う〜んっ〜。
私はベットに座ったまま背伸びをする。
カーテンを開けると朝の光がまぶしい。
「あぁ〜、朝かぁ〜」
あくびをひとつ。
昨日は、結局2人の前に出て行くことができず(当たり前でしょ!)
2人が帰るだいぶ後を付いて帰ってきた。
なんか、まだ昨日の疲れがとれない。
夜更かしは美容の敵。盗賊相手に遊びすぎたか・・。
それにしては、なんだか精神的に・・。
ーあれだな、やっぱり。
私は、すぐに思い当たった。
昨日はおどろきの連続だった。いまだに信じれない。夢だったのか・・。
いや、夢でないことは、この疲れと、床に置いたサンタの持っている
ような大きな、ズタ袋が物語っている。
(もちろん中にはたっぷりのお宝が)
ーしかし、夢でないとすれば、どうしよう・・。
・・いや、朝になったんだ。悩むことなんてない、
いつも通りの一日がはじまるのだ。向こうが気づいてるわけでもないし、
気にすることなんてないよね。
自分で自分に言い聞かせると、着替えて、朝ご飯を食べに下の
食堂へと下りる。
「おっはよう〜」
知った顔のあるテーブルを見つけると、空いている席、
ガウリイの隣に座ろうとする。少しのんびり起きてきた私以外、
みんなとっくにそろっており、思いおもいのことをしている。
「おう、リナ遅かったな。」
ガウリイがまだ、食べ物を口にふくんだままあいさつしてくる。
「リナさん、おはようございます!」
アメリアも、黙々と食べていた。・・いつものアメリアだ。
私はなんだかほっとする。
そして、こいつも・・
「おはっ・・」
うっっ。
目が合ったとたん、思い切り目をそらしてしまった。
これじゃぁあからさまにやばいじゃないかぁぁぁぁぁ!
いくらなんでも怪しすぎるだろぉぉぉぉ!なにやってるんだ私!!
「おはよう」
不自然に笑顔をつくりながら、それでも、周りに不信感を持たせまいと
平静をとりつくろってゼルにあいさつする。
「・・・・・ああ」
口元がひきつってたかもしれない・・私。
そして、すかさず、すぐ近くにあったメニューを開いて顔を隠してしまう。
「えっっと、何にしようかなぁ〜」
よし、ちょっときつかったけどとりあえずは自然に(?)あいさつしたぞ。
ゼルは、もう食べ終わったのだろう、食後のコーヒーなんかを飲んでいる。
ずず・・・・
ー・・・・あれ?なんか、まだこっち見てる?
だまってこちらの方をじっと見ている、ゼルの視線が気になる・・。
「おい、リナ!・・メニューさかさまだぞ。」
馬鹿だなぁ〜、といわんばかりにガウリイが横から言ってくる。
さすがに私もこれは恥ずかしい。
ゼルはなんでっ、私の態度をみて面白がっているのだろうか?
う”う”・・。ちょっとやけくそっぽいが、
「いいの!私はいつも上から頼むんだから!」
「じゃぁ、いちいちメニュー開かなくてもいいんじゃないですか?」
ずず・・・
そして私は一切黙って、黙々と食堂のメニューを食べていった。
私は早々と食事をすます。そして自分の部屋に戻るときは
どっと疲れていた。
ーはぁ〜、朝からこんなでどうするのよ。
あんなんじゃ、自分から思いっきり「意識してます」っていってる
もんじゃないじゃない。
・・・だいたい、なんで私があいつに。
このままではあいつに反応を楽しませて終わりじゃないか。
このリナ=インバースの名にかけてこれじゃ絶対だめ!ゆるさない!
よし。っと気合を入れる。
私は、思い立つとすぐに床に置いていたズタ袋をかつぎ、部屋を出た。
続く!
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