Symphonies and Conductors
クラシック音楽も、いろいろなジャンルに分かれているが、その中でも中心に位置するのは「交響曲」であるということに異議を唱える人は少ないはずだ。演奏時間は短くても20分、長いと80分以上もかかるものだけに、中学・高校時代に音楽鑑賞などで長々と交響曲を聴かされてうんざりした経験をお持ちの方も多いと思う。「交響曲」という音楽形式は誰のアイデアによるものなのかは知らないが、18世紀の半ばころからドイツで発展してきた音楽であることは事実である。交響曲こそドイツ音楽の神髄であるといっても過言ではないと思う。ドイツでは大バッハの息子エマニュアエル・バッハが交響曲の創始者といわれ、その後ハイドンが104曲もの作品を作ったおかげで「交響曲の父」の尊称を受け、交響曲の「骨格」を作った。その後、モーツァルトが41曲の作品群によって「血と肉」をつけ加え、ベートーヴェンが不滅の9曲によって交響曲の「生命に火をともした」という訳である。その後、ブラームスがその伝統を引き継いで文字通り、音楽として完成させた。さらに交響曲作家としては、ブルックナー、マーラーが続くが、この二人は古典的な形式としての交響曲を用いて自己表現をしたと解釈することが出来きる。とにかくクラシック音楽が芸術活動として成立する上で「交響曲」の果たした役割は大変大きな物があった。
この交響曲を基本に、過去の偉大なる指揮者の足跡を概観しようと言うのがこのページの趣旨である。