ガイド撮影システムの軽量化(2005.6.4)

重量オーバーを知りつつスタートしたBORG100ED/50EDとEM10によるガイド撮影ですが、同赤道義の最大装荷重量7kgに対し、8.8kgはやはりちょっと可哀想です。EM11がボールベアリング採用で最大重量8.5kgを達成という宣伝文句が含まれているところからしても、1.8kgオーバーはEM10の寿命に尋常ならざる影響を与えてしまう可能性が否定できなくなりました(ちょっと大げさか。。)。そこで、軽量化を考えてみることにしました。

Fig.1 BORG100ED-F4PH主鏡/50ED−F10ガイド鏡の架台方法

    マッチングプレートによる並列架台(左:8.8kg)、大名望遠鏡構成(右:7.8kg)

 

もちろんマッチプレート上に主鏡とガイド鏡を並列架台するのが見てくれ的にかっこいいと思いますが(Fig.1左)、EM10に100EDを架台すると殆ど重量的に余裕が無くなってしまいます。マッチプレートさえ重荷になってしまうので、これを取り外したのがFig.1右です。ガイドマウントとして使用している片持ちフォーク式赤道儀【3101】は高橋鏡筒バンドの雲台取り付けネジに直接取付できますのでそのまま使っています。こういう構成はBORGサイトに少し説明があって、大名望遠鏡というのだそうですが、あまりかっこよくはないので人気がないようです。ここでは背に腹は返られないので試してみましたが、なお7.8kgと重量オーバー、さらに重心が外にずれたぶんバランスを取るためにウェイトを一番端に持っていってぎりぎりという感じです。EM10にBORGφ115mm鏡筒はかなりつらくてφ80鏡筒くらいが相応のようですね。

 

 

Fig.2 ガイド鏡として入手したminiBORG60achromat鏡筒 

 

それでもなんとか100EDを使って制限重量内とするために、思い切ってガイド鏡の方をひよることにしました。そこで選択したのがminiBORG60です。50ED金属鏡筒セットは1.4kgですが、miniBORG60は僅か440gなので、大名望遠鏡構成であれば、なんとか総重量が7kgに収まりそうです。miniBORG60は丁度オークションに出品されていて、ほぼ新品同様なものを実売価格の半額以下で落札できたので、とてもラッキーでした。片持ちフォークへの取り付けは本当は汎用アダプターE【3102】を使うのがよいのですが、今回は手持ちのプラスチック鏡筒バンドのアダプタE【5502】を適当なネジを使って取り付けました(あまりお勧めはできません)。早速、計量してみましたら、重量はピッタリ7kgになりました。

 

 

Fig.3 miniBORG60による架台総重量

 

miniBORG60はF5.4/f=325mmで、50EDのF10/f=500mmに比較して明らかにガイド性能は低下するはずです。ただし口径UPと短焦点ゆえ2.2倍も明るいので、選べる星の数は増えるはず。また、100ED-F4/f=400mmに対し、miniBORG60はコンパクトエクステンダ【4603】とメタル延長筒【4604】を組み合わせて合成焦点を3倍にしているので、ガイド性能が低下したとはいえ、必要レベルのガイド性能はまだ維持できていると思われます。

 

miniBORG60には天頂プリズムとコンパクトエクステンダを組み合わせると、無限遠に合焦するためにはこれ以上光路長が取れなくなります。それゆえヘリコイド等を挿入することが出来ないので、しゅう動部のみでピント合わせをします。ピント合わせやガイド性能を含め、このシステムの使い勝手については次回実際に撮影して試してみようと思います。

 

 

Fig.4 BORG100ED-F4PH/miniBORG60とEM10によるガイド撮影システム

 

 

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