『光らびた村』PATTAMANGALAM-精神世界=10 大樹祭2

 現在、大樹は30数年前に建立されたシヴァ寺院の境内で手厚く保護され、心地良い木陰には、しばしの休息をとる牛車使いやおはじき遊びに興じる女の子たちの姿がみられる。

 しかし、タミル暦THAI、MAASI 、AADIの新月(AMAAVASAI)の日、大樹を包んでいた静寂がはじきとばされ、「スワミ」の磁場が発顕する。まるで巨大な磁石に引きつけられるように、あちこちの村々から数百人に及ぶ若い娘たちがやってきて、不思議な礼拝を行なうのである。祭りの当日には縁日がたち、コ―ヒ―やチャヤ(ミルク・ティ―)スナック類の屋台をはじめ、いろいろな生活雑貨、オモチャなどの売り子がやってきてたいへんな賑いとなる。

 礼拝が行なわれるタミル月の名称を通し読みして、人々はこの祭礼を『タァイ・マ―スィ・アディ』と呼んでいる。また規模はずっと小さいが、毎週木曜日にも早朝から数十人がやってきて同じ礼拝をしている。