映像作品感想記録(2000-01)


06-Jan-2000

【ドラマ】京極夏彦 怪 第1話「七人みさき」
京極夏彦[原作・脚本]
酒井信行[監督]
田辺誠一、佐野史郎、遠山景織子他
WOWOW 2000年1月3日放送
 京極夏彦の「巷説百物語」のうちの 一編「七人みさき」をドラマ化したもの。 といっても原作に沿ったものというよりはTVドラマ用に大幅に翻案している。 最初にキャストとその奇天烈な格好をみたときに一体どうなることかと思ったが、 なかなか良質な時代劇に仕上がっている。 どちらかというと京極版「必殺」といったところだが、 冒頭に京極夏彦がでていたり、「必殺」といえば中村主人な藤田まことが重要な役ではないけれど出演、 さらに一時レギュラーだったひかる一平が情報屋的な役割だったりしてそういう方面の楽しみも十分。 最近多くなったビデオ撮りではなく、フィルム撮影であるあたりがスタッフのやる気を感じさせて良い。 この話を含めて全4話だそうで、次回以降も非常に楽しみだけれど、 週1で1時間もののレギュラー番組にならんものだろうか?


20-Jan-2000

【DVD】勇者王ガオガオガーFINAL FINAL.01 勇者王新生!
[原作]矢立肇 [監督]山口祐司 [総監督]米たにヨシトモ
[脚本]北嶋博明 [演出]原田奈奈・山口祐司
[製作]ビクターエンタテインメント、サンライズ
[CAST]獅子王凱:檜山修之/天海護:伊藤舞子/ルネ・カーディフ・獅子王:かかずゆみ/卯都木命:半場友恵ほか
29min 片面一層
 機界31原種の侵略終結から1年余り。GGGは秘密結社バイオネットと戦いつづけていた。 スイスで奪われた「Qパーツ」を巡って、バイオネットのメカと戦うため、 Gストーンによってサイボーグから超進化人類ともいえる生機融合体、エヴォリュダーとなった獅子王ガイは、 新たなる勇者ガオファイガーにファイナル・フュージョンする!
 一方、初野華は海辺でかつてのクラスメート、戒道幾巳を発見する。 そして彼に戦いを挑んでいったのはギャレオンとともに宇宙へ旅立った天海護だった…

 「勇者シリーズ」の最終作、「勇者王ガオガイガー」の続編。
 いきなり戒道=アルマvs護=ラティオの戦闘から始まって、 ラストで護による「Qパーツ」の強奪となかなか謎めいたスタートであるけれど、 基本的には「イークイップ」「ファイナルフュージョン承認」「ディバイディングドライバー」 「ゴルディオンハンマー」などなどの「お約束」満載で、さらに 第1巻からオールスターキャストで、まずは「顔見世」といったころか。 新キャラもいるけれど、いまのところどういった人物かはわからない。 その中でも悪役「ギムレット」を演ずる青野武氏はすばらしい。さすがベテランである。
 続編となると大抵、「完結したものを無理につなげて、わけにわからない話」になったりするが、 さてどうなることやら。 1stインプレッションでは、多少CGがうざい、と思った以外は悪くないといったところ。 ただし、HOBBY JAPANで展開された「獅子の女王」や、 コミック版の「 エヴォリュダー・ガイ」で予備知識ないと、 かなりいきなりな展開なので、一般向けではないなぁ、という気はする。 ともあれ、本格的なストーリー展開は2巻からのようなので、ファンとしては一応期待したい。


23-Jan-2000

「ウルトラマン」VOL.3  ビームエンタテインメント(DVD/112min 片面二層) BBBS-1084
第9話「電光石火作戦」[脚本]山田正弘[監督]野長瀬三摩地[登場怪獣]ウラン怪獣ガボラ
第10話「謎の恐竜基地」[脚本]金城哲夫[監督]満田禾斉(*1)[登場怪獣]エリ巻恐竜ジラース
第11話「宇宙から来た暴れん坊」[脚本]宮田達男[監督]満田禾斉(*1)[登場怪獣]脳波怪獣ギャンゴ
第12話「ミイラの叫び」[脚本]藤川圭介[監督]円谷一[登場怪獣]ミイラ怪獣ドドンゴ
ミイラ怪人ミイラ人間
((*1)「禾斉」で一字)
 なんといっても第10話の「エリ巻恐竜ジラース」だろう。 誰がどうみても「ゴジラ」なので「エリ巻」つけたはいいが、 格闘の途中でエリ巻を引き剥がされるので、何の意味もないという曰く付きの話。 ストーリー、というか演出的には「恐竜にジビれた」科学者の妄執と、 格闘のコミカルさが意味もなくミスマッチで、 それぞれ個別に見るとなかなか面白いのだが、 どちらもが中途半端になって面白みが半減以下。 ウルトラマンはウルトラセブンより大体コミカルなのだが、 第12話「ミイラの叫び」なども話的にシリアスなものが入ってきている このVOL.3ではやや「外れ」なところがみえて仕方ない。 まあ、初期にはこういうこともあるのだけれど、洗練さとはかけ離れたのが惜しい。

「ウルトラマン」VOL.4  ビームエンタテインメント(DVD/112min 片面二層) BBBS-1085
第13話「オイルSOS」[脚本]金城哲夫[監督]円谷一[登場怪獣]油獣ペスター
第14話「真珠貝防衛指令」[脚本]佐々木守[監督]実相寺昭雄[登場怪獣]汐吹き怪獣ガマクジラ
第15話「恐怖の宇宙線」[脚本]佐々木守[監督]実相寺昭雄[登場怪獣]二次元怪獣ガヴァドン
第16話「科特隊宇宙へ」[脚本]千束北男[監督]飯島敏宏[登場怪獣]宇宙忍者バルタン星人
 実相寺作品2つを含むVOL.4。 光の具合、フジ隊員の真珠への「妄執」(笑)が「実相寺」していて、大変よろしい。 「オイルSOS」は「体中にオイルがつまった」ペスターをあっさりと倒してしまって、 「大変危険」なのがガソリンに燃え移った火であることに少々違和感。 イデ隊員の失敗談というだけか。 「科特隊宇宙へ」はバルタン星人再登場。 「スペルゲン反射板」もちょっとしか役に立たないというのが結構笑える。 しかし、「テレポーテーションはウルトラマンの命を著しく縮める」のはいいけれど、 2万年も生きててまだ現役な連中の寿命というと一体何年ちぢむというのだろう?


24-Jan-2000

「∀ガンダム」2  バンダイビジュアル(DVD/96min 片面二層) BCBA-0322
第5話「ディアナ降臨」 [脚本]星山博之[絵コンテ]斧谷 稔
菱田正和
[演出]岩崎良明[作画監督]戸部敦夫
第6話「忘れられた過去」[脚本]千葉克彦[絵コンテ]横山彰利[演出]池端隆史[作画監督]しんぼたくろう
中田栄治
第7話「貴婦人修行」 [脚本]浅川美也[絵コンテ]森 邦宏[演出]森 邦宏[作画監督]佐久間信一
第8話「ローラの牛」 [脚本]高橋哲子[絵コンテ]横田 和[演出]渡邊哲哉[作画監督]鈴木藤雄
 「世界名作劇場」な始まりを見せた新ガンダムの2巻目。 第5話ではついに月の女王、ディアナ・ソレルが地球へ降下してくる。 キエル・ハイムと瓜二つのその姿が後に月と地球の双方に大混乱を巻き起こすのだが、 それが次巻以降の話で、この巻ではディアナが「降臨」することで ディアナ・カウンターの侵攻も本格化し、それぞれの思惑が錯綜しあって、 軋轢と小競り合いが進んでいく。パワーバランスを保つため、 女装してパーティにでることになるロランなど、 笑える個所も多々あるのだが、第8話「ローラの牛」(実は∀で最初に見た話)では、 題名は長閑だが、平和な共存を望む月の「帰還民」と、土地を奪われて激昂する地球人との 大局的にみれば些細な、しかし当事者にとっては深刻な対立の前に、 自らの正体をあかし、地球と月との掛け橋になろうとするロランの姿が非常に重い話であったりして、 「世界名作劇場」の中にも少しづつではあるは「富野イズム」が見え隠れして、 非常に面白い。総監督もいい感じで肩の力が抜けているのか、 行きすぎた「富野節」もなく、作品を愉しめる。
 やはり「ガンダム世代」はdefaultとして、その他多くの人に見てほしい作品である。


25-Jan-2000

「ベターマン」Vol.6  ビクターエンタテインメント(DVD/50min 片面二層) JVBA-58006
第十一夜「霧−nebula−」[脚本]竹田裕一郎[絵コンテ]米たにヨシトモ[演 出]佐藤育郎[作画監督]千葉道徳
第十二夜「龍−dragon−」[脚本]竹田裕一郎[絵コンテ]日高政光[演 出]吉村 章[作画監督]寺岡 巌
 前巻の「蟲−musi−」が大層気持ち悪かったのだが、 第十一夜「霧−nebula−」はそれにも増して気持ち悪かった。「昆虫」系は苦手なんだよなぁ。 いくらおいしそうなにおいがしたといっても。 梅崎博士という、なんとなく鍵を握ってそうな人物とモーディ・ワープの成り立ちの一端が語られたことなど、 ターニングポイントに向けて前進している、ということなのだろう。 その割に作画がいまいちだったのがやや難あり。
 第十二夜「龍−dragon−」で印象に残ったのがカエデさんの「チェリー」発言。 サクラちゃんをこう呼んでいただけなのだが、ぼくにとって「チェリー」といえば 「錯乱坊」のことなので、とてつもない違和感があったりする。 それとは別にどうもヒノキが単なるわがまま女に見えるのが少しいや。 そりゃまあ、気持ち悪い虫が攻めて来たり、やたらと命の危険があったらイヤなのは重々理解できるけれども、 とても「GGG」と同一世界とは思えないぞ、っと。


Author : suita@terra.dti.ne.jp