油脂分解用に開発された『特殊強化微生物』が分泌する酵素の働きにより、通常の微生物処理では分解できない油脂を、グリセリンと脂肪酸に加水分解します。グリセリンと脂肪酸は通常の微生物でも分解できるため、さらに分解されて二酸化炭素や水になります。


微生物による廃水処理はBOD処理を中心に広く利用されています。
しかし、廃水中に油分が含まれると処理の進行を妨げます。これは、油分が比較的分解しにくいことに加えて水に溶けにくいことが原因と言われています。
生物処理槽に油分が入ると、微生物の周りに付着して油の膜を作ります。この膜に遮断されて微生物に酸素等が供給されなくなり、処理の不具合が発生します。
このため油分の多い廃水を処理する場合、加圧浮上装置などで油分を前段で除去してから生物処理を行なうのが一般的ですが、
多量の薬剤の使用・凝集汚泥の産廃費用等、多額のランニングコストが発生し装置メンテナンスも煩雑なため新たな処理法の開発が求められています。






一般的な食用油脂はグリセリンと脂肪酸3分子がエステル結合した構造を持っています。グリセリンは分子内に3つの水酸基(−OH)を持つため、水に溶けやすい性質を持っています。
また、脂肪酸も分子内にカルボキシル基(−COOH)を持つため、比較的水に溶けやすい性質を持っています。(ただし、分子量が大きくなり疎水性の炭素鎖が長くなるにつれ、水に溶けにくくなります。)     
このように「油脂」を構成しているグリセリンと脂肪酸は親水性が強く水に溶けやすいのですが、親水性を持つ水酸基とカルボキシル基が結合に使われてしまうため、「油脂」は強い疎水性を示し、水に溶けにくい性質を持っています。


油脂分解用に開発された特殊バクテリア(オイルバクター)が分泌する酵素(リパーゼ等)の働きにより油脂分をグリセリンと脂肪酸に加水分解します。 グリセリンや脂肪酸は分解し易い有機物として容易に生物酸化される為、一般的な接触ばっ気や活性汚泥法で処理が可能です。
油脂分解槽には微生物を固定する
高性能担体を採用しました。
槽内には多量の油脂分解菌を保持できるため、
少量の微生物製剤を添加するだけで、
高い油脂分解能力が持続します。




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