二人の告白

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私達は、街道からすこし森の方へ入った、ちょっとした空き地のようなところに入った。

ーここって、昨日の場所だ・・。
そう、昨日は夜でよく見えなかったのだがが、昼に来るのとではまた全然雰囲気が違う。
だけど、そこは確かに見覚えのある場所だった。
昨日の後景が頭の中でフラッシュバックを起こす・・。

「どうかしたか?」
「え?別に・・、なんで?」
「いや、なんか今、ぼーっとしてるように見えたからお前。」
「あぁちょっとね、最近疲れてて。やっぱり夜更かしはよくないよね。」
自業自得なことよね、っと軽く笑いながら返す。

「お前な、”盗賊いぢめ”もたいがいにしないと・・」
「もう、何よまたその話?ゼルまでそんなこと。分かってるって。
私は強いわ、誰にも負けない。それはゼルも知ってるでしょ。」
「ああ、知っている」
「なら別に、いまさら・・」
「そういうことじゃない、俺はただお前が・・心配なんだ」

・・・・・?ゼル?

「ああ、さっきのお返しだね。私をからかって。だいたいゼルがはじめに」
「違う!」
・・・。ゼルのさっきまでとは違う真剣な面持ちに、私は言葉を失う。
「今日のお前、朝からおかしいぞ。あからさまに俺から目を
そらしたり、そうかと思うとデートだかなんだか、はぐらかして俺を
街に連れ出したり。そうかと思えばいきなり素直にあやまったり。
・・・なんなんだ。」

ーこいつは、どこまで鈍感なんだろう・・。気づいてくれないの?

「ご、ごめんね。一人で行けばよかったのに、無理矢理連れだしちゃって。
私、ゼルに嫌われちゃったみたいだね。」
「違う!俺なんかのことはどうだっていいんだ。リナ、なんかあったのか?
ガウリイの旦那と喧嘩でもしたか?」
「ガウリイは関係ない!!」
あっ・・おもわず大きな声を出してしまった・・。

ーなんで、そんなこと聞くのよ。
どうだっていいことなんかない。どうだっていいはずないじゃない。

私は、ゼルが好きなのに・・

「おい、リナ!本当に大丈夫なのか?」
えっ・・・あれっ、涙が出てる?私、泣いてる?

「ごめん、私やっぱりちょっと疲れちゃったみたい。早く、帰ろ。」

嫌な奴だな、私。ほんと子供みたい。ゼルの気持ちを知ってて・・連れまわして。
態度悪くって、一人で怒って、こんな風にしかできなくて。
ー最悪だ。こんな奴、嫌われて当たり前。
でもそんな私を目の前のゼルは心配してくれている。
アメリアはほんと、すごい。私の何倍も。ゼルはなんでアメリアを振っちゃったのだろう。
アメリアならこんな時素直に、ゼルの胸に飛び込めただろう・・。
私は、ダメだ。そんなことをする資格なんて、ない。

だけど・・

「ごめんね、ゼル」

ーゼルにだけは、嫌われたくない。

泣き崩れそうになる私を咄嗟にゼルが支えてくれる。

「リナ、どうした、何があったんだ」
ゼルの優しい声。
「私は、ゼルを・・好きになる資格なんてないの」
ー私はゼルが思っているより、ずっと嫌な奴だ。
大粒の涙が止まらない。
もう、この恋はだめかもしれない・・。そう思いかけた時

ぎゅっ。
ーえっ・・
私はゼルに、強く抱きしめられていた。
ゼルは涙でぐちゃぐちゃになった私の顔を親指でぬぐってくれる・・
そして唇を重ねる。
甘い、だけどちょっと強引なキス。

「リナ、たとえお前がどうであろうと俺は、お前が好きだ。
世界中の誰よりもな」

「ゼ・ル・・・いいの?」

ーこんな、私で・・。

「さっきから何を言っている。知らなかったか?
お前は俺のものだ、最初からな。他の誰にも渡さない」

そして、今度は長い長いディープキス。
「もう、離さない」
私は、ゆっくりと目を閉じた。抱かれたゼルの腕のぬくもりを感じるように。

それからゼルは、私が泣き止み落ち着くまでずっと、そばにいてくれたのだった。



「おい、リナ、立てるか?」
そういってゼルは右手を差し出す。
「うん」
私はうなずくとその右手を掴んで、立ち上がろうとする。
ーあれっ?もともと疲れていたし、泣き疲れたせいもあるのだろう、
頭がガンガンする。足もふらっとして、また地べたに座りこんでしまった。

「無理するな。疲れてるんだろ」
と、言うとゼルはしゃがんで背中をこちらに向けた。
「乗れ」
「・・・・・ありがと」

結局、私はゼルのやさしさに甘えることしかできなかった。
ゼルにおんぶされるなんて、不思議な気分。

ー両想いになったんだなぁ、私達。
実は私もゼルと出会った時から・・というのは、また今度言おう・・。

石の体とはいえ、ゼルのその背中は温かくって、やさしかった。
私は、そんなゼルになにをしてあげられるだろう・・。
何もできないのかもしれない。それでも、ゼルは私を好きだと、
世界中のだれより好きだと、言ってくれるのだろうか。ゼルの気持ちに
答えなければ・・。
「ゼル、ありがと・・。私も、大好き。」
おんぶされたまま、ゼルの首すじにそっとキスすると、私はその背中に
顔をうずめ、そのまま寝むってしまった。

この恋がずっとつづきますように・・。

P.S.
次の日、また前のような朝の光景が繰り返されたのは言うまでもない・・。

FiN.


かみやはるか様よりのお言葉♪

はい!長いですね〜。
かなり読みにくいし、何書いてんだか私にもさっぱりです。
まとまってないし・・。
ごめんなさい。
初ゼルリナ小説書かせてもらいました・・。
HPリニューアル(&8000人突破記念)ということで、おそくなりましたが
どうぞもらってやって下さい。
甘あまで、ベタベタでラブラブになっちゃって、もう、自分で書いてて顔が赤く
なってしまって・・。私には恋愛小説なんてかけないと実感しました。
なんかゼルが違う・・リナもおかしい・・。
名前だけでまったく別物かもしれませんね。
それでは。


どうでもいい管理人のコメント。

 かみやはるか様。
 すみません。すべてupするのに時間がかかりすぎてしまって。
 でもようやく・・・・ようやく!最終話までupさせていただきました。本当にラブラブ甘甘な御作品をありがとうございました(はぁと)


6end