インドの『女性たち』 2000-02

Meena(16) 1983-3-8 Madras

上の絵はマンガ的ですが、こっちの方が似てます

 ミーナちゃんは、2000-01に登場したヴェラユタム君の祖父の弟の孫娘です。1983年当時、マドラスのパリス地区のマンナディという町の一角で、両親が経営する「まかない食堂」の手伝いをしていました。僕はヴェラの案内でよく昼食を御馳走になりましたが、そこは、彼等が所属するチェティヤール・カーストの専用食堂で、郷土のめちゃくちゃ美味しい家庭料理を食べさせてくれました。

 これが、インド料理の源といわれる「家庭料理」との最初の出会いでした。

車夫マニ君のお母さん(42) 1983 Madras

Podum Ponnu(7) 1984 Pattamangalam

 2000-02に登場したサイクル力車夫マニ君のお母さんです。家は路上ですが、よくコーヒーや簡単な食事を御馳走になりました。とっても息子思いのやさしいお母さんです。頼りがいのある息子の出世に夢を託しています。

 20年前、夫とともににマハバリプラムからマドラスに来て以来、苦労してきたのでしょう、一見すると60歳くらいに見えてしまいます。右足の指にはめているのは結婚指輪ならぬ「結婚足輪」です。彼女の絵をレタッチしていたら、なにか涙がこぼれてきてしまいました。今も元気で暮らしていることを祈ります。

 パッタマンガラム村の定期市で見かけた少女ポドゥム・プンヌちゃんは、かわいそうな名前の持ち主です。タミル語で「ポドゥム」は「いらない」、プンヌは「女の子」、直訳すると「もう女子はいらない」という意味になります。昔の日本語でいえば「とめ」ちゃんでしょうか。

 僕も食堂などで、おかわりを強要してくるウエイターに「ポドゥム・ポドゥム!」といって断わっていました。彼女には悪いのですが、旅行者にとって便利な言葉です。でも、こういう子に限って、今や立派なキャリア・ウーマンになってたりして。