Fight!  vol. 4


「あれ、リナさんじゃないですか!」

聞き覚えのある声に呼ばれ振りむくと、そこには金色の髪をなびかせた女と、青い髪を逆立てた男が立っていた。

「フィリア?ヴァル?お久し振り!」
「何所にいたんですか?ずっと探してたんですよ!」
「ちょっと、そこらおね。」
「そうなんですか。・・・それから!リナさん、ガウリイさんが他の人とぺヤー組んでましたよ!!何でリナさんはガウリイさんと一緒に組まない・・・」
「しっ〜!!」

フィリアの声はリナの手に妨げられた。

向こうでヴァルとゼルのたわい無い会話が聞こえる。

「・・・フィリア、誤解しないで。ガウリイと私は何でもないの。」
「でも、初めて会った時はあんなに!・・・」
「違うの。そんなんじゃない。」
「・・・そうですか・・・」
「ええ、それでフィリアとヴァルは、めでたく結婚か。」
「な!何で解るんですか?」
「お揃いのシルバーリング、薬指に付けてるし。こうなる事は私でも分かったしね!」
「そうですか。」
「で、新婚生活はどう?」
「けっこういいですよ。でも育児育ては大変で・・・」
「子供もいるの?!」
「ええ、リァルっていう三歳になった男の子が・・・」
「へえ〜、それは一度見に行かきゃ!」
「・・・本当に良いんですか?」
「え?」
「ガウリイさんの事・・・」
「・・・うん。いいの。」
「・・・他の人が貴方のいる席を取っても?」
「ええ、もうすでにある子の後ろを押したしね。」
「・・・いいんですか?」
「しつこいわよ、フィリア。いいの!」
「なら良いですけど・・・」

と言いつつフィリアは、リナの声が上ずっているのを見逃さなかった。


「さてさて、登録も済みましたし、次はどうしますか、アメリアさん。」
「リナさんを探して、パートナーが誰かチェックします。」
「そうですか。えっ〜っとリナさんの気配は・・・」

すーっ

ゼロスはある一点を指差した。

「あっちにいますよ。」
「そうですか。それじゃ、行きましょう。」
「アメリアさん、今度は・・・」

シュポ

アメリアは見事にゼロスの腕の中にはまる。

「ちょっと・・・!!」
「さあ、行きましょう。」


「おい、ラフィー大丈夫か?」
「・・・」
「ラフィー??」
「・・・えっ・・・あっ、はい、なんでしょう?」
「大丈夫か、なんか昨日あれから変だぞ。」

あれからとはリナと一緒に行って帰った時の事だ。

「大丈夫ですよ。」

ニコッ

ゼラフィンは上手く笑顔を作ってみせる。
「無理するな。そんなに魔族だって事を知ってた事、怒ってるのか?」
「いいえ、違いますよ。ただ、少し考えてるだけです。」
「・・・まあ、いいけど、あんまり悩むなよ。」
「ええ、気を付けます。」

「あっ!」

ガウリイは人込みの中、指をで男女のペヤーをさす。

「なんですか、ガウリイさん?」

ゼラフィンが振り向く前に、ガウリイは走りだしていた。


「それじゃ、フィリアとヴァル頑張って審判してね〜。」
「ええ、また後でリナさんとゼルガディスさん。」
「ああ、またな。」
「そっちも頑張れよ・・・」

と言いヴァルはゼルガディスの耳にひそひそと何か付け加えて言った。

ゼルガディスはそれを聞きつつ耳がほのかに赤くなる。

「・・・と言う事だ。いいか、しっかり最後の戦まで勝ち抜けろよ。」
「ああ、わかった。」

リナはゼルガディスの腕を掴み反対方向に歩き出した。

「本当にこれで良いのでしょうか?」
「何がだ、フィリア?」

リナとゼルガディスの後ろ姿を見て、フィリアは不満げに言った。

「リナさんにはやっぱりガウリイさんがお似合いな気がして。」
「まあ、それは、本人の気める事だし、変えられねえから。」
「それでも、なんか二人は運命の様に出会ったような気がして・・・」
「・・・リナなら運命だって変えれるさ。俺とあんたがくっ付くなんて、神だって予想してなかっただろ?運命はいつも誰かに変えられてるのさ。」
「・・・そうですね。私が気にしても、しょうがないですね。」
「ああ、それじゃ、行くぞ審判の場へ」
「そうですね、行きましょう。」

フィリアはヴァルの腕を掴み頭を肩にもたれ、幸せを噛み締める様に歩いた。


ゼラフィンはガウリイの走っている方向に視点をあわせる。

「・・・・・・リナさん・・・」

ゼラフィンの口から言葉がこぼれ落ちる。

そしてその隣には・・・

ゼラフィンにはリナさんがその男の人に見せた笑顔が恋した女の特別な笑顔だと言う事がすぐわかった。

「・・・だから、・・・リナさんは・・・でも・・・ガウリイさんは・・・・・・」

ゼラフィンの語尾が震える。

ガウリイが目の前を走るのを眺め、ゼラフィンはその場に立ち尽くしてしまった・・・


「リナさん、今回はお互いライバルみたいですね〜。」
「・・・そ、その声は・・・」
「・・・」

ゼルガディスも嫌そうな顔で振り向く。

そこにはニコニコ笑顔のゼロスに、彼の腕の中に抱かれた真っ赤アメリアがいた。

「・・・あ、アメリア?」
「・・・ま、まさか・・・」
「そうです、ゼルガディスさんがお察しの様に、アメリアさんは私のパートナーです。」
「・・・なっ!ちょっとアメリア、アンフェアーよ!」
「リ、リナさんだって、アンフェアーですよ!」
「うっ・・・」

リナは言葉に詰まってしまった。

「まあまあ、正々堂々なんてどうでも良いじゃないですか。この際、どうなっても勝てば良いと言う事にすれば。」

ゼロスが平然と言う。

「そ、それしかない様ね。」
「そうですね。」

ギラリとリナの目が光りアメリアを睨む。
その瞳はまるで獲物を狙う狼の様な鋭さが宿っている。

負けじとアメリアも睨むが彼女の額には脂汗が早くも浮き出てきた。

「そろそろ行くぞ、リナ。」

ゼルガディスの声に我に帰りリナは目をアメリアから放す。

「あの、アメリアさんお気持ちは嬉しいのですが、そう強く腕にしがみつかないで、くださいますか?」
「あっ、すいません。」

アメリアはゼロスに言われはじめて、ゼロスの腕を握っていたのに気が付いた。

「それじゃ、また。」
「ええ、リナさん達も決勝で合いましょう。」

ゼロスはそう言い残すとマントで腕の中のアメリアを包み、空間に消えた。

「ゼル、私達も行こう。」

リナの声が軽く震えているのにゼルがディスは気が付いた。

「リナ、大丈夫か?」
「ええ、平気ちょっとしたら落ち着くから。」
「何でそんなにこの大会で勝ちたいんだ?」
「アメリアと・・・賭けをしたから・・・」
「何を賭けたんだ?」
「・・・大切な・・・もの。」
「・・・そうか。」

これ以上聞きだせないだろうとゼルガディスは思い、大会が始まるまで黙ってリナの横にいた。



Vol.5 へ


セラフィーナ様よりのお言葉。

ほ〜いもうわてにもお話がどうなるか理解不可能&分からない!!
もうお話がひとりでに暴走しました、、、、、5くらいで終わるはずが、、、、7とか10とかに、なりそうな不吉な予感、、、、すいませんね〜。

それでは、また(皆様が嫌でも戻ってくるので、、、)


うふ、うふふふふふふ・・・・・。
お話は5だろうと、7だろうと10だろうとOK!OK!!
気にせずにバンバンお願いするです。
なんたって、ここのHPのメインはセラちゃんのお部屋だもんなぁ・・・・(爆)

三下管理人 きょん太拝


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