『光らびた村』PATTAMANGALAM-00 プロローグ SP.Verayutham(23) 1984-1-18 「僕の村においでよ。大きなバニヤンの樹があるんだ。夏祭りもいっぱいやってるよ」
マドラスで偶然知り会ったヴェラユタム君(23)が、眼を輝かせながら話してくれた。どうせ予定は未定のひとり旅、風来坊は風の吹くままに彼の故郷の村を訪れることにした。
村の位置は、壮大なミ―ナ―クシ寺院の寺町として名高いマドゥライの東南東約80キロ。タミル地方でも最も乾ききったドライ・ゾ―ンにあたるド田舎のひからびた村。
僕とヴェラユタム(以下ヴェラ)は、夜行バスにゆられてティルチラパッリ経由でティルパトゥールという田舎町へ。そこでさらにローカルバスに乗り換えて、いよいよ目的の村に向かった。
広域地図=村の周辺図 村の全体地図