もっと強く生きられる? きっと夢は叶う?

#1 虚空の歌

「ここね。お宝の眠る洞窟は」
「リナさん、はりきってますね」
「ったりまえじゃない、アメリア! なんたって今回、信憑性バッチリなんだから!」
あたしはそう言って、ぐっ! と力強くガッツポーズをとった。
アヤシイ商人から買い取った、古文書。
それには、シャザード・ルガンディが残したといわれる、ある魔法の道具(マジックアイテム)の隠し場所
が、しっっっかりと書かれてあったのだ。
とゆーことで。
あたしたち仲良し四人組は、その隠し場所である洞窟へとやってきたのだ。
「なあなあ、オレたちこれからどーすんだ?」
ぼくごしょっ!!
クラゲな発言をしたガウリイのみぞおちに、リナちゃんスクリューパンチがヒットした。
「あ・ん・た・はっ!! 何度も説明したでしょうが! 何で覚えてないの!?」
「いやあ、だって・・・・・・・・・」
「だっても何もぬわぁぁぁぁいっ!!」
げし。
・・・・・・リナちゃんキックが炸裂。
「ま、こーゆーバカはほっといて・・・・・・。ゼル、あたし・・・・・・」
「ゼルガディスさん。私、今『あの日』で魔法使えないんです。明かり(ライティング)唱えてくれません
か?」
あたしの声を遮って、アメリアがさりげなくお願いする。
「いや、俺じゃなくてもリナが・・・・・・」
「リナさんも『あの日』で魔法使えないんですって」
にっこぉ〜。
アメリアの天使の微笑みに、ゼルは一つうなずいて明かり(ライティング)を唱える。くっそ〜アメリアの
奴ぅ〜。あの日はあたしだけでしょーがっ!
アメリアは、あたしの仲間であると共に、ライバルでもある。
何の・・・・・・って・・・その・・・・・・・・・・・・・・・・・・えと・・・。・・・・・・こ、恋の・・・。
「何をしてる、リナ。行くぞ」
ゼルがあたしの方に振り返る。あ、みんなもう入ってる・・・。
「ちょっ、ちょっと待ってよー!」
あたしはそういって駆け出し・・・・・・。
べしゃっ。
足元にあった石のせいで、思いっ切しつまづいた。・・・・・・・・・情けないよぉ〜〜〜。
「大丈夫か?」
ゼルがそう言って、手を差し伸べてくれる。・・・・・・こーゆー、さりげない優しさが好きなんだ。
あたしも。アメリアも。
そう。
あたし達は、ゼルガディスのことが好きなのだ。

「しかし・・・・・・思ったより暗いな・・・」
「そっかぁ? オレはいちおー見えるじょ?」
「そりゃ、ガウリイさんはふつうじゃありませんし」
背後でこんな平和な会話文が聞こえる。道は一本道で罠もなく、あたしたちは迷わずにすんだ。 
てくてくてく。
「ほいとーちゃくっ」
あたしがそう言って足を止めたのは、一つの石碑。そのうしろはただの土の壁。
古文書によれば、ここのどこかに、次のフロアに行くための何かがあるはずである。
「あ、何か書いてありますよゼルガ・・・」
「あ、ホントだ。え〜っと・・・」
アメリアがゼルガディスを呼ぶ前に、あたしが返事をして、アメリアの横にしゃがみこむ。
ふっふっふっ・・・。ゼルと並ぼ〜だなんていー度胸じゃないの・・・。
あたしはしてやったりとい視線と笑みをアメリアに向け、石碑の文句を翻訳する。
「ん〜ちょっち・・・・・・ムズいなぁ。『天、と地の・・・・・・はざ、まに在りし・・・存在(もの)・・・』」

天と地の狭間に在りし存在

「『み・・・・・・ち、なる、し・・・・・・ん、じつ・・・・・・と・・・』」

未知なる真実と

「えっと・・・・・・ん〜? なにこれ・・・?」
あたしがうなっていると、ゼルがひょいと石碑を覗き込んだ。
アメリアはというと、うらやましそうな顔をして、遠くであたしたちを見ている。(+嫉妬)
ガウリイは・・・・・・・・・だめだ、寝てる。
「『其を変える道標を』・・・か」

其を変える道標を

「「『今こそ我らに与えたまえ』」」

今こそ我らに与えたまえ!!

かっ!!
唐突に閃光が閃いた! なっ・・・!?
「リナ! ゼルガディス!!」
「ゼルガディスさぁぁぁぁぁん!!!」
ガウリイとアメリアの声を遠くで聞きながら、あたしの意識は白く濁っていった。

よろりと立ち上がる、甲冑姿の男。マインの村の警備隊長だ。
『ばっ・・・化け物め・・・・・・』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。・・・・・・化け物、か。
『無念だ・・・・・・こんな・・・化け物の女にやられるなど・・・・・・!』
ごふり、と血の塊を吐き出し、男は息耐えた。それっきり。動かない。
・・・・・・私は化け物。
ならば、化け物らしく狩ってやる! 
殺してやろう! 焼いてやるぞ! 人間を!!

「っ!」
目を覚まして、身を起こす。森の中だった。
あたしは確か・・・・・・・・・洞窟で石碑に彫ってあった文句を、ゼルと一緒に・・・・・・!!
ゼルは!? 慌てて辺りを見渡し・・・・・・。
「気がついたか、リナ」
ゼルの声が背後からした。ほっと胸をなで下ろす。でも・・・・・・。
「アメリアとガウリイは?」
「わからん。俺が目を覚ました時は、お前が隣で倒れていたからな」
そう言って、あたしと向かい合う形で座り込む。
・・・・・・・・・あれ?
「ゼル、マントは・・・?」
「お前の尻の下」
でっ!?
慌てて下を見てみれば、白い布がしかれていた。あ、マントをシーツにしてくれたんだ・・・・・・・・・。
「ありがと、ゼル」
あたしはぎこちなく微笑み、お礼を言った。
にしても、さっきの夢・・・・・・・・・なんだったんだろ・・・。


                            #1・了


浅島 美悠様よりのコメント

あ・・・・・・・・・あははははははははは(乾いた笑い)
これ、実は一坪様のHPに乗せてもらってモノで・・・・・・。
ハズい〜〜〜〜〜〜〜〜一応ゼルリナですわ!! 応援してくれる人って・・・・・・。
いないだろうな〜〜〜〜。でわ〜。                Miyu Asazima  


ありがとうごさいます!!
なんやかやで、この極楽浄土も真の極楽となって参りましたところに、浅島様よりの大変嬉しい投稿です。
ゼルが!ゼルがお素敵・・・・。
しっかぁぁし!なによりリナが可愛い。私は見事、リナに釘付けです!はうっ!(馬鹿)
もうもう、応援はここにも一人ばっちりさせていただきますので、続き、お待ちしておりますので、
頑張って書いて下さいませ。
皆様も是非応援してあげてくださいね♪

三下管理人 きょん太拝


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