□オートガイドへの道(2005.6.18)

とうとう関東地方も入梅してしまいました。天体観望は暫く我慢しなければなりませんが、こんなときこそパワーを蓄えるときです。

入梅前の貴重な晴れ間には、100EDとEM10Bのマニュアルガイドを先ずは試して見ましたが、数分程度のガイド撮影はそれほど苦にはならず、寧ろ撮影された写真にちゃんと効果が現れるのでうれしささえ感じられました。でもたぶん10分以上のガイドはきっと疲れるに違いありませんし、なれてくると1分でもつらくなるに違いありません。そこで、LX200に続き、こちらのシステムでもオートガイドの検討を開始します。

Fig.1 EM10B+DOG-NS-4EM10

 

オークションで入手したEM10BはNS企画のDOG天体自動導入システムが接続れていますが、出品者によるとDOGは今年埼玉のショップより、メーカーメンテナンス済の中古を購入後、3月に国際光器さんでST-4対応用に改造してもらったものだそうです。ただし、若干バージョンの古いものなので、パソコンなどとの接続はできないものでした。

 

ST−4やST−5cなどのSBIC製オートガイダはすでに製造終了になって久しいですが、中古市場では活発に取引されているようで、だいたい8−10万くらいで手に入ります。手っ取り早くオートガイドシステムを構築するには、これらを入手するのがよいのは分かっていますが、最近ちょっと買い物をしすぎたせいでお財布は空っぽです。そこで、なんとか手持ちのMeade DSIを活用できないか考えてみることにしました。

 

Fig.2 DOG-NS4-EM10(左)とオリジナルコンパネ・ハンドコントローラとST4接続ボックス 

 

入手したEM10Bには、いつでももとの状態にもどせるように、オリジナルのコンパネとハンドコントローラが含まれていました。これにはST−4接続ボックスが含まれていたので、ガイドのための配線についての情報を簡単にえることができます。通常、ハンドボックスは直接コンパネに接続しますが、オートガイド用の接続ボックスを使う場合は、ハンドコントローラを一度接続ボックスにつないで、ボックスから出ている2本のケーブルのうち1本をコンパネに接続し、もう1本をオートガイダに接続します。

 

これらがどんな具合に繋がっているか調べてみました。ハンドボックスは単純な機械接点式のスイッチで、これらとST−4への接続ケーブルは、単純にワイヤードORの形で接続されているようです。

 

Fig.3 ハンドコントローラとST−4接続ボックスの配線

 

オートガイダへの接続コネクタのピンアサインはハンドボックスから調べたものなので、モードスイッチの切り替えにより上下方向、左右方向に任意性があります。これはオートガイダ側ではちゃんと定義されているはずなので、あとは実際の動きで調べてみようと思います。

 

Fig.4 ハンドコントローラとST−4接続ボックスの配線(R.A.、 DEC MODEスイッチは共に左に倒した状態)

1 NC 9 NC
2 NC 10 Right
3 NC 11 common
4 Left 12 NC
5 common 13 UP
6 NC 14 common
7 Down 15 NC
8 common    

 

DSIの接続を実際に検討しているのはDOGのほうなので、どのような電気的な接続を与えてあげればよいのか、DOGの裏蓋を開けて調べてみました。オートガイダ接続用コネクタからは、直接ワンチップマイコン(東芝TMPZ84C011、Z80コンパチでペリフェラルが集積されたマイコンです)のパラレルポートに接続されています。

 

これらのポートは抵抗を介してVcc(電圧電源側)に接続=プルアップされているので、負論理のC-MOSレベルの入力信号を与えるか単純にGND側にショートしてやればよいことが分かります。(直接マイコンに接続されていて、全くアイソレーションされていないのはちょっとばかり不安です。こんなもんなのでしょうか?)

 

Fig.5 解剖されたDOG

 

一方、Meade DSIとLX200の組み合わせでは、DSIはUSBでパソコンと接続してイメージが逐次転送され、このイメージからソフト上でガイド誤差を検出、パソコンはRS232Cインターフェースを通してLX200のマイコン内臓架台にテキストコマンドを排出するようなフードバックループを作っています。したがってDOGとは直接的な接続はできません。そこで、マイコンを使ってテキストコマンドからリレーのカチカチに変換するような仕組みを間に挟めてやることにしました。

 

Fig.6 DSIとEM10+DOGによるガイド撮影システムの構想

テキストコマンドから4ビットパラレルへの変換はPICマイコンを活用しようと思っています。PICマイコンについては私は今回初めて触るので、部品はもちろんツールからそろえなければなりません。秋月電子通商はマイコンツールやキットを豊富に持っていて、しかも格安なので、今回PICライタを始め、必要な部品はここでそろえることにしました。

 

・秋月電子通商(http://akizukidenshi.com/catalog/

 PICマイコンキット(http://akizukidenshi.com/catalog/items2.php?c=pickit

 

@AKI−PICプログラマー Ver.3.5 キット  6700円

 (PIC16F84,PIC12C509各1個,10MHzセラロック1個付)

AAKI−PICプログラマーVer.3キット用ケーブル&電源セット 800円

BPIC16F84Aマイコンモジュールキット(RS232C用IC搭載) 1500円  

 

これとは別にBASICインタプリタを内臓したタイプがあるので、これも注文しておきました。

 

CAKI−PIC877ベーシック開発セット 4,400円

 

なんとか梅雨明け前に動くところまで持ってければいいのですが。はたしてうまくいくでしょうか。。

 

 

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