ファンタの最初のPC版の発売日が1998年11月27日。
あれから10年経ちました。
ファンタと自分の歩みを振り返るために、少し思い出を書いておこうと思います。
あくまでも私の思い出が中心なので、いまさらものすごく意外な新事実が出てくるわけもありません。
当時を知っている人も知らない人も、そんなこともあったのねーと思っていただければ幸いです。
記憶違いがあったら申し訳ありません。教えていただければ幸いです。
1998年夏〜秋 ミシェール、ファンタの存在を知る。
声優塩沢兼人さんのファンサイトの掲示板で、新しく出る女性向け恋愛ゲームの話題が。
当時、角川書店のマンガ雑誌「ふぁんデラ」に広告が載ったはず(後にアンジェリークのマンガが連載された雑誌ですね)
女性向けゲームはまだ珍しかった頃で、しかも富士通が初めて女性向けゲームを出すというので、
ゲーム好きの間では注目を集めていたようです。
でも確か、セオリー通り、一度発売日が変更になってたはず(もちろん延期になった)
そのうちに、椎名めろんさんのサイト「めろん亭」で当時ファンタのメーリングリスト(ML)の管理人をしていたNoaさんと知り合い、
もともと買おうと思っていたせいもあり、MLに加入します。
あちこちで書いてますが、これが本当に、今の私にいたる道のそもそものスタートだったことは間違いありません。
1998年11月27日 PCゲームソフト「FantasticFortune」発売
自分は少し遅れてLAOX仙台店の開店セールで買った、と「出会い編」に書いてあった(笑)。
このLAOX仙台店もとっくになくなってますよ…(遠くを見る)
初回特典付限定版で、キャラ紹介的なミニドラマがついてました。
これは今は違う会社が売っているバージョンにはついていないので、貴重です。
発売前の夏に「コンプティーク」というPCゲーム雑誌に、原画&シナリオのゆうきあずささんが描いた宣伝用予告マンガが、
別冊付録で掲載されてます。これ、実は私持ってるんです。
なんで買ったのか?この頃、ファンタのことを知っていたのか?
時期が微妙なんですが、実は、この付録には船戸明里さんが描いた「デアボリア」というゲームのマンガが載っていたので、
こっちが目当てで買ったのか、あるいは合わせ技一本で買ったのか、詳細はもう忘れてしまいました(汗)。
少なくとも、男性向けの雑誌なので、毎号買ってたわけじゃないので、確実に何か天の啓示を受けて買ったんだと思います。
このマンガは、翌年夏にゆうきあずささんが出した同人誌にも再録されてますし、そこでご本人が明らかにしておられるのですが、
実はページ割が間違ってるんですよ!左右のページがズレていて、見開きになるはずがなってないというすごい構成。
最初読んだ時、なんだか変だなあ、とは思ったのですが、さすがど素人の私、見開きのズレにはまったく気づきませんでした(爆)。
後でわかってから見れば、一目瞭然なんですけどねえ。まあ、プロの編集者が見落としたんだから、しょうがないか。
そういう意味で、今でもこの付録はお宝として持ってます♪
1998年12月 ミシェール、修正ファイルに苦しむ
さて、当時も今も、PCゲームの発売直後のプレイはバグとの戦いです。
本来なら、製品として売り出されている物にバグがあってはならないはずなのですが、規格の決まったゲーム機で遊ぶのとは違い、
いろんなスペックのパソコンで遊ぼうとする以上、どうしてもバグがつきまといます。
PC版ファンタも例外ではなく、バグがいくつかあったのですが、その中で最もオトメなプレーヤーを驚かせたのは、なんといってもこれ。
レオシルEDが見られない!!!!
好き嫌いと関係なく、EDが見られないのは、致命的ですね。
もちろん、すぐに通報(?)を受けた製作者サイドが修正ファイルを出してくれたので、それを使えば問題はなくなるはずだったのですが。
ここからは私の個人的思い出。初プレイは、中性キャラということで期待のシルフィスから。
何人かのEDを見つつ、隊長EDを召さして修正ファイルのダウンロードをしようとしたところ、なぜかダウンロードができない!
今思えば、恐らくこちらのネットワーク環境のせいじゃなかったかと思うのですが、
とにかく当時は理由もわからず右往左往して、泣き言連発するだけのスキルの低い私(爆)。
そんな時、前述のNoaさん主宰のMLで、多くの人が励ましや具体的な助言をしてくれました。
そうでなかったら、面倒くさくなって途中で止めてたかも、本当に。
そしてオフィシャルサポートに連絡したところ、プロデューサーの方がわざわざ別途圧縮したファイルを作って
ダウンロードできるようにしてくださいました。感動しました。
それほど大騒ぎをしてまでクリアしたレオシルED、特別に深い思い入れができたって、こりゃもうしょうがないってもんじゃありませんか。
1999年1月 ミシェール、サイン色紙が当たる
シルフィスでレオニスを攻略して、すっかり満足にひたっていた私のもとに、突然ビッグなプレゼントがやってきました。
発売前に富士通の公式サイトで、アンケートに答えると声優さんのサイン色紙が当たる、という企画をしていたのです。
それに私も応募してたんですね。申し込む時、誰のサインにしようかものすごく悩みました。
ファンタを買おうと思った理由はいくつかあるんですが(それもアンケートで聞かれていた)、
やはり声優さんの魅力、というのは確実にあります。「出会い編」に書いちゃってますが、
シオン役の塩沢さんにするかレオニス役の鈴置洋孝さんにするか、かなり迷いました。
この時点ではまだプレイしてないから、役柄ではなくて、完全に声優さんで選んでるわけです。
正直に振り返ってみると、塩沢さんのファンサイトの盛り上がりを目の当たりにしていたせいで、
なんとなく塩沢さんの方が倍率高いのかなーと思って、鈴置さんにしたような記憶があります。
まったくもって私の勝手な思い込みで、鈴置さんには失礼な話なんですけれども。
お二方どちらもファンなのは本当なんですよ!
というわけで、ポチっとアンケートに答えていたのが、発売前。
しばらくしてから、公式サイトで当選者の発表があった、というのを知って見に行ったら、
なんとまあ、自分の名前が載っているよ!びっくり!舞い上がる!
応募者が多かったので、当選者を増やしたんだそうです。多分プロデューサーのおかげ。ありがとう!
MLでもキャラは違えど当たった方が何人かいらっしゃいました。
このサイン色紙、当然ですが鈴置さんのサイン(名前)が書いてあるそれと一緒に、カタカナで「レオニス」って書いてあるんです。
私はこれを「レオニス隊長のサインだ」と主張して譲りません。
鈴置さんのサインとレオニス隊長のサインと、両方書いてある色紙なんだよ!
もうね、一生隊長についていこうと決めました。十年経っても守れていると思う。
ちなみにこの鈴置さんとレオニス隊長のサイン色紙が当選した方は、私の他にも何人かいらっしゃいました。
数年後に、そのうちのどなたかがゲーム本体と一緒にヤフオクに出されていました。
レオシル好きのネット友達から「ミシェールさんはそんなことしないよね」と言われました。
私は「もちろんそんなことしないよ」と言いました。その言葉も守れています。
1999年 ML、FCで盛り上がる
さてさて、ここまで私がファンタにはまりこんだのは、MLのおかげだ、と思っています。
修正ファイル騒動の時も助けられましたが、攻略もキャラ愛も、一人よりも大勢で語り合った方が盛り上がるもの。
そしてここでの多くの出会いが、その後の私のファンタ人生どころかネット人生ヲタク人生を導いてくれることになるのですが、
それはもう少し先の話。ここではまだMLの話をメインにしていきたいと思います。
まずこのMLが活発で、いろんな刺激がありました。
そして主宰のNoaさんのサイトにチャットがあって、そこでML会員やそれ以外の人たちと、リアルタイムで感想や妄想を言い合えた、
というのはすごく大きかったです。
この頃はあんまり「萌え」とか言ってなかったような気がするんですが、とにもかくにもこのときに、
私はカップリング愛で盛り上がる、ということを初めて学びました。
アンジェの二次創作とかも読んでましたけど、たとえばルヴァ様が好き〜とか思ってても、相手は誰々でなきゃ!みたいなこだわりって、
ほとんどなかったんですよね〜。金アンでも栗アンでも設定に応じて、みたいな感じで。
今でも基本はそうなんで、ファンタから新しい楽しみ方を知ったと思ってます。
やーもう、とにかく、参加者の皆さんが、キャラやカップリングについての愛を熱く語るので、どんどん熱が移ってくんですよねー。
その熱に大きく燃料投下したのが、FCを作る話だったと思います。
ML内の投稿で、好き話が盛り上がった人たちが、あくまでもML内部でファンクラブ(FC)を作るようになりました。
会員番号何番、みたいに盛り上がると楽しいですよね。そうしたら、ゆうきあずささんが
(あ、そうそう、このML、制作側のゆうきさんも会員だったんですよ、書くの忘れてたけど、入ってからびっくりしたよ、あたしゃ)
「ある程度会員が集まったら、そのカップリングのイラストを描きましょう」とおっしゃってくださったのです。
どひー!原画家さんの描き下ろしイラスト!?描いてもらえるなら描いてほしいに決まってるじゃないですかー!!
既にあったカップリングの他に、続々と名乗りを上げるFCが表れ、
私が「レオシルの絵が欲しいな。誰かレオシルの作ってくれないかな」と呟いたら、
「欲しかったら自分の手で掴み取れ(要約)」とみんなに言われ(爆)、とうとう思い切って手を上げて作ったのが、
「レオシルFC近衛騎士団特殊部隊」なのでありました。
そして夏には無事に、レオシルのイラストを描いていただけたのです。幸せでした♪
この絵はしばらくの間は、FCのサイトで展示していたのですが、その後ゆうきさんの依頼で下げてます。
当時会員だった人は、皆さんお持ちです。私も持ってますので、ご覧になりたい方は個人で楽しむ分にはお見せできます。
私たちのように描いてもらえたFCはよかったんですけど、結局描いてもらえなかったところもあったので、
お忙しいからという理由はわかるのですが、ちょっと残念でした。
描いてもらえるのが当然だとは思いませんが、約束された方は期待しちゃいますものね。自分たちは幸運だったなあ、と思っています。
他に描いてもらえたところは、キルメイ、レオメイ、キルディア、セイルディア、シオンディア、セイルシルは確実にあったはず。
他にもあったような気もします。記憶が定かでなくてごめんなさい。
今はもうML自体が終了していますが、なんだかんだ言ってFCを(サイトだけとはいえ)続けているのは私だけかも。
だってほら、一生ついていくって決めたから!
(隊長のFCやシルフィスのFCは、オンラインで別の方が作っていたのです…)
FCからもわかるように、今振り返ってみて人気があったのは、ヒロインではメイ、男性陣ではキールが強かったような。
もちろんそれゆえキルメイも。あとはセイル、シオン絡みのカップリングが目立ってましたかね。
レオニスのことは、あんまり客観的に見られないので、どうなのかなー(^^;;
レオディアもレオメイも、私から見ると熱く見えましたけどね。アルムディアも人気でした。
そうだ、今だから言える話。
当時の私は、メイ役の坂本真綾さんが現役女子高生だって、まったく知りませんでした…!
人気があるのはわかっていましたが、いやはや、世の中知らないことだらけですよ(爆)
そういえば、王道論争みたいなのがあったなあ。ヒロインのカップリングで誰が王道か、という話題。
王道というのは、メインというか多数派というか、当然一番、みたいな意味らしいんですが。
不思議なことに、「自分たちは王道だ」という人はまずいなくて、言う人はたいてい「○○は王道だけどうちは違うから」
みたいな言い方をしていたと記憶しています。私もよく「レオシルは王道だから」と言われました。
そうなのかな〜?さっきも書いたけど、あんまりそういう風に思ったことなかったので…。
えっと、もちろん、仲間が多ければ嬉しくなるし調子に乗っちゃうこともあり、
逆に仲間が少なければかえって結束が強まったり創作意欲が刺激されたり、
そういう感情が生まれるのは当然だと思うし、自分自身もそういう感情を持ちます。
でもそれを他人から「王道だから」と言われるのは、なんか違うような…。
同じ意味で自分から「私の応援しているのはマイナーだから」というのも、なんとなくしっくり来ない感じがします。
単に言葉の語感の違いだけかもしれませんが。
王道かどうかに限らず、大げさに言うとカップリングごとの派閥というか対抗意識というか、
そういうのに直に触れたのも、ファンタが初めてだったので(それまでがあまりに能天気だったもので)、
まさに「好き」の表現のしかたをいろいろ学んだ、という感じです。
そういう私も、無神経なこといっぱいやらかしてたんじゃないか、という自戒を込めての思い出です。
あ、ファンタ好きのフォーチュナーの間で内紛があったとか、そういう話じゃないですよ!
コミュニケーションの基本の話ですよ!
だんだん話が逸れてきた?とにもかくにも、
ネットや同人というヲタク的世界における今の私の基本姿勢を育ててくれたのはファンタなので、感謝してます。
短期間ではありましたが、作り手側との距離がすごく近かった、というのも特筆に価しますね。
その近さが良いことも悪いこともあったと思いますが、すべて良い経験になりました。
ちなみに、当時のプロデューサーには御礼を言いたいですが、富士通の公式サイトは全体的に態度が悪かったなあ、
というとファンサイドからの一方的な愚痴になってしまいますが。
もっと商売っ気を出して、攻略本や関連グッズを売り出して欲しかった。
コーエーほどがんばらなくてもいいから、なんかこう、せめてもうちょっと(爆)。
実は、富士通はファンタを発売した後、ゲームから撤退することになり、もともとは「エーベルージュシリーズ」という
男性向けの先行ゲームがあったのですが、その本体ともどもファンタは絶版の憂き目にあってしまうのでした。
さきほど、初回特典付限定版を買ったと書きましたが、富士通版はこの初回版しか存在しません。
売れなかったからじゃなくて、売ってくれなかったんだよう〜
というところで、今宵はここまでにいたしとうございまする〜。
とりあえず、もともとサイトにあった「ファンタと私」の回顧録部分をフィーチャーしておきます。
第1回「出会い編」 2000.01.20
第2回「はまりゆく春編」 1999.10.31
第3回「燃え上がる夏・前編」 2000.01.22
第4回「燃え上がる夏・後編」 2000.02.04
第5回「秋・ファンタ普及への道編」 2000.04.14
第6回「外人部隊・冬の陣編」 2000.08.20
第7回「ビバ!ファンタリウム編」 2001.03.11
突発企画PSファンタプレイ日記2001.05-07
これに続く部分はすっかりイベントレポートになっちゃってますが(汗)よろしければご覧ください。↓
ファンタと私