一番品揃えの良さそうな穀物問屋に何日も通いつめて、店先に並ぶ商品を写真に記録した。 布袋に入っているのは、その多くが香辛料である。 ここケーララ地方は、香辛料の故郷。 古来から国際貿易港として栄えていたエルナクラムだが、 1502年のヴァスコ・ダ・ガマの来訪以降、ポルトガル、オランダ、イギリス等に支配され、 動乱と苦難の時代をくぐり抜けてきた。 現在は、インド国内で生産される胡椒の年間輸出量3万5000トンの大半を牛耳る胡椒貿易港である。