『BAD MORNINNG』
その4
時間はいつの間にか過ぎて、リナもアメリアも花嫁衣裳に
着替えていた。
俺も無理やりタキシードを着せられ二人の目の前に立つ。
「ゼルかっこいい・・・」
「ゼルガディスさん。素敵です。」
二人は俺の腕にくっついてはなれない。
このままじゃ二人と結婚するのか????
「ああ・・・・」
まずいぞ・・・ホントに俺はこのままじゃ・・・
結婚させられてしまう。
「で・・・・ゼルどっちを選ぶの?」
「そうですよ・・・式始まってしまいます。」
「・・・・・」
だんまりを決めている俺を見て後ろで相談をはじめる
リナとアメリア。
「どうするアメリア時間ないし・・・・」
「そうですね。もういっそのこと3人で式を挙げましょう!!」
「そうね・・・そうするしかないわね。」
「いいですよね!ゼルガディスさん!!」
「ちょっと待てよ・・・」
お前ら・・・俺の意思ってものは無視か?
めんどくさい・・・・流されてしまった俺も俺だが、
どうすればいい?
言葉一つで俺は確実にあの世いきだ。
人間に戻れたのに死ぬなんてまっぴらだ。
ドンッツ!!!
大きな音がして突然ドアが開く。
俺たちの視線は一斉にそちらに向かう。
「・・・・・・ひどい・・・僕というものがありながら・・・」
ゼロスが泣きながら入ってくる。
「はっつ???」
3人一同ゼロスを見て唖然とする。
そして、どうやらその言葉は俺に向けられているようだ。
リナとアメリアの視線が刺さる。
「俺は知らないぞ・・・・」
つぶやく。
「何言ってるんですか?僕を愛してるって・・・結婚しようって
言ったじゃないですか??それなのに・・・こんなこんな
胸なしの女とヒーロー好きな小娘と・・・・・・・
許せない!!!」
俺の胸に倒れこみ泣いているゼロス・・・
もうただ・・・俺はあっけにとられているだけだった。
ここにいた俺って。
どんなやつだったんだ?????
プチッツ!!!ブチッツ!!
後ろのほうでなにやら切れる音がした。
「ゼーールーー!!!あんたってひとは!!!」
「そうですよ!!!ゼルガディスさんにそんな趣味があったなんて・・」
俺ににじり寄る二人。
非常にまずい展開だ。
「だから・・・違うって・・・」
そんな言葉も空しく響く。
「許さない!!!」
「正義の名にかけて許しません!!!!」
二人は同時に呪文を唱える。
「ほんとにちがうんだ!!!!」
そういいながら俺は吹き飛ばされ、意識を失った。
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ガバッツ!!!
勢いよく起き上がる
これは夢だよな・・・
やけにリアルな夢を見てしまった。
手を見つめる。
悲しいことに合成獣のままだ・・・・
よかった・・・
ん・・・
ふと隣を見る。
そこには一糸まとわぬ姿で眠っているリナの姿が・・・
「ななななななな・・・・」
俺は固まったまま動けなかった。
そしてリナが目を覚ます。
「おはようゼル。」
「ああ・・・」
どうやら俺は覚めぬ夢に迷い込んでしまったらしい。
だが・・・
今度の夢は少し楽しめそうだ。
俺は少し笑うとリナに口付けた。
おしまい。