局辞任にまで追い込まれてしまいました。そのあたりを指導できる先輩議員がいなかったことが、彼女にとって不幸だったと言わざるを得ません。誰も、1年生議員が秘書給与の一部を事務所経費としてバックさせることを思いついたとは思っていません。ただ、もしかしたら辻元前議員は土井委員長に類が及ぶことを恐れて、我が身を捨てて委員長と党を守ったのかも知れません。そこまで考えての行為だとしたら敬服せざるを得ません。

 但し、一部政治資金の私的流用を認めたとは言え、秘書の監督責任を取った形で議員辞職した加藤前幹事長の影響は少なくありません。もちろん、どの議員も加藤前幹事長が「秘書の監督責任」のためだけで辞職したのではないことはわかっていますが、これを理由に挙げて辞めた議員がいることは今後少なからず他の議員の言い訳に影響が出てくることと思います。
 しかし、天災以外の物事には何事も裏がありますから、今回の一連の動きにも何かの意図が隠されているのかも知れません。政治の世界も奥が深いですからね。



■ 株価予測 ■


 見事にはずれてしまった私の3月末の株価予想でした。1万3千円を突破するどころか、1万1千円をキープするのがやっとでした。原因ははっきりしています。政府の株価対策が中途半端だったためです。攻撃を一度仕掛けたからには相手を完膚無きまで叩きつぶすのが鉄則です。それがちょっと攻撃をしてみたら、相手があっという間に後退して、落城の危険がなくなったものだから、追撃をせずにそれっきりにしてしまいました。今は日本初の金融大恐慌を防ぐためだったら何でも許される時期です。何人もの株式評論家が市場経済に介入した政府を避難していましたが、一度禁じ手を使ったならば、意地でもその目的を達成するまで新たな政策を打ち続けるべきでした。二の矢、三の矢も用意されていたはずですが、一の矢の効果が思いの外大きかったため、安心仕切ってしまい追撃態勢を取らなかったために、腰砕けの対策となってしまいました。本当に政治家、官僚には失望しました。
 彼らには結局期待出来ません。ここからは負け惜しみの発言ですが、これからは公的資金の買いも期待出来るし、IT不況も底打ちしてきたようだし、金庫株制度の解禁で自社株買いも増えそうだということで、市場全体としては上昇していくと考えます。

 「ところで4月1日、生保として初めて大同生命保険が東証に上場を果たしました。多くの生命保険会社は相互会社として運営されており、資金調達力強化のために、敢えて株式会社化を実行した大同生命の英断とその努力に対して多くの賞賛が寄せられました。何しろ中堅生保とは言え、契約者数約93万人です。相互会社ですから基本的には全契約者が社員として株式を受け取る権利を有していました。これをどのような寄与比率で契約者に割り当てるのか、気の遠くなるような計算が行われたようです。その結果約7割の契約者に株式が割り当てられ、1株以上の整数株を割り当てられた契約者は約30万人に上ったようです。100株以上割り当てられた契約者は総て法人だったようですが、個人でも数十株を割り当てられた方がいたようです。たとえ10株としても1株27万円ですから、これだけで270万円になります。


 これについては昨年3月末現在の契約の状況で割り当てられましたので、直前に大口の契約に加入して、かなりの株式の割り当てを受けた契約者もいたようです。これを見て来年株式会社化が予定されている太陽生命においても、この3月に株式割り当て目当ての保険加入がかなりあったようです。
 株式割り当てについては保険商品、加入時期等により大変複雑な計算が行われますので一概に申し上げることは出来ませんが、他の会社の商品では到底期待出来なかった、経済的利益を享受することが出来ることは間違いありません。私も何人かの方には大同生命の保険をお勧めしていたので、その内の何割かの方は株式を手にすることが出来ました。同一保険ならば殆ど保険料は同じなのに、偶然大同生命に加入していた人だけが利益を享受出来るのは不公平な感じもしますが、まさに「運」としか言いようがありません。

 株価も公募価格の27万円を上回る32万円で寄りつき、その後も堅調に推移しています。
 大同生命にとって何よりも幸せだったことはスクを取りに行かず健全運用に徹した経営者と、株式化の困難に積極的に取り組むリーダーシップを持った二人の経営者がいたことです。バブルの時代に、多くの生命保険会社が不動産投資や有価証券投資に走った時代に、頑として自説を曲げず、株式投資を行わなかったことは逆に大変勇気がいることだったと思います。また、これだけ巨大化した生命保険相互会社の株式化の決断も並々ならぬものだったと思います。

 こうしてみると、企業というのはどんな大企業でも、やはり経営者の器で決まってくるのではないかと思います。見識の高い、リーダーシップを持った経営者を生み出す風土を備えた会社が「優れた会社」ということになるのでしょう。多数意見に従わず、なおかつ独断経営で企業を誤った方向に導くことのない経営者が求められています。松下幸之助氏や本田宗一郎氏は別格としても、過去で言えば、ソニーの故盛田会長、京セラの稲盛会長、現在で言えばセブンイレブンの鈴木会長あたりが名経営者と言うことになるでしょうか。



■ 最近とても面白かった言葉 ■


 < 大和ハウス工業 樋口武男社長 >
   だめになっていく組織は問題意識が無いため、トップが「火事や」と言った時
   に、二番目も「火事や」、三番目も「火事や」と最後まで「火事や」で終始して
   しまう。それでは燃え続けるだけで、企業なら倒産です。優秀な組織では
   トップが「火事や」と叫んだら、ナンバー2は「どこや?」と応じ、ナンバー3は
   「どのぐらいの規模や?」ときちんと状況を把握する。


 < 立教大学 斉藤精一郎教授 >
   政府の政策は「小出し」「先送り」「場当たり」

 < 松藤民輔氏 >
   およそ事業とは自分の信念の通し方のようなものだ。人の言いなりになって
   も、アドバイスを聞き過ぎても事業は成立しない。経営が民主主義の多数
   決で決まるとしたら、誰もが成功というカギを握れることになる。

 特に松藤氏の言葉は至言です。株式投資の場合で言えば、誰もが「この株は儲かる」と思う株を買って儲かることは絶対ありません。もし全員がそう思うなら誰も売りません。





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