『光らびた村』PATTAMANGALAM-精神世界=14 大樹祭6

 ところが、それに輪をかけた不純のカタマリみたいな連中がいた。といっても痴漢やのぞき魔ではなく、なぜかその神聖な場に村のわんぱく供がいて、スケッチを覗きこんだりわめきまわってはしゃいだりしているのだ。
 「あのなあ、ここはガキの来る所じゃないんだぞう」と日本語でブツブツ言っていた矢先、急におとなしくなってお祈りをすませた乙女から何かもらっているではないか!
 さっそく僕の近付いていって、彼らと同じように手をさいだして日本的愛想笑いをうかべていたら、乙女はニッコリ微笑んで、なんと数粒のアメ玉をくれた。ワンパクどもはそれらを大切そうにポケットに入れると、なにくわぬ顔で再び遊び始めた。実はこのアメ玉は何周まわったかを数えるために使われていたのだった。彼女たちの汗と信仰の粒をほおばると、ほんのり乙女チックな甘味が口の中に広がった。