PICTURESQUE INDIA Vol.1 KANNIYAKUMARI Rock Memorial 全景

通称ロック・メモリアルの正式名はVIVEKANANDA ROCK MEMORIAL。

 1892年、この地を訪れた哲人スワミ・ヴィヴェーカーナンダが最終的な悟りを開いたことを記念して建てられた壮麗な記念堂(1970年建立)がある。

 スワミは1893年にアメリカのシカゴで開かれた第1回世界宗教会議の席上で「万教同根」という教えを唱えた。ここカニヤークマリは、まさにその教えを正しく具現させているように思える。東岸のベンガル湾沿いの漁村には、ゴシック様式の白亜の教会が天を貫くようにそびえ立ち、約1キロほど内陸に入った鉄道駅のそばには、イスラム教のモスクもある。また、海峡を隔てたスリランカで続いているタミル民族(ヒンドゥー教徒)とシンハラ民族(仏教徒)の紛争を柔らげるために、近い将来に仏舎利塔を建立しようという計画もあるそうだ。

 そして、カニヤークマリ寺院の西隣には、インド独立の父マハトマ・ガーンディー記念堂がある。タミル語で「真・善・美」と刻まれた独特の建物は、様々な宗教の建築様式を兼ね備えているという。

 この地には、インドで生まれ、インドに根付いた数々の宗教・思想・哲学が凝縮されているような気がする。